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武装蟲…④

2017年06月19日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

 

そんなダンゴ虫っていったい何だ?
丸くなるからお団子だという名前になったんだろうということは分かる。

でも足が沢山あるから昆虫じゃないよね、
ムカデと一緒?
卵産むのかな?冬の間は冬眠するの?外殻は王蟲みたいだけど構造はどうなってんの?

中学生になり部活の休憩時間に這いだしてきたダンゴ虫を見つけて

もっと詳しく知りたい思った。


 

今にして思えば、宮崎駿原作の「風の谷のナウシカ」にはまっていた辰雄が、
まだ深海生物ダイオオグソクムシを知る前にダンゴ虫の構造に着目したのは偶然ではなかったのかも知れない。

外殻の鎧構造が辰雄の仕事にヒントを与えてくれたのは確かだ。

 

辰雄の勤務する会社「関口外殻工業株式会社」は一般には目立たない中小企業といって良いが、
特殊ケースの設計製造を行っている「SEKIGUCHI SYELL」として業界ではかなり有名な実力企業だ。

ガレージのシャッターを改良して曲面をカバーできるようにした、
いわゆるドームシャッターと呼ばれるものが南極越冬隊の装備品に正式採用されてから
一躍注目されるようになった。

その後JAXAの依頼による通信衛星用高ゲインアンテナのカバーに採用されるなど、
宇宙産業からの需要もこなしている。


辰雄は入社当初から研究開発部門に配属され、主にシェルの小型化に取り組んでいる。
超小型のカプセルに入れた薬を血管を通して患部に運び、
そこでシェルを開いて薬物を散開することができないか、
というのが目下のテーマなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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