5月13日 ぜんせきより
【神奈川県横須賀市】
地場SSの廃業・撤退の増加によるSS過疎地が拡大し深刻さを増している中で、湘南菱油(本社・神奈川県横須賀市)(JX系)は昨年度、経済産業省の補助制度を利用して『灯油安定供給実証事業コンソーシアム』に取り組むなど、供給困難エリアへの対策を積極化している。
首都圏に位置する神奈川県だが、横須賀市は地形が複雑で入り組んだ谷あいを長い階段や細い路地が入り込む谷戸(やと)と呼ばれる独特の住宅地が古くからある。
谷戸世帯では高齢化が進む中で、地域への供給を担ってきた地元SSが老朽地下タンクの漏えい防止対策義務化を受けて廃業、加えて最近では灯油を配達する米屋などの薪炭系業者も撤退したため、灯油購入に支障をきたす世帯が増える切実な実態が年々広がっている。
「エネルギーを通じて地域社会に貢献する」という社是のもと、同社は補助制度を利用して、灯油の安定供給対策に取り組んだ。
対象地域は谷戸の1つである船越町4~5丁目。75歳以上の高齢者が230人居住し、すでに灯油購入の困難者が出ている。
実証事業では、同町内会の各班長が参加する『南郷親和会』とコンソーシアムを組み事業をスタート。
補助制度を利用して、谷戸の細い路地でも入れる軽トラックとその荷台に積む小型タンク(容量400リットル)を購入、灯油の配達を実施した。
ただ谷戸での配達は細い路地の先にさらにある山道や階段に阻まれるため、軽トラを利用しても各世帯の前まで行けない。
そのため、配達業務を担当するエネルギーソリューション部のスタッフが手にポリ缶を持ち運ぶ作業を繰り返した。
同社によると「火曜と金曜にオーダーを一括してもらい、午前8時~午後8時までを配達時間とし、2人1組体制で運搬した」という。
事業開始の昨年11月から今年3月末までにスタッフが汗水流して配達した数量は計6万2903リットルに達する。
同事業に取り組む問題意識について、大庭社長は「我々は地域と一緒になって事業活動を行っている。商売、利便性だけではない。エネルギーを通じて地域社会に貢献することが考え方の基本であり、地域のニーズ、必要性があれば取り組むのが当社の使命」と説明。
そのうえで、「谷戸を中心に、我々の地域では年間100世帯単位で灯油購入が困難な世帯が増加している」と危機感を示し、今後はさらに安定供給を拡充していく方針だ。
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以下、夫婦の会話
masumi
(新聞の写真を見て)
重たいポリを両手に下げて・・・ご苦労さんなコトやなぁ。
でも写真で見る限り湘南菱油のスタッフはまだ若そうやな...
湘南菱油がこの実証事業に取り組む前は、地場業者がコレをしてはったんやろうなぁ...
私の勝手な想像やけど、施設の老朽化ということやから、多分高齢の経営者とちゃうかなぁ...
人員も... 二人一組体制なんか無理や
補助制度もない。
もしかしたら自腹を切りながらやったかも知れん
もしかしたら配達先で、(安売り業者の値段と比べて)“高い”とか文句を言われたこともあったかも知れん...
それでも、廃業しはる前までは昔ながらでずっとこれを続けてきはったんちゃうかなぁ...
私はな、湘南菱油さんが配達してくれるのは有難いことやと思うで。
でもな、
その前までコレを続けてきはった地場業者のことを思ったら、たまらん気持ちになるねん。
こうちゃん
まぁな。。
・・・でも、そらしゃーないねんて。
masumi
そうや、しゃーない。
でも、
だからこそ、
そのコトは、忘れたらアカンと思うねん。
恐らく、こういう補助金を使っての実証事業も全国的に増えてくるやろと思う。
でもその陰には、「地場業者の存在があった」、ってこと。