とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画『オフィサー・アンド・スパイ』を見ました。

2022-08-01 05:00:51 | 映画
 ロマン・ポランスキー監督作品『オフィサー・アンド・スパイ』を見ました。正義を貫くことの難しさと大切さを伝える佳作です。

 この映画は「ドレフュス事件」を描いています。「ドレフュス事件」は世界史で勉強したことがあり、名前だけは覚えていたのですが、実際はどういうものか全然わかっていませんでした。「ドレフュス事件」とは、1894年にフランスで起きた、当時フランス陸軍参謀本部の大尉であったユダヤ人のアルフレド・ドレフュスがスパイ容疑で逮捕された冤罪事件です。ドレフュスが無罪であることに気づき、しかもそれが軍によって作り上げられた冤罪であったことに気づいたジョルジュ・ピカール大佐が、正義のために冤罪を晴らそうとしたことを描いています。

 権力がうそを隠し、それを暴こうとしても嘘に嘘を重ねて権力を守ろうとする姿は現代においても同じです。腐敗した権力の醜さに辟易します。そんな腐敗した権力に対して戦いを挑むことは難しいことです。勝てないかもしれないことを承知で自分を犠牲にして戦うことなど「賢い」人間はしません。それでも戦う必要があることをこの映画は教えてくれます。

 さて、この映画を見て別のことも考えていました。この映画は今から120年前の話です。今から120年前、まだ自動車はなかったのです。そしてフランスでは「決闘」がまだ残っていたのです。昔は120年前と聞くと大昔のように感じていたのですが、今は自分の年齢の倍ぐらいしかないという感覚になっています。100年の変化は、社会の現象面では大きいが、人間の意識の面ではほとんど変わっていないのだと感じられます。

 人類は100年や1000年でそんなに変わっているわけではなさそうです。だからこそ人間の守らなければならない大切なことを意識していかなければならないのだと思います。
コメント
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