サッカー日本代表チームがWカップ出場を決めた日。
東京渋谷交差点では若者が群集していた。そして試合では引き分けたものの、世界で一番目にワールドカップ出場を決めたザックジャパンを讃えるサッカーファンが興奮を抑えきれずにいた。
群集心理というものがある。交差点で行き交う若者達は口々に歓喜を声にしていた。そしてハイタッチ
群集の興奮が極度に達した時、一つきっかけさえあれば「何かが起こる」可能性=危険性があった。偶々交差点に信号待ちしている車に群集が集合して引っくり返したり、運転手を暴行したり、信号機などを器物損壊したり・・・
こうなってしまうと手がつけられない。普段おとなしい人間達でも興奮と群集心理で煽られると異常な行動を起こすことが考えられる。
仕事の現役時代。ある日のこと、ワールドベースボールクラシックの試合があった。その日は職場の外で会議があって外出していた。気になるが仕事優先で情報を遮断した。その休憩時間。
急いで外に出て携帯でワンセグテレビに接続、試合の状況を見た。最後の場面で日本が劇的な勝利を収めた、その時ー
目の前の交差点の向こう側に数人の若者グループがやはりWBCの日本勝利に陶酔していて、右腕を天に突き上げたり、肩を組んでぐるぐる周ったり、興奮していた。交差点を行き交うに人達もこの熊本で見たことのない光景がそこにはあった。
なんと交差しながら次々にハイタッチしているではないかー
丁度その時、向こうの若者達と目が合った。その時、衝動的に私は右手を突き上げて歓喜の「小さな雄叫び」を挙げていた。そして向こう側でも呼応して手を上げている。見ず知らずの人間同士に共有感覚が生まれる時
気持ちが通じるとはこういうことだろう。なんと気持ちのいいことか
これは年齢ではない!
そうだ、おまわりさんのことだった!
あの時に交差点に出動していた警官の一人がマイクを握って群集に語りかけていたー
むくつけきおまわりさんもほんとはワールドカップ出場を喜んでいるのです。チームジャパンの戦いに水を指すような行為を「12人目のメンバー」として行動には自制してくださいーと。
これに若者が反応した。
何とそれに応えて口々に「ハイ」と言ったのだ。そして大声で「おまわりさんおまわりさん」♪♪と連呼。
かつて日本にこんなことがあっただろうか?
小さなことだが何だか歴史が変わったような気がする。
やっぱ日本っていいなあーこの国に生まれてきてほんとに良かったと思う