maruの下手の横好き写真とつぶやき
写真を撮ったり、音楽(クラシック・ロック)をよく聴き、読書は古典(主に哲学中心)がメインです。全体主義社会の動きに警戒。
 




ロビー活動というと、なんだか裏で政治家を操って、特定の団体に有利な法案とかを成立させるのに
躍起になっている危ない活動だという認識がありますが、果たして・・・


「ロビイストからの警告」 岸田 治子著を読みました。
その実態とか、そんな人達ばかりではないという事や、日本人はその重要性を殆ど認識していないという危機感が伝わってきます。

この人は現役のロビイストですが、活動も色々ですね。
はっきり言って、政治家や外務省の役人、海外にいる外交官などよりも、よっぽど影響力があります。

そんなの関係ないと思いがちですが、こういった人達の動きで世界情勢が変わるといってもいい・・・
よくもなれば、悪くもなる。これは痛切に感じました。政治家や官僚が世界を動かしている訳ではなく、ロビイストがいなければもっと戦争だって起こっていたろうし、逆にいたから戦争が起こった場合だってある。

この人は現在かなりイラン問題を危惧しているようです。

アメリカは何だかんだと難癖つけてやりたがっている(景気回復も兼ねるし)ようです。
その裏には当然兵器業界やイスラエル関連のロビー活動が影響している訳で、著者はかなり難しい状況と考えているようです。


ちなみにロビイストは弁護士同様、立派な職業として成り立っていて、ちゃんと事務所もあるし、個人で活動する人もいるし、
その報酬もメジャーリーガーなんて目じゃない程に高額だったりするそうです。
そんな世界だったんですね。多くの人は知らないでしょうが、時には国家の将来がロビイストの活動に掛かってくる訳ですから、ある意味当然かも。


日本も、どこか民間なりの団体が、真っ当なロビイストを養成するとか何か人材育成をやらないと、日本の将来は危険ですね。
テレビでみる政治家やら官僚に、正直国の将来を任せられるとは・・・
それ以前に、正直にいえば、投票する側もね・・・・

拉致問題でブッシュ大統領に会いに行った被害者の会も、あの大統領に会いに行ったのでは、単に人権問題に関心がありますという政治的アピールに利用されるだけだと述べています。
日本では、あの大統領に直訴して理解を得られたとか報道されてましたが、えらい違いますね。


この世界は、政治家や外務省の役人が色々調整を・・・なんていっても、無理な世界です。
ごく少数の人の影響力・・・人脈で動いているところが大きいです。
映画「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」でもそこら辺が見えてきます。
ごく一部の人の働きで、普通なら考えられない予算を獲得してしまう・・・

それにしても、この人は政治家なんかより凄い・・・
日本の政治家がアメリカに訪問しても絶対に会えないレベルの人とのパイプを持ち、
イランの外交筋高官から今後の相談を受けたりする・・・
そして国の将来も考えている。

日本人にもこういった人がいるんだと知っただけでもちょっと嬉しい感じです。

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