今回から兵庫県立考古博物館加西分館(別称・古代鏡展示館)で観覧した、『漢王朝のやきもの』展で見た品々を紹介する。尚、写真撮影は許可されている。以下、掲載順は当日入手した出品目録の順に従った。
場所は兵庫県加西市のフラワーパーク内で、環境は抜群の佳さである。駐車場からフラワーパーク内を暫く進むと、古代鏡展示館の建物に至る。
それでは、出品目録の順に展示品を紹介する。
【鏡と装いの道具】ガイダンス展示
銅鏡は新(王莽)時代の内行花文鏡(径27.2cm)で、横の鏡台は新時代以降とのこと。その他の装いの道具類は、すべて前漢時代のものである。
【漢王朝のやきもの】春季企画展
加彩灰陶:灰陶は、灰色の色調で、焼成の最終段階で空気を送らず、還元焔で焼成すうることにより灰色となる。紀元前3000年頃の新石器時代には作られていたという。
加彩灰陶は、焼成された灰陶に赤や黒・白などの絵の具で彩色したもの。墓への明器で、春秋戦国時代(前770~前221年)頃から青銅器や漆器を模倣して作られ、漢時代も引き続き作られた。写真の鈁(ほう)は、赤・白・緑・青の四色で龍文などを描いている。龍文はやがて弥生時代の日本列島に伝わり、龍文線刻土器が出現する。
漢代の施釉陶器と云えば、褐釉と緑釉陶器があまりにも著名である。展示品の数は少なかったが、優品を見ることができた。
<続く>