歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

おみやげだよ~!

2009-03-20 22:40:44 | Weblog
「ほら、見られないうちに隠しておきなよ。
 **屋のおせんべい、田舎に帰ったから買ってきたよ。うちでおつまみにしてビールでも飲みなさい。」

入居して何度かきいた、これまでの住まいの近くの煎餅やさんのお煎餅。
お墓参りに行って来たからと、わざわざお土産に買ってきてくれたらしい。
「何か貰いたいなんて思ってないから、あんたに食べてほしくてね。」
しきりに繰り返し言う。

自分用には、太るのを気にして1袋のこし、それも「一緒に食べよう」と振舞ってしまう。
暮れからお預かりした、懐かしい訛りの残るYさん。
わざわざ私に食べさせようと買ってきてくださる、その気持ちが嬉しくて抱きしめてしまった。
とても返すことは出来ず、ありがたく頂く。
Yさん推奨の**屋の手焼き煎餅!
それにしてもたくさんあるなあ・・・(笑い)

入居当初から顔を覚えてくれ、信頼してくださっているようだ。
夕食後の帰宅願望も私といる時は、ほとんど出ない。
落ち着いて話をしたりテレビを見たりしている。
はじめは、私もここに住んでいる人。
今は、ここに勤めているが、時々泊まる人。
まだ名前を覚えてくれないので、覚えてほしい、とお願いしている。
名前の方が、姪御さんの子供と同じだとかで、ひょっとしたら覚えて・・・?

もし覚えてくれたら、
ドネジペルの効き目か?
ケアの力か?
私とのコミュニケーションか?

さあ、ドクター、判断は?


他の入居者への暴力行為が問題になっていたAさんも落ち着いている。

・向精神薬を増量ーーー>嚥下不良・歩行不安定・食欲不振
・全ての薬を中止ーーー>素のAさん(認知症周辺症状かなり大)
             共同生活は困難の判断をするべきか話し合う。
・向精神薬の再開(見直し1種類投与)
        --→>嚥下機能回復・歩行安定・食欲アップ
             他の入居者へは手出しなし、スタッフのみ(遊び?)

大規模施設のほうが目立たないので転居を進めるかまで話し合っていた。
家族関係なども影響しており、ケアのスキルや服薬調整のおかげとばかりは言い切れないのだが、本人のためにも良かったと思う。


認知症ケアは、ホントに奥が深い。
人間の深層心理を目の当たりにする気がしている。