とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

舞台評『竹取』(2018年10月13日 シアタートラム)

2018-10-14 09:03:25 | 演劇
【構成・演出】 小野寺修二
【企画・監修】 野村萬斎
【出演】 小林聡美 貫地谷しほり 小田直哉(大駱駝艦) 崎山莉奈 藤田桃子 古川玄一郎(打楽器奏者) 佐野登(能楽師 宝生流シテ方)

 すばらしい舞台だった。演劇というにはパフォーマンス性が高い舞台ではあるが、ドラマ性はしっかりとしており、「かぐや姫」の罪、そして人間の罪を訴えかけてくる。

 「現代能楽集」というシリーズの9作目ということであるが、舞台の作り方も斬新であり、古典と現代性がみごとにコラボレーションしている。布、ゴムのような紐、畳などの舞台装置があらゆる場面を作り出す。照明も工夫されている。時間をかけて作られているのがよくわかる。何よりも出演者の身体表現もは、言葉にならない心を直接に見る者に訴える。小野寺氏はパントマイムを学んだ方らしいが、身体表現のすばらしさを実感することができた。

 それにしてもかぐや姫は月でどんな罪を犯したのだろう。そしてなぜ地球で許されたのであろう。パフォーマンスのすばらしさに目を奪われながらもそのテーマがずしんと襲ってきた。舞台全体として完成度が高かった証拠であろう。
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