Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(162)ステラン・スカルスガルド

2024-09-20 00:10:00 | コラム
51年6月13日生まれ・73歳。
スウェーデン出身。

きのう登場のレイさんがアイルランドの名匠、ニール・ジョーダン組とするならば、本日の主役スカルスガルド(舌噛みそう!)さんはデンマークの奇人変人ラース・フォン・トリアー組の一員として有名。

トリアーの映画ではいつも「もっさい?」感じのキャラばかり割り当てられるから気づかないけれど、けっこう整った顔立ちであること(失礼!)は、トリアー映画「以外」で気づかされたりするわけです。。。


※やはり代表作はコレでしょう、存在もこの映画で知りました。



<経歴>

188cmの長身。
舞台俳優としてキャリアをスタート、
実質的な映画俳優デビュー作は、73年の『異常性欲アニタ』。

その後の『色狂いの群れ/The スペシャル』(74)にせよ、ヨーロッパ圏での高評価につながった『愚直な殺人者』(82・ベルリン映画祭で主演賞)にせよ、ちょっと「タダコトでない感じのタイトル」が並んでるのが面白いです(^^;)

日本での認知度が少しずつ上がっていくのは、88年の『存在の耐えられない軽さ』から。

ツポレフ艦長を好演した『レッド・オクトーバーを追え!』(90)を経た96年、 『奇跡の海』でトリアー組に初参加。

半身不随になってしまい、妻の「性的自由」を憂慮する?旦那を演じました。

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)の教授役や、


『アミスタッド』(97)、

裏切り者をクールに演じた『RONIN』(98)、


『ディープ・ブルー』(99)など、よい役も悪い役も自然に演じられるのは、やはり舞台出身ゆえか。

しかしやっぱり、レイさんと同様、このひとの演技はトリアー組でこそ輝くのかな、、、なんて。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)や『ドッグヴィル』(2003)、『メランコリア』(2011)、『ニンフォマニアック』(2013)などなど、なんだか活き活きしているのですよね^^

そのほかの出演作に・・・
『グラスハウス』(2001)、『エクソシスト ビギニング』(2004)、

『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(2006)と『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』(2007)は、このキャリアでは異質か、

巨匠ミロシュ・フォアマンの『宮廷画家ゴヤは見た』(2006)ではゴヤを熱演、


『天使と悪魔』(2009)、『マイティ・ソー』(2011)、『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)、『アベンジャーズ』(2012)、『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(2018)、

近年も、この年のマイベストワン『異端の鳥』(2019)、


『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)や『デューン 砂の惑星 PART2』(2024)などなど、規模の大小・硬軟に関わらずアグレッシブに活躍、
前言撤回しておきましょうね、トリアー作品以外でも充分に魅力的なひと。なのでありました^^

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(163)ソン・ガンホ』
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令和版・海外俳優列伝(161)スティーヴン・レイ

2024-09-19 00:10:00 | コラム
46年10月31日生まれ・77歳。
アイルランド出身。

アイルランド映画界を牽引する巨匠、ニール・ジョーダン。
自分が尊敬する監督のひとりですが、このひとの分身、、、ではなく「よい意味で」「ふつう」な感じが物語に配置し易いのでしょう、このひとの映画には必ずといっていいほど顔を出すのがレイさんです。

ちょっとジェフリー・ラッシュに似ていますね、あのひとはクセ強めの演技ですが、レイさんは「いたって」「ふつう」。
それがよいのです、そこがよいのです。

だからこそ、この物語が特別なものとなったのでしょう。



<経歴>

ダブリンの演劇学校で基礎を学んだあと、舞台やテレビドラマの端役で活動をスタートさせる。

映画俳優デビュー作は、ジョーダンの監督デビュー作でもある82年の『殺人天使』。
監督と一緒に歩んできた俳優人生だった、、、というわけですね^^

赤ずきんちゃんをモチーフに、少女の成長を幻想的に描いた佳作『狼の血族』(84)、
そして92年、『クライング・ゲーム』で主演を飾る。

こころ優しきIRAのテロリストと、彼らに誘拐された黒人兵士の奇妙な友情。そして、兵士の彼女と主人公との奇妙な愛情―90年代を代表する大傑作です。


ジョーダン監督との仕事は・・・

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(94)、


『マイケル・コリンズ』(96)、

『ことの終わり』(99)、


『プルートで朝食を』(2005)・・・とつづきますが、目立つ役とはかぎらないというのが面白いです。
黒澤映画における志村喬ポジションといいますか、あのひとも、目立つときは主役級だけれど、『天国と地獄』(63)の警察関係者役なんて、ほとんどゲスト扱いですもんね(^^;)


