僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

「パトスとエロス」 二眼レフ

2008年12月07日 | ケータイ小説「パトスと…」
「シューベルトが好きになった?」
「シューベルトもベートーベンも名前しか知らないけど、この曲は好きになった」

「それは何?カメラ?」
「マミヤの二眼レフ」

「マミヤノニガンレフって?」
「レンズが2つ付いてるだろう、だから二眼レフレックスって言うんだ。本当はローライが欲しかったんだけど最新型は高くて買えないから国産でマミヤ。でもこれもイイ」

「じゃぁ一眼レフっていうのもあるの?」
「あるよ」

岡田さんはバッグの中からもう一台のカメラを取りだした。
「ほら、こっちはレンズが一つしかないだろう、だから一眼レフのペンタックス」

「レンズ一個じゃ普通のカメラだね」
「いや一眼レフは普通ってゆうかちょっと違うよ」

「レンズは2個の方がいいの?」
「いやぁ難しい質問だな。どっちもいいんだけどな」

「何で2個もレンズがあるの?」


岡田さんは嬉しそうに二眼レフのファインダーを開けると部屋を見渡し、何がいいかなとつぶやきながら被写体を探した。花瓶や雑誌などあれこれ迷ったが、壁に寄りかかっていたギターを椅子に座らせることにしてマミヤをセットした。


「上のレンズは構図を決める専用のレンズ、下は連動してる同じレンズでフィルムに撮る。ファインダーに見えてるままに写るからね。ほらのぞいてごらん」

「わぁ写ってる、でもギター逆さまだよ」
「そう、逆さまに写るんだ。もう一つ鏡をつけて横から見るとちゃんと見えるんだけど暗くなっちゃうからこのままの方がいい」

「あれ?じゃぁ一眼レフは見えないの」
「一眼レフはね…」





























コメント
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