<続き>
引き続き古墳時代・後期の埴輪を紹介する。後期ともなると稚拙さは消え優れた具象性を示す埴輪も登場する、職人の手によるものと思われる。
牛形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館
時代は遡る。魏志倭人伝には『其地無牛馬虎豹羊鵲』とある。つまり弥生後期に牛馬は倭地には存在しなかったことになる。では牛はいつ持ち込まれたのか? 雲南南部からタイ北部にかけての少数民族は水牛を供犠する。倭の弥生人には牛供犠の習慣はなかったようだ。
犬・猪形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館
頭部・顔は随分具象性を増している。現代の我々でも、一目で何を表しているか理解できるほどである。
馬形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 松江・風土記の丘資料館
見返りの鹿埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀
松江・風土記の丘資料館
重要文化財・埴輪造りの専門職人に手になるものに相違ない。各国の風土記に鹿は豊作を呼ぶと記載されている。
力士形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館
巫女形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 今城塚古代歴史館
武人形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 天理参考館
盛装男子埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 天理参考館
シャーマンないしは首長かと思われる。角髪(みずら)が肩までと長い。
顔形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀
唐古・鍵考古学ミュージアム
顔形埴輪 古墳時代・後期 6-7世紀 松江・風土記の丘資料館
上の2点の埴輪は何れも鯨面で刺青がなされている。ポピュラーな存在であったかと思われる。
<続く>