masumiノート

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平成 27 年度 石油製品需給適正化調査

2016年06月08日 | メモ(GS業界紙より)

6月8日 燃料油脂新聞より


平成 27 年度 石油製品需給適正化調査
石油製品の価格形成及び取引実態と 石油産業の収益構造に関する調査

平成 28 年 3 月   
一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センター

http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2016fy/000319.pdf


177ページもある報告書です。

米国、欧州、日本の「独占禁止政策」部分を転載します。



米国

 米国石油産業の流通部門に対する法規制には差別対価を禁じる1936年に制定された ロビンソン・パットマン法 があるが、スーパーと一般小売市場など市場が異なる場合は同一 商品とはみなされないこと、また地理的に違う場所での競争(顧客から見た代替性がある 地理的な範囲外)も対象とはみなされないためこの規定は適用されないこと、さらに立証に も難しい点が多いことなどから、石油製品市場での適用はかなり困難となっている。  州によっては小売店保護の為、石油会社が直接SSを運営することを禁止している分離 法、独立系のSSを精製会社やジョバーの運営する直営店から保護する目的で、直営店が 運営の必要経費をカバーできない価格を設定することを禁止するコスト割れ禁止(SBC、 Sales Below Cost)法等がある。


欧州

イギリス、フランス、ドイツとも欧州連合の機能に関する条約(Treaty on the Functioning of European union)に準じており価格協定、生産・販売・技術開発または投資に関する制限、 市場または供給源の割り当て、取引の相手方を競争上不利にする差別的取り扱い、抱き 合わせ契約等を禁止している。 ドイツにおいて消費者利便性向上の観点より2011年から「Market Transparent Unit」を 通じて、すべてのSSからの価格情報収集を開始した。すべてのSSは、価格改定から5分以 内にこのシステムへの報告が義務付けられており、結果はインターネットを通じて公表される。 これにより、消費者への価格透明性が一段と向上した。   また、ドイツでは中小販売店保護の為、石油会社直営の店頭価格がディーラー向け卸 価格を下回ってはいけないという規制(プライスシザールール)がある。


日本

我が国の競争政策を規定する基本的な法は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保 に関する法律」である。市場メカニズムを正常に機能させ、公正かつ自由な競争を促進して 事業者間の競争を促すことで、消費者利益を確保することを目的としている。  不当廉売注意件数は平成21年度をピークに減少傾向にあり排除措置命令事例は平成 18年度に1社、平成19年度 2社のみとなっている。これは不当廉売の定義が「供給に要 する費用を著しく下回る対価とは仕入れ価格を指す」という公取の見解があり、販売コストは 加味されていない事が影響していると思われる。  これを放置するとガソリン等の燃料油販売の収益に頼る必要のないスーパー等により市 場が席巻され資本力の無い中小企業が淘汰され、大資本のみが市場に残るという事にな りかねない。短期的にみれば公取の見解は消費者側に立った見解と思われるが公平な競 争ルールについて議論の余地があると思われる。 また差別対価の定義は「不当に、地域又は相手方により差別的な対価をもって、商品又 は役務を継続して供給することであって、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの」となっているが、現状、差別対価により元売が指摘されたという事例は無い。  今後、元売り合併等による価格支配力が高まると予想される中、ドイツにおいて施行され ているプライスシザールール(石油会社直営の店頭価格がディーラー向け卸価格を下回っ てはいけないという規制)が参考になると思われる。 


*****

>石油会社直営の店頭価格がディーラー向け卸価格を下回っ てはいけないという規制

2001年12月 石油業法廃止で元売が小売に進出。
日本は、こうした規制も、ルールも、何もないままに規制緩和が行われたのです。

因みに、特石法廃止は1996年3月。
それから20年3カ月が経過しました。




訴えたら、即、潰される 


消耗戦で疲弊する市場

2016年06月08日 | ガソリンスタンド2

6月6日 ぜんせきより

1SSディーラーの窮状深刻


長引く過当競争や需要減は地場SS業者の体力を刻々と奪っている。
関東でも、月間ガソリン販売量が数十キロ程度の1SSディーラーが増えたが、現金客の多くが量販セルフに奪われ、窮地に追い詰められている実情がある。
生き残るために様々な施策を打ち出して来たものの、“明日なき消耗戦”に対して打つ手が全くなく、頭を抱えている。

現金客の流出によって結果的に掛け売り比率が高まっている地場SSは少なくない。

新潟県の販売店社長は、「昔と比べ、現金客の多くを近くのフリートや量販セルフに奪われた。いまや店頭はほとんどが掛け売りばかりで、土日が暇になった」と顧客流出に懸念を示す。

また茨城県内の販売店社長は、「いままで家族でやってきたが、稼ぎが少なくなったため、息子を勤めに出した。採算を考えた値段でガソリンを販売しているが、もともとの販売量が少ないので総利益額は少ない。量を増やそうと思っても、ジョイフル本田のような値段で販売すれば自分の首を絞める。この状態では油外も増やせない。市場自体が小さいので大逆転はあり得ないだろう」と窮状を訴える。


一方、千葉県内の特約店社長は、「生き残るためには、いま抱えている顧客を他SSに奪われないよう、サービスを充実させていくしかないだろう」と述べている。




(以下masumi)


仕入れ値に恣意的な格差があることが一番大きな原因です。
消費者がそれを知らないなかで(悪徳呼ばわりされながら)、20年近くも経過しました。


【近隣店の売価が自店の仕入れ値より安いというコトがどういったコトなのか、特約店の社長さんには理解出来ないのだと思います。

それが理解できていれば上のようなセリフは出てこないはずです。


一緒に働いていた息子さんを勤めに出さなければならない販売店に、「油外を」とか「サービスを」なんて言うのは、
手足をもぎ取られた者に向かって「走れ」と言っているようなものです。

それすら理解(想像)できない人間はこうした販売店が廃業していくのを見ても、「努力もせずに文句ばかり、だから淘汰されて当然だ」のようなセリフを平気で口にするのでしょう。


規制緩和以降、20年近く、何の努力もせずにこれまで営業を続けてこれるはずがないのです。



10円も高い仕入れ値で、それを消費者が知らないなかで営業を続けるということがどういうことかー。


仕入れ値が優位な立場の特約店、マージン保証や特価のある特約店や販売店、業転玉で安値仕入れを実現した販売店、

それらの人間には分からない。