■メジャー・リーグ (Major League)
■1989年 アメリカ映画
■監督/脚本…デヴィッド・S・ウォード
■音楽…………ジェイムズ・ニュートン・ハワード
■出演
☆トム・ベレンジャー(ジェイク)
☆チャーリー・シーン(リッキー)
☆レネ・ルッソ(リン)
☆コービン・バーンセン (ロジャー)
☆ウェズリー・スナイプス(ウィリー)
☆デニス・ヘイスバート(ペドロ) etc・・・
【注…ネタバレあります】
ぼくは物心ついた時から野球好きだったみたいです。それに加えて大の阪神ファンとなったのは、判官びいきとヘソ曲がりという、少々ひねくれた性質を持ち合わせていたせいもあるでしょう。
ところがこの阪神タイガースというチーム、よく言われる「出来の悪い息子」の例えがピッタリなチームなのです。それだけに愛情の注ぎがいもあるというものですが、20年に一度くらいしか優勝してくれないのでは、鬱憤がたまりにたまって精神衛生上よろしくありません。
リン (レネ・ルッソ)
物心ついてから1985年まで延々とお預けを食わされましたが、この頃の阪神は、巨人と対抗するリーグの名門球団として、毎年のように優勝を争っていたから、少なくともドキドキハラハラのペナントレースを味わうことは可能だったわけなのです。 ところが87年頃からはセ・リーグ史上に残る弱体チームと化してしまいました。延々続く不甲斐ない戦いぶりに、罵声を浴びせる気力もいつしか失せてしまったのですが、見捨てることだけはどうしてもできませんでした。
この1987年から2001年頃までの阪神とよく似た状況だったのが、名門チームでありながら、1954年の優勝を最後にリーグのお荷物となってしまったクリーブランド・インディアンスです。そして、このインディアンスをモデルにしたのがこの映画というわけです。物語は、どん底のチームに愛想をつかしたオーナーのレイチェル・フェルプス(マーガレット・ホィットン)が、チームを私物化しようと試みるところから始まります。
リッキー (チャーリー・シーン 左)
ジェイク (トム・ベレンジャー 右)
20分も見れば、この映画のあらましは見えてしまいます。弱小球団がいつしか強力チームに変貌をとげ、わがままなオーナーのハナを明かすという、とくに新鮮でもないストーリーです。
でもなぜこんなに何度も繰り返して見てしまうのでしょう。そしてなぜそのたびに画面に引き込まれてしまうのでしょうか。
それはこの映画が、野球というスポーツの面白さを見事に伝えているからに他ならないからだと思うのです。
選手たちの強烈な個性が楽しい。かつては大スターだったが、膝を壊して使い物にならなくなった捕手(トム・ベレンジャー)。足の速さは群を抜いているが、ほかには取柄のない一番打者ウィリー(ウェズリー・スナイプス)。桁外れの速球が武器だが、コントロールがさっぱりの投手リッキー(チャーリー・シーン)。とてつもない大物打ちだが、変化球をさっぱり打てないペドロ(デニス・ヘイスバート)。 その上、チーム内ではクリスチャンの投手ハリス(チェルシー・ロス)とブードゥー教のペドロの宗教的対立、ベテラン三塁手ロジャー(コービン・バーンセン)と若手のリッキーの世代間の対立など、トラブルのタネも事欠きません。
また、リン(レネ・ルッソ)とジェイクの恋の行方も気になるところです。
ロジャー (コービン・バーンセン)
しかし「お約束」通り、オーナーに反発して一致団結したチームは、ジェイクを精神的支柱として破竹の快進撃を続け、最終戦で優勝をかけてライバルのヤンキースと戦うのです。リアルな観客席の雰囲気の描写がこの試合の臨場感をさらに高めてくれます。
ベーブ・ルースの予告ホームランの逸話を取り入れた試合のクライマックスには何度見ても興奮してしまいます。
チャーリー・シーンは高校時代プロからスカウトされたこともある野球の実力を持っていますが、これが投球シーンをさらに迫力あるものにしています。
リッキー (チャーリー・シーン)
そして、優勝の瞬間! アナウンサー(ボブ・ユッカー)が興奮して「インディアンスが勝った!勝った!」と叫ぶのですが、セリフが単純なだけに、逆に優勝を待ち焦がれていたアナウンサーのチーム愛(註…米国のアナウンサーはチームの専属)がよく出ていると思います。ちなみにこのボブ・ユッカーもれっきとした元メジャー・リーガーで、映画が公開された当時は本物のアナウンサーとして活躍していました。