そのほかの、「ジョーダン監督印」以外の出演作は・・・

『プレタポルテ』(94)、『フィオナが恋していた頃』(98)、
『コントロール』(2004)、『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005)、『オンディーヌ 海辺の恋人』(2009)、『アンダーワールド 覚醒』(2012)などなど。

でもやっぱり、ジョーダン印で見たいひとかも。
というわけで、近作の代表的なところでいうと『グレタ GRETA』(2018)でしょうか。


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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(162)ステラン・スカルスガルド』
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pink

2024-09-18 00:10:00 | コラム
ピンク専門の劇場に行くって、何年ぶりだろうか・・・?

たぶん15年ぶり、わぁ昭和のイメージぜんぜんないね!
清潔かつオシャレ、一般のシネコンやミニシアターと変わらん「よい空気」が充満している!!





トラビスがベッツィにホラ吹いて?連れて行ったのは76年だものね、
ロマンポルノがにっかつを救ったのも自分がガキのころのお話、
いまは令和、西暦2024年だぜ、女優・橋本愛ちゃんだってピンクを劇場で観るの趣味にしているというし、時代は変わったのだ!

はい、先輩が監督した新作を観にきたというわけです。

そりゃ成人指定しかかからないから「シネコンとまったく一緒」というわけではないけれど、もっともっとピンクが身近になればいいよね、ここから出てくるひとも居るわけだし・・・って自分だって久しぶりに行ったクセしてね(^^;)

これから定期的に通うこととします!!



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『令和版・海外俳優列伝(161)スティーヴン・レイ』
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映画系音楽系文学系あいうえお10選(23)

2024-09-17 00:10:00 | コラム
「え」から選択…本日は「『エモーショナルな』作品」

「エモい」と表現されることも多くなりましたが、もとは「emotional」=感情的な、、、ということば。

まぁいってしまえば、表現されたもの・作品のすべてがエモーショナルってことなのですが。

そのなかでも「とくに!」という10選を展開しましょう。


①小説『それから』(1909)…夏目漱石

「門野さん。僕は一寸職業を探して来る」から、「代助は自分の頭が焼け尽きる迄電車に乗つて行かうと決心した。」まで、完璧なことばが並ぶ。

これ新聞小説だったわけで、一気に読めなかった当時の読者が不憫でならないよ!!


②漫画『自虐の詩』(85~90)…業田良家

そういう意味では、こちらも同様。
しかも連載誌は『週刊宝石』だよ、泣けるとは思わないよねぇ。。。

ごくふつうの四コマ漫画で始まったはずなのに、いつしか大河ドラマに。



③音楽『Sweet Emotion』(97)…相川七瀬×織田哲郎

これはもう、タイトルそのものがね。

エアロスミスにも同名曲があるけれど、世代的にはこっち。



④映画『キャリー』(76)…ブライアン・デ・パルマ

キャリー・ホワイトの感情大爆発、彼女は、自分の持ち得る能力すべてを使って逝ったのだ!!



⑤音楽『木綿のハンカチーフ』(75)…太田裕美×松本隆×筒美京平

何度も聴いて分かっていても、最後のことばで泣いてしまう。

愛さんバージョンでいってみましょう^^



⑥映画『カノン』(98)…ギャスパー・ノエ

最低最悪、クズの主人公が、精いっぱいの強がりを見せている―その壁が崩れたとき、映画に奇跡が訪れた。



⑦アニメ『機動戦士ガンダム』(79~80)…富野喜幸

特攻を仕掛ける『ガルマ散る』と、


それに(さらなる)落とし前をつけようとした『イセリナ、恋のあと』のエピソードは出色。



⑧ドラマ『3年B組金八先生 セカンドシーズン』(80~81、TBS)…武田鉄矢×小山内美江子

好きなエピソードばかりですが、ひとつ選ぶとするならば、第11話の『クソまみれの英雄達』かなぁ!

