シネリーブル池袋でナショナルシアターライブの『アマデウス』のアンコール上映を見ました。演劇の本場であるイギリスのレベルの高さを実感できました。
ナショナルシアターライブというのは、ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターが行っている企画であり、ナショナル・シアターその他の上演を世界中の映画館やアートセンターで上映するというものである。日本でもいくつかの映画館で上映されている。『アマデウス』はかつて映画にもなった作品で、日本で上演もされているのはご存じの方も多いであろう。アマデウス・モーツァルトとアントニオ・サリエリの人生の史実を大きく脚色した作品である。2017年2月2日に上演された作品を、日本では2018年に上映したが、そのアンコール上映をみることができた。
天才であるが、「空気が読めない」モーツァルトと、才能がないがすでに地位を得てしまった宮廷作曲家のサリエリの葛藤を描かれる。特にサリエリの嫉妬心は誰もが持つものであり、その嫉妬心のために多くの過ちをしてすまう。過ちまでいかなくても、嫉妬心を持つことさえ人間的に醜いことである。かつての醜さがのちに自分を苦しめることになる。サリエリの苦しさが切実に伝わる作品であった。
アンサンブルの見事さがさすがに演劇の国だと感じさせる。他の作品も見てみたいが、今は東京に来るしか見ることができない。地方でも時々上映する機会があればいいと思う。
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