真佐美 ジュン

昭和40年代、手塚治虫先生との思い出「http://mcsammy.fc2web.com」の制作メモ&「日々の日誌」

虫プロ外伝2

2006年12月23日 12時32分19秒 | 虫プロ
この頃は彼女と会うのが楽しくて、映画や、ドライブばかりしていた。良く、今までどおりに仕事が出来たのか、不思議であるが、なせばなる、であった。海にも行き、ボーリングのやり、楽しい日々が続いた。なぜもっと早く青春を楽しまなかったのだろう、もっと早く気が付けばよかった。など、うそぶいていた。

デート先は、近くは石神井公園、奥の三宝寺池など早朝の静けさは、中国の墨画の世界にいるようで心が洗われた。

少し足を伸ばすと狭山湖である、狭山湖は学生時代に何度も行っていた。初めは所沢から行く道しか知らなかった。事務の龍子の家が元町を左折した新所沢のほうにあったのでいろんな道を覚えていった。所沢街道から西所沢駅の踏切を渡っていったが今の西部狭山線のガードをくぐったあたりから、道はまだ舗装されていなかった。もうもうと砂煙を上げて車を走らせた。六斎堂を左折して登って行くと狭山湖の駐車場に出た、茶店があっておみやげ物などを売っていた、そこの駐車場に車を止めて、堤防を北に向かって歩いていく。
「この狭山湖、本当は山口貯水池というのだよ、ここ所沢市、入間市などにまたがる狭山丘陵の谷間に、昭和3年3月、長さ約700m、高さが約36mもある土堰堤の工事を始めたのだよ。水は多摩川の小作取水堰というところから地下導水管により多摩川の水を導き工事をして、昭和7年10月に通水式を行っている、そして昭和9年4月に完成したのです。」など知ったかぶりして、学校の遠足のときに聞いた薀蓄を疲労する。
突き当りには公園もあったが、左の狭山湖の遥か向こうに、晴れた日に見える富士山がとてもきれいだった。右の石積みの土手堤を降りると芝の広場がありグループがフォークダンスや、バレーをしていた。輪になって歌を歌っているグループもあり、一緒に歌おうと誘われる。土手堤端の芝生で、持ってきていたゴザで、滑り降りる遊びをしている子供たちも見かけた。もちろん板切れを拾ってきて、スキーのように滑り降りた。

狭山湖の外周を車で行くと、滑りやすくて、かなり危険であった、落ちそうになるし、ぬかるみにはまると抜け出すのか大変だ。それでもなんとか、六道山の展望台まで出ると、あとは楽な道となった。
この六道山の展望も好きで、東京の景色がそこから見えた。夜景がきれいだった。当時そう思っていたが、今考えるとどうもその方角は、横田基地方面だったようである。そこか山口観音のほうへ戻るのであるが、途中料亭があった、いつかはこんな店に入れる身分になりたいなど思ったが。そんな機会は無かった。
東村山から多摩湖の外周道路でユネスコ村方面へ行く道も覚えた。西武多摩湖線のガードをくぐった突き当りが西武遊園地で夜といえば西武園遊園地などであった。
右折して、競輪場のある駐車場から、西武園の塀の近くに車を止め車の屋根に乗って、塀を乗り越えて、入っていた。閉園時間まで間が無い時間帯なので,言えばただで入れてくれたが、ことわるのが面倒であった。
中央の池にウォーターバレーがあった。噴水のバルブを機会が自動的に開け閉めしたりしてまるで、噴水が踊っているように見えた。そこに七色の照明があたり、その色も変化する。幻想の世界であった。
 エルビス・プレスリーの映画の影響を受け、実写でこの噴水をバックにミュージカル映画が作れれば、などという妄想を描いたりしていた。

 また近くにはユネスコ村がありいろいろな国の建物を見ることができた。昼間なら蒸気機関車で狭山湖そばの駅まで、行き来できた。
そのおもちゃのような鉄道途中のすれ違い駅の付近に、バイクでヒルクライミングするに、ちょうど良い崖が存在していた。虫プロでは、ホンダのN360を使用していたので、その車でバイクと同じような崖を走ったりもした。そんな時彼女たちは、崖の上でその危険な走りを見ていた。
ベトナムへ行くわかい兵士が、バイクで来て、ずいぶん無茶なことをしていた。
とうとう一人の男がクラッシュして数十メートル吹っ飛んだ、仲間が駆けつけたが、意識が無い。軽とはいえ四輪は私だけ、助手席に彼を押し込んだが、ずい分でかくて彼らは押し込むのに苦労していた、近くの診療所へ連れて行き、治療のあいた彼らと会話した。
あしたベトナムへ行く、兵士たちであることをそこではじめて知った。「絶対帰ってきてください、」と、名も知らぬ兵士たちに言っては見たが、幸せボケした自分たちとかさね合わせると、言いようの無いものが胸にこみ上げた。
数年前から反戦歌が流行り、「花はどこへ行った」の花シリーズや、PPMなどが歌われていた。

ここに書かれていることはフィクションです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする