<続き>
<チューダウ(Chu Dau)窯> 15-16世紀 陳朝-黎朝前期-莫朝-黎朝後期
チューダウ窯については、陳朝末期に始まり黎朝時代に発展して18世紀末に衰退したと紹介する書籍もあるが、当該ハイズォン博物館では15-16世紀としている。最盛期は聖宗(黎思誠・即位年1460-1497)時代で輸出用陶磁が大量に焼造された。
その古窯址を含めて1986、1987、1989、1990、1991、2002年と6次に渡り発掘調査されたと、パネルにて説明されている。以下、展示品の極一部であるが、順次紹介する。
発掘された多くの陶片は青花で、菊と蓮や牡丹を用いた花のデザインである。玉壺春瓶は、中国のそれと比較し頸の部分が太い。写真にあるように、描かれた鳥の文様はベトナム特有で、芭蕉葉と牡丹文は、元・明初の文様に似ていると云われている。
見込に『福』『正』『茶』『智』『壽』と描かれた碗や盤が存在する。単に佳字を当てたとの説明では納得できないものがあり、何らかの背景があるものと思われる。
発掘品は、上の写真だけを見ても、青花の玉壺春瓶、盤や皿、壺が見られ、外は鎬に褐釉を掛け内側は青花で草文や花卉文を描いた杯、高台底に鉄銹を塗った溶着盤も展示されている。その他に白磁、青磁の三足香炉や蓮花文を片彫りした稜花皿を見ることができる。写真には掲げていないが燭台、キンマ壺(石灰壺:Lime Pot)もある。
<続く>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます