張本勲氏が東京五輪のボクシングで金メダルを獲得した入江聖奈に対して問題発言を行ったことについて、インターネットで大きく騒がれている。問題発言であることは事実であり、それに日本ボクシング連盟が抗議したことももっともである。しかしこのことを重大事件のように扱うのは行き過ぎである。
そもそ張本氏の発言なんていつでもこんなものだ。昭和の頑固じじいが自分勝手なことを言ってみんな辟易しているよ、と視聴者はみんな張本氏の意見につっこみを入れながら見ている。とは言え、最近聞かなくなったような言動に時には考えさせられることもある。面倒くさいけど聞いてやるかと言った程度でみんな見ているコーナーなのではないか。
一昔前まではそういう昭和のおっちゃんが普通にそういう話をしていたのだ。もうそういう時代ではないというのはもっともなことではあるが、かと言って、極悪人のような言われ方をされるのはさすがに行き過ぎであろう。テレビなんだから気をつけるべきだという意見もわかるが、張本氏はそういうキャラクターだからこそこれまでテレビに出られていたのだ。今さらそれを言われてもどうなんだろうと思う。
森喜朗氏や河村市長のように権力がある人ならば責任ある発言をしなければなるまい。しかし張本氏はそんな存在ではない。なんの権力もない「じいさん」だ。問題の本質が違う。
世間話でも言いたいことが言えないようなそういう時代になってしまったような感覚になり、逆におそろしい。