下の盤の出品名は『タイ サンカンペン印刻文灰釉盤 15~16世紀』とある。
写真が見にくいが見込み中央に一重の円圏を刻み、その周囲に三角の印花文を押している。それは光芒を表し9光芒となっている日輪文である。焼成温度が高過ぎたのであろうか、釉薬のブク(気泡をもった膨らみ)のような肌荒れが見られる。その光芒の文様が上の写真では見にくいが、下の盤のような形状となっている。
(サンカンペーン 印花星文様盤)
三角を幾つか重ねた文様で光芒が表現されている。当にサンカンペーンで用いられている文様である。見込みに一重の円圏を刻まない光芒だけの日輪文の盤はサンカンペーンに存在するが、円圏を伴うサンカンペーンの日輪文を過去見た経験がない。
円圏を伴う日輪文はワンヌア窯に存在する。下の陶片はワンヌア窯址で表採したものである。
回りくどい話をしたが、ネット・オークション出品の盤はサンカンペーンかワンヌアか識別つきかねる。結局は手に取って判断する必要がある。サンカンペーンであれば珍品であろう。
<了>