(117)教養としての10年代アニメ (ポプラ新書) | |
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ポプラ社 |
『教養としての10年代アニメ』町口哲生
目的が目的のため、忠実に、要約をつくっているというよりは、時代のキーワードを抽出しているというイメージのまとめです。
アニメ:情報と娯楽の2側面から分析するもの。7
教養:教養の内容はその時代や民族の文化理念の変遷によって応じて異なる。5
⇒アカデミックな制度としての学問だけが教養ではなく、文化研究が射程に入れるような、文学、音楽、映画、テレビ、加えて、マンガやアニメなどの文化一般に通じる、これも今日の教養として考えることが出来る。6
アニメ⇄ライトノベル 109
ゼロ年代、10年代アニメは多くがライトノベルに端を発している。
ライトノベルの特徴:
1大人でも子供でもない、若者を読者として想定していること
2口語的表現を多用していること
3視覚に訴えるイラストを多用していること
4マンガ、アニメやゲームなど他のポップカルチャーと深い関係があること
5文庫が大半であること
アニメ論:21
アニメ論を執筆するということは、その作品に内在する可能性に注目し、そのアニメの世界を生き直すこと。
インフォテインメントとしてのアニメ
□ゼロ年代のアニメ
「セカイ系」 11
エヴァっぽい作品
「たかだか語り手自身の了見を『世界』という誇大な言葉で表したがる傾向」11
「きみとぼくという小さな関係性が、世界の危機やこの世界の終わりと言った抽象的大問題に直結する作品群」11
まどか★マギカ
⇒ここに意識高い系とか、自慰意識過剰系が絡んでくると思う。
セカイ系のアイドル:AKB48
サヴァイブ系のアイドル:ももクロ、ベビーメタル
サヴァイブ系:
登場人物が殺し合いを強いられ、その極限状況の中でいかにサヴァイブするかをテーマにした作品群 33
『涼宮ハルヒの憂鬱』:セカイ系の代表作
⇒家族や社会の欠如
全ロ年代の他のアニメ:
サヴァイヴ系=デスノート
背景: 35
サヴァイヴ系の背景には911テロや小泉構造改革以降のサヴァイヴ感(引きこもりでは生き残れないという決断主義)に反応した創造力が背景にある。
時代背景とに人間心理意図の一致:
人間には決して癒されない絶望があるということ 63
□ 10年代アニメ
絶望がたゆたうアニメ
『結城友奈は勇者である』
残念系:
美男美女、つまり容姿端麗で誰からも愛されるのに、性格、言動、趣味がどこか抜けて残念な人。92
進撃の巨人:210
圧倒的な力に対する人間の無力感を表彰した作品が増えて来ている。
12年、安倍晋三が政権に帰りさき、保守的な国家感を提示する中、家族や地域社会といった社会的な創造力が存在感を失い、進撃の巨人的な大義や全体性と言った大きなものを志向する作品が人気を博した。
背景:
ぼっち飯 99
学校や職場で一人で食事をとること
ランチメイト症候群:
一緒に食事をとる相手がいないことに恐怖を覚えること
中二病 76
1邪気眼系:自分には何か不思議な力があると考える中二病
2DQN系:ヤンキーや不良に見られるけんか自慢のような中二病
3サブカル系:他人とは違う趣味志向を自慢する中二病
中二病発生要因:86
そうなりたい自分がアイIになり、他者が期待しているミーmeを抑圧することで中二病は発生する。
□ ゲームの世界 127
日本の場合ゲームの世界とファンタジーの世界は強く関連している。
ノゲノラ:
ノゲノラを読んで感じる高揚感は、「戦略的思考」さえあれば、価値を得ることが可能だという希望に裏打ちされていること。139
精神疾患系のブーム