過日、写真のタイ語書籍「クルアンパンディンパオ」を入手した。その中のサンカンペーン陶磁3点を紹介する。
先ず、黒褐釉と灰釉の掛分け壺である。壺の器形はサンカンペーンでは多々見ることができる。頸下に印花文をみるが、印刷の解像度が低く、何の文様か判然としない。目を引くのは両耳であるが、これも判然としない。ち龍?龍?それともナーガ?であろうか?口縁が欠けているが、完器であれば名器のひとつで、限りなく興味を抱かせる。
盤を2点紹介する。カベットに放射状の刻文をもつ盤を、北タイ諸窯では多々目にする。サンカンペーンもその例に漏れず目にすることができる。刻文にも多々あり、写真のように釉を掛けた後、刃物で胎土まで一緒に掻取るもの、釉薬のみ掻取るもの、鎬状に表現するものがある。
次の盤は鉄絵双魚文であるが、魚の後頭部に鰭がある魚文は多くない。それもあってか、後絵の盤の魚文には、この種の魚文様を多く見る。




