今年の流行語大賞をとりそうな勢いの、言葉で、大半の方がご存知でしょう。言わずと知れた、東進衛星予備校の現代文講師、林修先生の名文句です。 名古屋市東区出身の林先生は、東海中学高校から、東大文一へ進学。卒業後銀行勤務の後、東進予備校の講師に。初めは、数学担当だったそうです。(TBS情熱大陸より)この言葉の背景を探求してみました。その源流はⅠ世紀まで遡ります。丁度100年前の1913年に旧制の東海中学に校長として赴任された椎尾辮匡先生の詠まれた短歌に行き着きます。
ときはいま、ところあしもと、そのことに、うちこむいのち、とわのみいのち
椎尾 辮匡 (シイオ ベンキョウ)
時は今、所足元、そのことに、打ち込む命、永遠(とわ)の御命(みいのち)
私流に解釈すると、以下の通りです。
「何事も先延ばしにせず、今というこの時を大切にしなさい。大切なのは、今なのです。足下を省みて、何事に対しても、精一杯打ち込みましょう。それが永遠の命に繋がるのです。」
おそらく、林修先生は、この短歌を意識されていると思います。
「切迫感の無い最近の学生さんを見て、ふと口をついて出た言葉」(ご本人の弁)の背景には、Ⅰ世紀におよぶ教育実践があったのです。