ドキュメンタリー映画『テレビで会えない芸人』を見ました。芸人・松元ヒロさんを追ったドキュメンタリーです。テレビが主流だった日本で、テレビがその力を失っていく姿を描いているように感じました。
松元ヒロさんは、かつて社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバーとして活躍していました。しかしテレビ局からの要求が強くなったために、テレビを離れ舞台に活動の主戦場を移しました。現在政治や社会問題を題材にした1人の語り芸で活躍しています。
社会を風刺する芸は、現在の日本では嫌われます。社会風刺は悪だという「空気」を経済界と自民党と電通が作り上げたのだと思います。テレビは当たり障りのないものだけになってしまい、もはや時間つぶしにもならなくなってしまいました。まともな批判さえもされなくなったこの国は、どこに行くのでしょうか。
松元ヒロさんの芸は社会風刺を題材にしていますが、そこから生まれてくるのは「人間の心」です。松元さんの心が伝わらなければ芸になりません。映画はその努力を伝えます。その姿に教えられます。
監督は鹿児島テレビのディレクター、四元良隆と牧祐樹です。テレビ局の人間がテレビの終わりを描くことにも、この作品のおもしろさがあります。
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