もう20年以上も前、化粧品メーカーの資生堂が「気分はフェアネス」というタイトルのキャンペーンを行っていて、CMとタイ・アップした同名の歌がスマッシュ・ヒットしていた。歌っていたのが山根麻衣(現・麻以)である。
『気分は、フェアネス』(モデル:アンジェラ・ハリー)
「will」というアルバムに収められていたこの曲、アメリカン・ポップス風の味付けが施されていて、けっこう気に入っていた曲ではあったが、ぼくがドギモを抜かれたのが、アルバムでは「フェアネス」の次に収められていた曲である。
それが「ベイビー・イッツ・ユー」だった。
オリジナルはマック・デヴィッド、バート・バカラック、バーニー・ウィリアムスの共作で、1962年にシュレルズがヒットさせている。ビートルズもファースト・アルバムでこれをカヴァーしているので、ご存じの方もたくさんいるはずだ。
少々ノスタルジックな雰囲気の、典型的なオールディーズだが、この「麻衣ヴァージョン」は全く違っていた。
まず、佐橋佳幸のギターを中心としたタイトな演奏に耳を奪われる。
タイトなだけではなく、ワイルドで熱さが伝わってくるような演奏である。
めちゃめちゃぼく好みなのだ。
そして、やや抑えぎみに入ってくる麻衣のヴォーカル。
しかしクライマックスに近づくにつれ、彼女のハスキーヴォイスはどんどん感情むき出しとなり、荒々しさを増してゆく。なんてエキサイティングなんだろう!
この、「麻衣ヴァージョン」は、1960年代後半の「スミス」というバンドのアレンジを踏襲したものだと思われる。「スミス」の演奏は、ホーン・セクションの入った、R&Bフレイヴァー豊かで濃いものだ。もちろんこれもとても好きなものである。
残念ながらせっかく買ったレコードは行方知れず、CDも、グズグズしている間に、ぼくが買ってもいないのにさっさと廃盤になってしまった。残ったカセット・テープをなるべく劣化させないよう、マザー・テープからコピーしたものを大事に聴いてきたのだが・・・。
今、いちばん欲しいCDが、山根麻衣の、この曲が入ったアルバム「will」なのである。
◆ベイビー・イッツ・ユー/Baby It's You
■歌
山根麻衣
■作詞
マック・デヴィッド/Mack David
■作曲
バート・バカラック & バーニー・ウィリアムス/Burt Bacharach & Barney Williams
■編曲
バンド・オブ・ナイト・ファミリー/The Band of Nite Family
■プロデュース
知久悟司
■録音メンバー
知久光康(guitar)
近藤敬三(guitar)
佐橋佳幸(guitar)
佐々木隆典(bass)
野口明彦(drums)
小島良喜(keyboards)
■収録アルバム
will (1982年10月)
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麻衣バージョン、あちこち探してるんですが、アルバムがなかなか見つからなくて…。
しかしその代わり、麻衣バージョンの原型のような「スミス」というバンドの「ベイビー・イッツ・ユー」、発見しました。
東芝EMIから出ているオムニバス「続・僕たちの洋楽ヒット」(全10集)、vol.8の5曲目に入ってるのを偶然見つけて、今喜んでるところです。
ヒットらしいヒットはこの曲だけの、60年代後半のバンドなので、音を見つけることは半ばあきらめてたんです。ウレシイ~
山根麻衣のものにわりと雰囲気が近いですよ。ぼく、これも大好きなんです。
ということでお邪魔します。
「Baby It's you」ビートルズでお馴染みだし、美しいメロディのいい曲ですよね。
で、山根麻衣のバージョンというのは知りませんが、どんなだろうと聴いてみたくなりました