仙台堀川の水辺の散歩道 その5
平成29年2月15日
十三番目の句は、倶利伽羅峠での句。
「わせの香や 分入右は 有磯海」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/78/35ed14e65523b607714394f4e54a7b08.jpg)
※ 「かがの国に入」っての最初の句。
芭蕉は、7月15日(太陽暦8月29日)
に金沢に到着しているが、体調はすこぶ
る悪かったようである。
曾良の『曾良旅日記』の7月14日の
項には「翁、気色不勝。暑極テ甚」と記
されている。
元禄2年(1689)の立秋は、6月
21日であるが、残暑が長く、厳しかった
のであろう。
一句からは、加賀の国に入り、早稲の香
を満喫しての安堵感が伝わってくる。
有磯海は、富山県の一部。
十四番目の句は、色の浜での句。
「寂しさや 須磨にかちたる 浜の秋」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/b2/0e7cec898e4722c874cecebb1a5c4f5e.jpg)
※ 8月16日、芭蕉は、晴天の下、敦賀湾
の西北にある海岸「種の浜(いろのはま)」
に遊んでいる。
『おくのほそ道』において、芭蕉は、
「種の浜」を「浜は、わづかなる海士の
(あま)の小家にて、侘しき法華寺あり。
爰に茶を飲み、酒をあたためて夕暮れの
さびしき感に堪たり」と描写している。
かつて、須磨に遊んだ折に、
「かなしさ、さびしさいはむかたなく、
秋なりせばいささか心のはしをもいひ出べ
き物を」(『笈の小文』)と語った芭蕉で
あったが、「種の浜」で秋の「さびしさ」を
満喫しているのである。
※は、復本一郎氏編著の『精選季題別芭蕉秀句』参照
さびしきは 言下にしのぶ 暮秋(あき)のこえ
貢人
十五番目の句は、山中温泉での句。
「山中や 菊はたおらぬ 湯の匂い」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/88/86ee5ddcd557efb85118d7758bea4c3b.jpg)
山中温泉芭蕉の館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/a8/ae31c1e0d6d203643e4f409e350fd247.jpg)
芭蕉と曾良の別れ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/97/bdd9ce7ff472f5bf5938225e6cc52eaf.jpg)
十六番目の句は敦賀での句。
「名月や 北国日和 定なき」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/4a/b41b8b9cc54b7289fe79f34308c09000.jpg)
十七番目の句は、小松那谷寺での句。
「石山の 石より白し 秋の風」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/8f/c348d5f7a23866a27e00e30df0fc5d8c.jpg)
私の好きな句の一つ。
那谷寺の奇岩が、滋賀の大津の石山寺の石
とイメージが重なった。
秋風を視覚でとらえているかな。
那谷寺の奇岩 秋の盛り近く
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/e9/12632018ddf40c4a36305857a6170b63.jpg)
十八番目の句は、大垣での句。
「蛤の ふたみにわかれ 秋の風」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/a7/c4dbb54be51b5b42b7e0181b075ee8f1.jpg)
『おくのほそ道』、最後の一句である。
平成29年2月15日
十三番目の句は、倶利伽羅峠での句。
「わせの香や 分入右は 有磯海」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/78/35ed14e65523b607714394f4e54a7b08.jpg)
※ 「かがの国に入」っての最初の句。
芭蕉は、7月15日(太陽暦8月29日)
に金沢に到着しているが、体調はすこぶ
る悪かったようである。
曾良の『曾良旅日記』の7月14日の
項には「翁、気色不勝。暑極テ甚」と記
されている。
元禄2年(1689)の立秋は、6月
21日であるが、残暑が長く、厳しかった
のであろう。
一句からは、加賀の国に入り、早稲の香
を満喫しての安堵感が伝わってくる。
有磯海は、富山県の一部。
十四番目の句は、色の浜での句。
「寂しさや 須磨にかちたる 浜の秋」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/b2/0e7cec898e4722c874cecebb1a5c4f5e.jpg)
※ 8月16日、芭蕉は、晴天の下、敦賀湾
の西北にある海岸「種の浜(いろのはま)」
に遊んでいる。
『おくのほそ道』において、芭蕉は、
「種の浜」を「浜は、わづかなる海士の
(あま)の小家にて、侘しき法華寺あり。
爰に茶を飲み、酒をあたためて夕暮れの
さびしき感に堪たり」と描写している。
かつて、須磨に遊んだ折に、
「かなしさ、さびしさいはむかたなく、
秋なりせばいささか心のはしをもいひ出べ
き物を」(『笈の小文』)と語った芭蕉で
あったが、「種の浜」で秋の「さびしさ」を
満喫しているのである。
※は、復本一郎氏編著の『精選季題別芭蕉秀句』参照
さびしきは 言下にしのぶ 暮秋(あき)のこえ
貢人
十五番目の句は、山中温泉での句。
「山中や 菊はたおらぬ 湯の匂い」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/88/86ee5ddcd557efb85118d7758bea4c3b.jpg)
山中温泉芭蕉の館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/a8/ae31c1e0d6d203643e4f409e350fd247.jpg)
芭蕉と曾良の別れ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/97/bdd9ce7ff472f5bf5938225e6cc52eaf.jpg)
十六番目の句は敦賀での句。
「名月や 北国日和 定なき」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/4a/b41b8b9cc54b7289fe79f34308c09000.jpg)
十七番目の句は、小松那谷寺での句。
「石山の 石より白し 秋の風」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/8f/c348d5f7a23866a27e00e30df0fc5d8c.jpg)
私の好きな句の一つ。
那谷寺の奇岩が、滋賀の大津の石山寺の石
とイメージが重なった。
秋風を視覚でとらえているかな。
那谷寺の奇岩 秋の盛り近く
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/e9/12632018ddf40c4a36305857a6170b63.jpg)
十八番目の句は、大垣での句。
「蛤の ふたみにわかれ 秋の風」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/a7/c4dbb54be51b5b42b7e0181b075ee8f1.jpg)
『おくのほそ道』、最後の一句である。