普通に生活していても認知症の人は環境変化に影響され易い。
まわりの景色、人間、言葉の強弱、表情、つまり、自分以外の全てが環境となる。
施設生活にやっと慣れたころ、転倒事故などで入院。
大腿骨頚部骨折だと、1ヶ月はかかる。
認知症の人は、治療という名の下で拘束される。
普通、術後1週間からリハビリをするが、認知力がないためにリハビリの意味が理解されないので、自分から運動することはマレ。
リハビリといっても他動運動になってしまう。
骨折し、1ヵ月半の入院から帰り、その10日後に原因不明の炎症熱で再入院してしまったNさん。
再入院から10日後に、全ての検査を終えて退院してきた。
特に悪いところはないと言う看護サマリーだった。
入院前まで、Nさんの出来ていたこと。
1、腰も膝も曲がっていたが、杖歩行でけっこう歩けて散歩へも行けた。
2、出された食べ物、飲み物はきれいに食べていた。(いくらでも食べられる)
3、時々失敗はあるが、トイレも自分で始末できた。
4、着替えは自分で行い、声を書けると顔も洗えた。
5、誕生日と年齢も言えた。
6、感情失禁が良くあった。(笑い泣きの)
現在のNさん。
・立つことさえおぼつかない。お尻が5センチ上がるだけ。
もちろん歩けない。(本人は「歩けます」というが)移動は車椅子である。
・食べ方が判らないときがある。声を掛けないと食べだそうとしない。
「これ?私の?食べていいの?」と迷ってしまう。
水分も勧めないと手に取らない。
・排尿・排便、ともに全くわからなくなっている。オムツである。
・着替えを出すと、協力動作はしてくれるが、そこまで。
・年齢どころか誕生日も季節も判らない。子供が何人いるかも分からない。
・まわりに無関心、表情に乏しい。自ら言葉を発しない。
あまりの状態変化。
区分変更を出し、調査に来てくれた調査員も話を聞いて驚いていた。
病院では看護師の介助で食べていたらしいが・・・。Nさんは食べるのが好きだった方である。
退院から1週間たち、少し感情が出るようになってきたが、Nさん独特の笑い泣きはまだ見られない。
すきそうな飲み物やおやつなども試しつつ、
まず、食べること、飲むことからケアしている。
家族の要望は「たくさんの人とのお付き合いをして、刺激を持った楽しい生活」だが、今のNさんには生きるための支援が必要。
それでも「Nさん可愛らしい」「良く出来ましたね!」とかスタッフが言うと、
「そんなお世辞を言わなくてもいいわ」といういつもの答え方だが、
退院したばかりは怒り口調だったのが、笑い顔が混じってくるようになった。
環境変化に弱い認知症の方は、場所(居住の)移動に最も混乱をする。
入院時せん妄、という言葉があるくらいだ。(入院時せん妄は一般高齢者にも出現する)
治療を最優先とする病院では、治療の妨げになる行為をする場合、手や足を動けないように拘束することが許されている。つまり、認知症患者の場合動ける人でも「寝たきり」の形になってしまう。
病院は病気や怪我の治療をするところと判っているが、認知症患者は「人格を持つ人」と扱われていないのではないかと辛くなってしまう。
まわりの景色、人間、言葉の強弱、表情、つまり、自分以外の全てが環境となる。
施設生活にやっと慣れたころ、転倒事故などで入院。
大腿骨頚部骨折だと、1ヶ月はかかる。
認知症の人は、治療という名の下で拘束される。
普通、術後1週間からリハビリをするが、認知力がないためにリハビリの意味が理解されないので、自分から運動することはマレ。
リハビリといっても他動運動になってしまう。
骨折し、1ヵ月半の入院から帰り、その10日後に原因不明の炎症熱で再入院してしまったNさん。
再入院から10日後に、全ての検査を終えて退院してきた。
特に悪いところはないと言う看護サマリーだった。
入院前まで、Nさんの出来ていたこと。
1、腰も膝も曲がっていたが、杖歩行でけっこう歩けて散歩へも行けた。
2、出された食べ物、飲み物はきれいに食べていた。(いくらでも食べられる)
3、時々失敗はあるが、トイレも自分で始末できた。
4、着替えは自分で行い、声を書けると顔も洗えた。
5、誕生日と年齢も言えた。
6、感情失禁が良くあった。(笑い泣きの)
現在のNさん。
・立つことさえおぼつかない。お尻が5センチ上がるだけ。
もちろん歩けない。(本人は「歩けます」というが)移動は車椅子である。
・食べ方が判らないときがある。声を掛けないと食べだそうとしない。
「これ?私の?食べていいの?」と迷ってしまう。
水分も勧めないと手に取らない。
・排尿・排便、ともに全くわからなくなっている。オムツである。
・着替えを出すと、協力動作はしてくれるが、そこまで。
・年齢どころか誕生日も季節も判らない。子供が何人いるかも分からない。
・まわりに無関心、表情に乏しい。自ら言葉を発しない。
あまりの状態変化。
区分変更を出し、調査に来てくれた調査員も話を聞いて驚いていた。
病院では看護師の介助で食べていたらしいが・・・。Nさんは食べるのが好きだった方である。
退院から1週間たち、少し感情が出るようになってきたが、Nさん独特の笑い泣きはまだ見られない。
すきそうな飲み物やおやつなども試しつつ、
まず、食べること、飲むことからケアしている。
家族の要望は「たくさんの人とのお付き合いをして、刺激を持った楽しい生活」だが、今のNさんには生きるための支援が必要。
それでも「Nさん可愛らしい」「良く出来ましたね!」とかスタッフが言うと、
「そんなお世辞を言わなくてもいいわ」といういつもの答え方だが、
退院したばかりは怒り口調だったのが、笑い顔が混じってくるようになった。
環境変化に弱い認知症の方は、場所(居住の)移動に最も混乱をする。
入院時せん妄、という言葉があるくらいだ。(入院時せん妄は一般高齢者にも出現する)
治療を最優先とする病院では、治療の妨げになる行為をする場合、手や足を動けないように拘束することが許されている。つまり、認知症患者の場合動ける人でも「寝たきり」の形になってしまう。
病院は病気や怪我の治療をするところと判っているが、認知症患者は「人格を持つ人」と扱われていないのではないかと辛くなってしまう。