まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

株主の質による分類

2007-04-22 00:41:26 | 企業一般

株式会社にはいろんな株主が登場します。今回は、持株比率でなく、株主の質による分類を考えてみましょう。

     【持株比率と経営支配力】

株主は、一般に議決権のある株式の持株比率・持株数でランク付けされます。当然、資本多数決ですから持株が経営支配権の強さを示しますからね。ただし、2社の合弁会社の場合と、多数の株主が分布する公開会社の場合とは、経営支配力あるいは経営に影響力を与える持分は異なります。いろんなケースがあります。特に上場企業の場合は、他に持株比率が有力な株主がいない場合は、30%ぐらいの持株比率でも、経営をかなりコントロール出来ます。

         仮に30%の保有比率でも、社長を実質的に指名することも出来る場合があります。取引も多いと、企業会計では持分の連結対象にはなりますが、連結の対象にはなりません。しかし、出資比率(金)、人、取引(物)を通じて相当の支配力を持つことになります。

・ では、見方を変えて質による分類をしてみると、どの様になるでしょう。

     【株主の質】

株主の質としては、上等、中等、下等、及び下の下の株主の4種類に分類できると思います。上場企業の経営陣は、株主構成にも配慮して、上等の株主を増やす努力を不断から怠らないようにしておかないと、いつの間にかファンドの持株比率が増えて、気がつくと株主価値を増やせというような要望が来ることになります。株主価値を増やすとは、即ち株価を上げることと配当を増やすことですね。株価が上昇すると、売り飛ばされる可能性が高くなるわけですね。

1)       上等の株主一番望ましい株主は、企業価値を上がられるリソースを持っている株主です。即ち、一緒に合弁事業などを推進し、企業収益をあげることですね。企業価値を上げる事が出来る唯一の方法は、その会社の役職員が汗を流して事業を拡大し収益向上を図ることであり、株主は企業価値を上げることは出来ません。一緒に事業を行い、収益を持ってくることによってあげるわけですね。また、銀行などは融資をしてくれますので、上等の株主かもしれませんが、事業が困難になったときには、自行の利益を当然優先しますので、上等から下等にランク落ちする可能性もありますね。また、株式の持ち合いが進むと、資本の空洞化の批判も出てくるかもしれません。

2)       中等の株主:企業価値の向上には直ぐに貢献はしませんが、会社の応援団ですね。消費財販売の会社などの個人株主が、その会社の製品を好み購入するとか、事業を気に入って株式を保有することも含まれます。直ぐにキャピタルゲインを追求することもなく、配当収入でお小遣いを得ることで有る程度満足して、長期・安定株主となる層ですね。相互に株式を持ち合って、お互い内政不干渉というのも、この部類だと思います。

3)       下等の株主ファンドはこの下等の株主です。ファンドは株主価値を上げろとか要求します。ファンドのおかげで株価は上昇したり、下支さえされたり、あるいは下落するかもしれませんが、これはファンの運用利回りの為ですからね。要求する割には、企業価値の上昇に貢献しません。企業価値を上昇させる、ノウハウ・能力を一般的には持っていません。経営に何の影響力も持たない、数単元のみしか持たない個人株主もこの分類に入ると思いますが、この部分が流動株部分ですからこれは仕方がないかと思います。

4)       下の下の株主会社に敵対的な株主ですね。昔は総会屋が典型的なケースでしたね。最近はだいぶ影が薄くなって来ましたが、まだ存在していると思いますね。またビジネスの競争者などもこの部類に入る場合もあります。また敵対的な買収者、即ち、グリーンメイラーn等も子の分類にはいりますね。