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男同士で晩ご飯へ行ったわけですよ。
支払いの段になって、
「あ、ここはぼくが」
「いえいえなにをおっしゃいますか、ぼくが!」
なんてことになるのはよくあることです。
その夜もそんな感じでした。
小さな小料理屋をやっていた母は、「奢る」ということを「見栄。無駄遣い。」とバッサリでした。
「奢ったら気分いいし、相手からも有難がられるだろうけど、そんなのはその時だけ。本当に困っている時は、そんな人は誰も助けてくれない。」
25年もお店をやっていると、いろんなシビアな場面を見てきたのでしょう。
でもなんだろう、「この場は年長者としてカッコつけさせてよ(これを母は『見栄』というワケです。ま、たしかにw)」という気持ちもありますし、若い人たちが嬉しそうな顔で「ごちそうさまです~」と言っているのを見るのも好きだし、だからといって「今後なにかの時はウヘヘヘ」なんてのはありませんし、あんまり年下の人に負担をかけたくないし、といって全部奢られるのも社会人として気を遣うであろうことも分かりますので、最近は、なんつーか、「じゃ半分ほど出してねあとはぼくが」みたいなところで折り合いがつくことがほとんどです。
先々月、その前の月と続けて、ある素敵ミュージシャン女子とランチとかお茶する機会がありまして。
お会計の時にサッと伝票を手にしたら(そんなの女子がいない時に済ましておくのがスマート、との意見もありますが、結局気を遣わせるのが今か後かだけの違いなので、ぼくは基本やらなくなりました。フツーに「ごちそうになります」と言えばいいじゃねーか、ってことです)、素敵女子は「あ、そんなのダメですよ~」と。
「じゃ、こんだけくださいね」的なことを言っていただいた額が、何を計算間違いしたのか全然ゴチソウしたことになっておらず、つまり逆に自分が少しゴチソウになってしまっていまして、家へ帰ってその時の紳士ヅラした自分がこっ恥ずかしくなったわけです。
運のいいことに、翌月もその女性とお茶する機会があったんですね。
早めに着いてコーヒーを一杯飲み、彼女が着いてからあらためてあれこれ頼み。
そしてお会計の時に、
「あ、ここはぼくが!」「そんなのダメです~」「じゃ(あなたのぶんの半分くらいの)○○円だけください」
とのお決まりのやりとりのあと、お決まりの紳士的な顔つきで支払って、紳士的な雰囲気で「じゃ、またね~」と帰宅したんですが、ふと得体の知れない不安に襲われ、すこし焦りながら計算しなおしてみたところ・・・。
なんの計算間違いか、半額どころではなく、またしても彼女が注文した分より多くいただいてしまった(つまり、ぼくが少し奢ってもらった)ことに気づいてしまったんです。
あ~ホンマにもう~~。。。
もう、素直に別々に支払うか、そうでなければおとなしく奢られといてくださいまし。。。
あ~恥ずかしいw