とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

『吾輩は猫である』の読書メモ⑥「第六章」

2023-02-24 08:37:16 | 夏目漱石
【暑い夏】
 暑い夏の描写から始まる。毛に覆われた猫にとって、暑い夏は窯ゆで状態だろう。恐らくその年の夏は実際に暑かったのだろう。実際のことを小説にそのまま書くという気軽さがいい。小説は自由でいい。

【迷亭の馬鹿話】
 迷亭がやってきて、勝手に水を浴びている。様々な用途のある鋏を見せびらかしたり、蕎麦の食べ方を指南したりと、おそらく作者の趣味をひけらかす。そして失恋のほら話をする。失恋の話しというよりは怪談話のパロディである。落語と言ってもいい。

【寒月の研究】
 寒月の博士論文の研究が「蛙の眼球の電動作用に対する紫外光線の影響」であることがわかる。蛙の眼球のレンズを作るために大変な労力が必要であることが語られる。そのために論文がはかどっていない。これもまた胡散臭い。

【東風の俳句趣味の劇】
 そこへ東風もやってくる。東風は俳句のような劇の脚本を作るという話をしている。また詩集を作り、その冒頭に例の金田家の令嬢、富子に捧げるという文句を書いている。みんなから嫌われている富子と東風の関係も波乱含みである。

【夏目漱石の「一夜」】
 この章で夏目漱石の「一夜」という小説が東風によって語られる。この「一夜」という作品、わけがわからない。漱石の初期の短編にはこういうわけのわからないものがある。これがどういう意図で書かれたものかを考えていくことが、今の私の関心である。。
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