masumiノート

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宅配灯油

2016年01月20日 | ひとり言

先日の、ポリ容器2つの灯油配達に対して渡された1,000円のハナシ

この話を読んだ方の中には「くれると言うんだから素直に貰っておけば良いじゃないか」と思った方もいたでしょう。

たしかに「需要と供給」という観点からすれば、先日のポリ容器2つの灯油配達に対して渡された1,000円は何も問題のないお金と言えます。
例えばもし仮に配達する店が1軒もなくなったとして、便利屋さんか何かに買い物代行を頼んだら1,000円では済まないでしょう。

例えばそれが1,000円でなく5,000円だったとしても。
それだけのお金を払ってでも配達してもらう灯油が必要な消費者との間では何ら問題のない商取引です。

*****


価格競争は不採算で非効率なモノを切り捨てる。そうしなければ価格競争には勝てない。

灯油難民はそうして生じた社会現象です。


災害時中核SSがそれらの灯油難民を救うわけではない。


「自店の顧客を灯油難民にはしたくない」と思って踏ん張っている地場のガソリンスタンドの存在。
そのお蔭で行政は助かっている 



別料金を貰う事でこれからもずっと営業を続けて地域への供給を担えるものなら貰っても良いでしょう。
だけど一人、二人の人から500円とか1,000円を渡されたからって何にもなりはしない。
それを受け取るだけ心が疲れる。

何が何でも心を鬼にして配達を断って問題を顕在化させた方が良いのかも知れないけど、
小口配達を断るー、それが出来るのならとっくの昔にしているでしょう。

逆ザヤを何年も何年も続けて、堪えて堪えてやってきて、
最近になってやっとお断りすることができたのは、“足がある”企業様だけです。
不採算な小口配達を切り捨てる努力と続ける努力をしています。


個人のお宅を切り捨てることは余程のことがない限り地場業者には出来ないと思います。
独居老人宅なら尚更です。

今も電話でポリ容器への配達依頼がありました。
こちらは昔からのお客さんですので今まで通り「ありがとうございます」とお受けしました。

「あそこは雪が解けない場所なんや、ローリー登れるか心配や」
そう言って、その1軒の為にこうちゃんは出掛けて行きました。



あと5年は営業を続ける予定ではいます。

でもその後は分かりません。
恐らく多くの地場業者がそういった心配をしているのではないでしょうか。

その時、これらの独居老人宅への灯油の供給はどうなるのでしょうか。



<1月21日追記>

「灯油の配達(代行)は商売になるんじゃないか!?」と思われたアナタ様へ


もしかしたら、将来的にはアリかも知れませんね

いや、やっぱり難しいかな

以前同業者からも「自分ならそのお宅をキッカケに“近所でまとめて注文してくれれば安くしますよ”などと営業して活路を見出す」というようなコメントを頂きました。


(溜息)
住宅密集地ならね。

でも住宅密集地であっても、近所に自店の仕入れ値同然の安値で販売しているセルフやホームセンターがあったら?

・・・それでもまあ、その住宅密集地の住民が全て“車を持たない高齢者宅”ならそれも可能かも知れませんね。

・・・・・

「1000円2000円余分に払っても配達が必要」という人がいるのは、裏を返せば、それが極々少数だからです。


灯油配達、明と暗