山形県の作家、深町秋生さんの小説を映画化した、『ヘルドッグス』を見ました。虚実の虚実が反転し続ける興奮のハードボイルドアクション映画です。
監督 原田眞人
原作 深町秋生
キャスト 岡田准一 坂口健太郎 松岡茉優 MIYAVI 北村一輝 大竹しのぶ
(あらすじ)
かつて刑事だった兼高は、自分の落ち度のために、自分が好きになった女性を含む4人の人間が殺された事件の犯人に復讐するために刑事をやめる。その獰猛さから警察組織に目をつけられた兼高は、関東最大のヤクザ「東鞘会」への潜入という危険なミッションを強要される。兼高は組織に入り、次第に出世していく。そして任務を遂行する。
かつての日本の任侠映画の伝統と、アメリカのアクション映画のいい面が合わさり、上質なエンターテイメントになっています。
ただし、最初の設定に無理があるような気がします。兼高が好きになった女性はまだ高校生であり、しかもまだ付き合ってもいない状態でした。復讐する動機が弱い。復讐するにしても合法的なやり方でやるのが普通です。兼高の変化の理由が明確に伝わりません。そのあたりは原作ではどうなっていたのかわかりませんが、もっときちんと描くべきものだったと思います。
とは言え後半の展開は見事です。女性の殺し屋の正体がばれたあたりから、いきなりスピードが増し、そこからは一気に突き進んでいきます。後半の1時間はトイレに行くのを忘れるほど、引き込まれました。日本映画もこんなに上質なアクション映画が作れるようになったんだと、関係者の努力に拍手を送ります。
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