「哀しみのベラドンナ」
アニメラマで アジをシメタ、(←下品な言い方)日本ヘラルドは、毎年、アニメの配給を考えたが、虫プロでは、毎年の制作がムリなことが、判ってきた。丁度そんなときに、東京テレビ動画、から、谷岡ヤスシの原作での劇場アニメの売込みがあり。アニメラマをポルノとに換えポルノラマとして、「ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!」を上映した。
封切りしてみると、散々なもので、閑古鳥が鳴き、当初の2週間を急遽1週間で、打ち切るという、惨敗に終わった。
そこで再度虫プロに、お願いすることになった、が、すでに虫プロには、手塚治虫は、居らず、仕方なく役員会は、山本暎一さんに、虫プロに戻って、総監督の、労を担ってもらうよう交渉した。
山本さんは『千夜一夜物語』『クレオパトラ』でも、手塚治虫と共に作品をまとめた虫プロの主力演出家・山本暎一。後の『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ等、様々な傑作を手がる事になる彼の、単独での初の劇場監督作品となった。
山本さんは独立して作画プロの一員であったが、そこからの出向という形で、総監督を引き受けた。
たくさんの作品候補の中から、原作は、歴史学者ジュール・ミシュレの「魔女」を選んだ。
虫プロダクション製作の「大人のためのアニメーション」第3作目だが、メジャーな娯楽作であった前の『千夜一夜物語』『クレオパトラ』とは方向性を大きく変え、実験的前衛性の高い作品として企画され、キャッチフレーズも、山本さんが毛嫌いしていたそれまでの「アニメラマ」から「アニメロマネスク」に変えた。
作画監督は、前2作でエロチックなシーンを巧みに描いた、杉井ギサブローが担当し、本作でも存分に腕を振るった、映画中盤の黒死病が蔓延し、そのために街が溶けていくシーン等の原画も描いている。
映像的には、イラストレーターの深井国をフィーチャーし、彼の画を活かすかたちで全編を制作。セル画のテイストを極力排し、静止画を多用する、あるいはイラストを動かすという手法がとられた。
そのようなスタイルで作られたにも関わらず、個々の表現が非常に力のあるものとなっており、単なる実験的な作品に留まる事なく、鮮烈なアニメーション作品に仕上がっている。
山本監督の才覚が炸裂したフィルムであり、アーティスティックな味わいの作品を多く残した「作家集団」虫プロダクションの集大成的な作品である。
など、心ある方々から、賞賛を受けた作品であったが、内容が前衛的であったためか『哀しみのベラドンナ』は興行的には大失敗に終わり、虫プロの息の根を止める原因となってしまった。
日本ヘラルドも、手塚無しの大人のためのアニメーションも度重なる、失敗により、その後企画すらされていない。
これほどの内容であるにもかかわらず、その後、振り返られる機会も少なく、『ベラドンナ』はアニメファンにとっては永く「幻の名作」となってしまったらしい。
「悟空の大冒険」同様、文字通り、早すぎた作品だったのであった。
アニメラマで アジをシメタ、(←下品な言い方)日本ヘラルドは、毎年、アニメの配給を考えたが、虫プロでは、毎年の制作がムリなことが、判ってきた。丁度そんなときに、東京テレビ動画、から、谷岡ヤスシの原作での劇場アニメの売込みがあり。アニメラマをポルノとに換えポルノラマとして、「ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!」を上映した。
封切りしてみると、散々なもので、閑古鳥が鳴き、当初の2週間を急遽1週間で、打ち切るという、惨敗に終わった。
そこで再度虫プロに、お願いすることになった、が、すでに虫プロには、手塚治虫は、居らず、仕方なく役員会は、山本暎一さんに、虫プロに戻って、総監督の、労を担ってもらうよう交渉した。
山本さんは『千夜一夜物語』『クレオパトラ』でも、手塚治虫と共に作品をまとめた虫プロの主力演出家・山本暎一。後の『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ等、様々な傑作を手がる事になる彼の、単独での初の劇場監督作品となった。
山本さんは独立して作画プロの一員であったが、そこからの出向という形で、総監督を引き受けた。
たくさんの作品候補の中から、原作は、歴史学者ジュール・ミシュレの「魔女」を選んだ。
虫プロダクション製作の「大人のためのアニメーション」第3作目だが、メジャーな娯楽作であった前の『千夜一夜物語』『クレオパトラ』とは方向性を大きく変え、実験的前衛性の高い作品として企画され、キャッチフレーズも、山本さんが毛嫌いしていたそれまでの「アニメラマ」から「アニメロマネスク」に変えた。
作画監督は、前2作でエロチックなシーンを巧みに描いた、杉井ギサブローが担当し、本作でも存分に腕を振るった、映画中盤の黒死病が蔓延し、そのために街が溶けていくシーン等の原画も描いている。
映像的には、イラストレーターの深井国をフィーチャーし、彼の画を活かすかたちで全編を制作。セル画のテイストを極力排し、静止画を多用する、あるいはイラストを動かすという手法がとられた。
そのようなスタイルで作られたにも関わらず、個々の表現が非常に力のあるものとなっており、単なる実験的な作品に留まる事なく、鮮烈なアニメーション作品に仕上がっている。
山本監督の才覚が炸裂したフィルムであり、アーティスティックな味わいの作品を多く残した「作家集団」虫プロダクションの集大成的な作品である。
など、心ある方々から、賞賛を受けた作品であったが、内容が前衛的であったためか『哀しみのベラドンナ』は興行的には大失敗に終わり、虫プロの息の根を止める原因となってしまった。
日本ヘラルドも、手塚無しの大人のためのアニメーションも度重なる、失敗により、その後企画すらされていない。
これほどの内容であるにもかかわらず、その後、振り返られる機会も少なく、『ベラドンナ』はアニメファンにとっては永く「幻の名作」となってしまったらしい。
「悟空の大冒険」同様、文字通り、早すぎた作品だったのであった。