Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(235)

2018-01-23 08:38:58 | コラム
びなんび「じょ」→「じょ」ーく(ジョーク)

いままでに30本くらいの長編シナリオを書いてきたが、「唯一」師匠に褒められたシークエンスがあって―。

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工場勤務の主人公が、勤務中に上司を殺害する。

作業用スパナで上司の頭が破壊するほど叩きのめす―イメージとしては、『ワイルド・アット・ハート』(90・トップ画像)の冒頭みたいな感じ。

立ち尽くす工員たち。

主人公は同僚に警察を呼んでくれと頼み、作業場をあとにする・・・

・・・が、30秒後(そのあいだ、工員たちは動けずにいる)に戻ってきて、タイムカードで退勤を押し、こちらに向かって苦笑する―。

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というものだった。

ひと殺してんのに勤怠を気にするというね、
いわゆるブラックジョークかな、これは自分でもよく表現出来たと思っており、評価されたのがうれしかった。


笑いは難しい。

誰もが笑う方向を狙えば「無害」になりがちだし、攻めたら攻めたで「ごく一部」のひとしか反応しないだろうし。
(先日の『すべらない話』で最も面白かったのは、小藪さんのカレーの話だったと思う)


楽な表現なんて、この世にはないと思うけれど。

ただなんというか、「泣かせにいって泣かせることが出来なかった」より「笑わせにいって笑わすことが出来なかった」のほうが恥ずかしいような気がするし、創り手も「より、落ち込む」のではないか。

コメディ映画なのに笑えない―たとえば『PARTY7』(2000)や『トゥルーライズ』(94)がそれにあたるか。

※小林明美ちゃんは、可愛かったんだけどね。




さて。
こんな顔に生まれた? ので、格好いいよりも面白いといわれるほうが、うれしいわけですよ。

そこそこのイケメンが「イケメンだね」と評される頻度と同じくらいには、面白いと評されてきた―ちょっと「盛っている」ような気がしないでもないが、そう自負する自分が、

あぁ、いいジョークだな!

と感心した、映画のなかの「味わい深い笑い3傑」を選出しておきたい。


(1)『セブン』(95)

クライマックス直前―。

車を停め、荒野を歩くふたりの刑事、ミルズ(ブラッド・ピット)とサマセット(モーガン・フリーマン)、そして犯人ジョン(ケビン・スペイシー)。

サマセットが、「あるもの」を見つける。

ミルズ「なんだ?」
サマセット「…犬の死体だ」
ジョン「(殺したのは)俺じゃない」

緊迫したシーンに、このジョーク最高だと思う!



(2)『用心棒』(61)

おりん(山田五十鈴)に命令され、三十郎(三船敏郎)の前で踊る、囚われの女たち。

その不健康な身体、不気味な笑顔、そして嫌がる三十郎!笑

(3)『ホーホケキョ となりの山田くん』(99)



本編を通していちばん面白かったのは、東宝マークの次にくる、制作協力「山田さん」のクレジットだった。


あすのしりとりは・・・
じょー「く」→「く」れーまー。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(236)』
コメント (2)
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