また、開幕からずっと外野席で応援を続けていた地元のカフェのママとお客たちの表情もいいですね。実際、こんな半泣きの顔で久しぶりの優勝を喜んでいた阪神ファン、たくさん見たものです。
何度見ても、気がつくと目がうるんでいる自分がちょっと恥ずかしいのですが。
でも、野球っていいなあ、としみじみ思ってしまいます。
ぼくの好きな評論家の玉木正之氏がこの映画を「すばらしいB級映画であると同時に、一流のスポーツ映画でもある」と評していますが、まったくその通りだと思うのです。
もちろん、リッキーのテーマとしてアレンジされたトロッグスの名曲、「ワイルド・シング」のカッコよさも、音楽ファンとしては聴き逃せないところです。
実際のインディアンスは、この映画が公開された6年後の1995年、41年ぶりに見事に優勝を果たしました。
『メジャー・リーグ』トレイラー
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マーチンシーンの息子、チャーリーシーンの普段とは全く異なるふざけた演技、ドタバタコメディなのに、
スポ根。
本物のインディアンズのその後の活躍もこの映画を盛り上げましたね。
でも、残念ながら僕は「阪神ファン」ではない(爆)
しかしこのような映画とストーリーは「わかっていても」面白いのである。。。
蛇足をつけに来ました~^^;
チャーリー・シーンとトム・ベレンジャーは1986年にオリヴァー・ストーン監督の映画「プラトーン」で共演したのですが、このときは役柄とはいえ敵(かたき?)同士でした。
幸か不幸か映画は大ヒット。そして二人の演技も上手すぎ(?)て現実の世界でも仲が悪いのでは?なんていわれたとか、いわれないとか。
そこで、そんなウワサを吹っ飛ばすために今度はバッチリ男の友情が炸裂する(!?)映画で共演することになった。らしい。
私は、プラトーンは見たけど、これはテレビで見ただけ。だってメジャーリーグには私のウィレム・デフォーさまが出ていないんだも~ん!
石橋貴明が出たのは2かな?
インディアンスは93年まで低迷が続きましたが、94年に補強に成功して一躍地区2位に躍進、翌95年にリーグ優勝したんですよね。この時は映画「メジャー・リーグ」劇中の優勝とダブって見え、ちょっと感動しましたよ。
アメリカで好まれる分かりやすい成功譚、しかも野球が題材なので映画もヒットしたんでしょうね。
そういえばそちらには北信越リーグがありますよね。たまには地元チームの応援などしたりするんでしょうか~
こちらの「メジャー・リーグ」は、リアルなゲームのシーンを撮るために、とにかく映画界で野球が上手い人を中心に配役を決めたようです。でもベレンジャーとシーンの起用にはそういう理由もあったとは知らなかったです。
石橋さんが出てたのは「2」と「3」でしたね。彼も野球の腕が買われたんでしょうね。ちょっと壊れたサムライ・ファイターぶりには笑えました~(^^)。
野球映画で ロバート・デニーロの初主演映画『バング・ザ・ドラム』は 未公開ながらビデオでみましたが すごくよかったです。
感動ものとは逆なんですが、アメリカ人ってこうゆう人種なんだと 唸る映画です。是非レンタルして見て下さい。
ぼくはロバート・デ・ニーロは大好きなんですが、「バング・ザ・ドラム」はまだ観たことがないです。
>アメリカ人ってこうゆう人種なんだと 唸る映画
う~む、気になります~
了解いたしました! レンタル・ショップで見つけたらぜひぜひGETしたいと思います。情報ありがとうございました(^^)。
野球も以前は大好きでしたが、、最近はどこを応援すると言う事も
無くなってしまいました。。
チャーリー・シーンも「プラトーン」で止まったままだし(汗)
私もプロ球団の中では、阪神が一番好きですよ~
あのマイペースさとファンの一途さが良い!
選手では川藤選手♪(古すぎ)
去年はワールド・シリーズに出場して雰囲気も盛り上がったんでしょうね。
ぼくは黄色と黒のタテジマ命なのです。Anneさんもよろしければぜひ~(^^)
そうそう、Nobさんもタイガース・ファンだったのですよね。
今年は積極的に補強もしたし、シーズン・インが楽しみです~
しかし川藤さんが好みとは、シ、シブすぎます(驚)
「プラトーン」はいつか記事にしたいと思いながら日にちだけが経ってゆく・・・(汗)