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【続・トゥンタオハイ古窯址】
今回は焼成陶磁について記す。用いられた胎土は粗いが、大きな砂粒は含んでいなかった。それは焼成により濁った茶色、煉瓦色、暗い錆色になった。キメの粗い器の底は平だが、糸引き底ではなかった。場合によっては、2対の穴をあけて運搬用の紐を通す、高台が作られている事例もあった。
釉薬は黒褐釉で釉層は薄く、胎土への密着性に劣るものがあり、剥落しているものもある。さらに釉薬が流れ高台にまで付着しているものもある。時折、明るく発色した光沢をもつ茶色の破片が見つかっている。また胎土自体に含まれる鉄分が、溶けたかのように斑点が見られる。
器形は驚くほどさまざまな形状をもつ。最も好まれているのは二重口縁壺(ハニ―ジャー)で、サンカンペーンのそれと類似している。器形で特徴的なものは動物の肖形である。僅かの象と鳥、多いのは瘤牛の肖形である。他にケンディー、小さくて長い頸と耳をもつ瓶、ミニチュアの花瓶と皿やオイルランプ、口縁が無釉のボウルで蓋付もある。珍しいものとして魚網のオモリも作られた。
これらのトゥンタオハイ窯の焼物を展示している博物館は僅かである。ランパーン市博物館とワット・チェディーソウ付属ケーランナコン博物館が知られているが、当該ブロガーが訪ねた日には、ランパーン市博物館は休館日であった。僅かではあるが、ケーランナコン博物館の展示品を紹介しいておく。
(ケーランナコン博物館)
次回は【トゥンタオハイ古窯址】以外のランパーン県諸窯を紹介する。
<続く>
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