まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

中国の行方―矛盾と不安

2007-04-06 00:36:14 | 社会・経済

       私は、これからは米中2強時代が到来して、日本は沈むのではないかという思いと、ひょっとしたら中国は混乱に陥るのではないか、その時日本は大混乱になるのではないか、いつかはそうなるのではという不安をもっています。皆さんは如何でしょうか。

○ 中国は、政治的には共産党一党独裁ですが、経済的には自由主義経済と同じようになって来ました。政治面では活動の自由がありませんし、インターネットは許可制で外人はインターネット事業は出来ません。Blog等は、政府と企業側の二重の検閲があり、政治的な事や政府を批判する事を書くと削除されます。それでも散見されるため、更に強化しようという動きになっています。

一党独裁で、政治的な自由が無く検閲・監視社会、しかし経済的には自由主義というのはシンガポールが典型的ですが、シンガポールは人口が350万人。中国は13億人ですから統治支配原理が一緒では成り立ちません。

       中央政府と地方政府とが必ずしも統一した政策を実行するわけでもありません。

北京が、小売業は許可制で原則認めない等と言っているうちに、広東省政府のOKを取って、どんどん進出してしまったフランス カルフール等もあります。中央集権のコントロールが地方まで利いていません。北京政府というのも強そうで、必ずしも基盤がいまいちの感じです。上海閥とかいろいろ対立等があるようですね。

       経済力の比較を見てみましょう。米国CIAThe World Factbookからの引用でGDPを見てみましょう。(2006年概算ベース)

          購買力平価  公式為替   購買力平価/人 人口(億人)

全世界 US$65兆    US$46.7     US$10,000     65

中国    10兆      2.5兆    7,600      13.14

USA    12.98兆   13.22兆    43,500       2.98

日本     4.22兆    4.91兆        33,100     1.27

https://www.cia.gov/cia/publications/factbook/index.html

・購買力平価で見た場合、中国は既に日本の2.37倍になっています。

・公式為替レートで見たGDP06年の実績、10年と30年の予想順位

06年 1) 米国 2) 日本 3) ドイツ(2.89) 4)中国 

10年 1) 米国 2) 中国 3) 日本     4) ドイツ

30年 1) 中国 2) 米国 3) 日本     4) ドイツ

       中国にはいろんな矛盾があります。どうなるのでしょうか?

     中国経済は年率2桁成長が続いていますが、多くの矛盾が一杯です。こんな高率な成長がいつまでも続くわけないですよね。いつかは終わります。何時終わるのでしょう?上海万博の後すぐでしょうか?それとももう少し後でしょうか?

     輸出の数十%は外資系企業で、上場している中国企業は赤字企業が多い。

     (企業できちんと働いてくれるホワイトカラーという意味での)人手不足、電力不足、燃料不足、交通渋滞、環境汚染、

     経済格差への不満―沿海と内陸の格差拡大、また沿海部の都市での新富裕層の台頭と庶民の格差(お金持ちはますますお金持ちになりますね。いろいろ仲間うちで儲けるネットワークがあるからですね)

     輸出産業と農業の格差、民族系企業と外資の格差

       13億人の所得分布(公式為替レートベース)

     沿海-1億人:世帯年収200万円以上

     内陸主要都市&沿海準主要都市-2億人:世帯年収70-80万円

     内陸準主要都市&沿海農村-3億人:世帯年収20-30万円

     内陸農村-7億人:世帯年収10万円以下

       昨今の、原油、稀少金属、鉄鉱石、石炭、穀物等の原材料の世界的な高騰は、がぶ飲み中国の影響が甚大ですね。一方、米国や日本は、電機製品・繊維製品始め、食料品、その他かなりの製品が中国依存です。100円ショップ、ユニクロ、プリンター、身の回りの品は、かなり多くのものが中国から来ます。

中国に何かあったら日本はどうなるのでしょうか?

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