詰まりまくった男子便所を、金八と数人の有志で直そうとするエピソードです。

「水道屋に出来て、俺たちに出来ないわけがない!」うん、よいセリフ^^



⑨詩『自分の感受性くらい』(77)…茨木のり子

「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」

に、二の句が継げない………。


⑩煽りVTR『ミルコ・クロコップVS美濃輪育久』…佐藤大輔

興味ないひとも、これ観てやってくださいよ。

熱くなるぜ!!


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明日のコラムは・・・

『pink』
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映画系音楽系文学系あいうえお10選(22)

2024-09-16 00:10:00 | コラム
「え」から選択…本日は「『駅』についての作品」

これまた何遍もいっていることだけれど・・・
基本チャリで移動するので、電車に乗ること、そもそも駅構内に入ることは「それほど」「多くない」。

つまり慣れていない。
東京に住んでいて、これはけっこう珍しいタイプなのかもしれないね。

PASMOは無記名のを持っているけれど、チャージしても、ほとんど松屋の定食代に消えるし(^^;)
時間によって女性専用車両は男も乗ることが出来るようになるらしけれど、いつもドキマギしてしまうし(^^;)(^^;)

それに駅構内って、みなさん歩行速度が異様に速くない?
そりゃ急いでいるのでしょうが、なんかもう、あのヒトの波に乗ることがなかなか出来なくってね。
目的地に着いて、それがたとえば横浜や新宿だとして、波がすごいから治まってから動けばいいや、列の最後に並んでゆっくり歩こう!と思ってジッとしていたら、もう次から次へと車両が止まるから波が途絶えることないじゃん?いつ動けばいいの??っていう。

30年以上住んでいてそれかよ!
30年前だって、都心はそうだったでしょ!!

って?

まぁそうなんだけど。。。


①動画『山手線の発車メロディすべて演奏』(2019)…マツケんさん

とにかくちょっと再生してみてくださいよ、見事なものです。
テクニックとかじゃなく、着眼点よね。

面白いのは。
五反田そんなに行かないのに、というか、駅を利用した記憶がいちどくらいしかないのに、このメロディの日常感はどうしたことでしょう^^



②映画『耳をすませば』(95)…近藤喜文×宮崎駿×柊あおい

トップ画像、モデルとなったのは自宅からチャリで数十分で行ける多摩の聖蹟桜ヶ丘駅。

未だ聖地巡礼っぽい女の子を見かけることありますよ、すごい人気!


③音楽『ファイト!』(94)…中島みゆき

♪ 私、ほんとうは目撃したんです 昨日、電車の駅 階段で 転がり落ちた子どもと、突き飛ばした女の薄笑い ♪

31作目のシングル『空と君のあいだに』のカップリングとして発売。

どっちも捨てがたいわよね、
では敢えてピストル版で!



④漫画『キャプテン翼』(81~88)…高橋陽一

立花兄弟がどんなキャラクターなのかを端的に表現している名場面かと。
ホームとホームの広さを強調するために、見開きにしているのも素晴らしい。



⑤映画『カリートの道』(93)…ブライアン・デ・パルマ

地下鉄や駅が大好きなデ・パルマさん、個人的にはこの映画のクライマックスを挙げたい。

あと、もう少しだったのに………。


⑥小説『JR高田馬場駅戸山口』(2007)…柳美里

JRの各駅を舞台として展開される連作、そのなかで最も異彩を放つのはコレでしょうね。

読んでいてしんどいという声も聞かれますが、著者の覚悟みたいなのを感じて好きなのです。



⑦音楽『群青日和』(2004)…東京事変

♪ 新宿は豪雨 ♪

地名のみで駅は歌詞に出てこないけれど、なんとなく、新宿駅のどこかの出入り口から見た光景、、、のように思えるので選出。



⑧映画『ヒューゴの不思議な発明』(2011)…マーティン・スコセッシ

縦横無尽に動き回るカメラが、駅構内の案内役になっている。



⑨ドラマ『青い鳥』(97、TBS)…野沢尚

後ろ向きの主人公による逃避行、、、こういう設定は珍しいのよね。

脚本家・野沢さん、長く生きてほしかったな合掌。



⑩映画『砂の器』(74)…野村芳太郎×橋本忍×山田洋次×松本清張

刑事ふたりは何度も電車に乗り、田舎の駅で降りる。
っていうかそもそも、死体が見つかったのは蒲田駅の操車場だものね、鉄道にまつわる映画だったともいえます。


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明日のコラムは・・・

『映画系音楽系文学系あいうえお10選(23)』
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