貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

無常中の無常

2021-06-01 14:18:18 | 日記

無常中の無常

令和3年6月1日(火)

 いよいよ水無月到来!

玉祭 

  けふも焼場の 

     けぶり哉

  先祖を迎える魂祭りの今日も、

火葬場には、煙りが上がって

いることだ、

の意。

 元禄三年作。

 玉祭り(墓参り)は、7月13日~16日

の盂蘭盆に、先祖の霊を供養すること。

 精霊棚を設けて供え物を飾り、

灯籠を灯す。

 無常中の無常ともいうべき内容の

句である。

 前書き

「木曾塚の草庵墓所ちかき心」

と題する。

 ◎盆で、先祖が帰ってくるというのに、

死んで焼かれている人がいる。

 蟬ほどの陽気さも鳴く、人は

死んでいくから物の哀れを

強く感じる。

 玉祭りは、魂の祭りであり、

無常を強く感じさせるのは、

焼場の煙なのだが、それは死を

急ぐ蟬とも通じている。

 同年の作に、白髪を呼んだ句もある。

  白髪ぬく 

  枕の下や 

    きりぎりす