無常中の無常
令和3年6月1日(火)
いよいよ水無月到来!
玉祭
けふも焼場の
けぶり哉
先祖を迎える魂祭りの今日も、
火葬場には、煙りが上がって
いることだ、
の意。
元禄三年作。
玉祭り(墓参り)は、7月13日~16日
の盂蘭盆に、先祖の霊を供養すること。
精霊棚を設けて供え物を飾り、
灯籠を灯す。
無常中の無常ともいうべき内容の
句である。
前書き
「木曾塚の草庵墓所ちかき心」
と題する。
◎盆で、先祖が帰ってくるというのに、
死んで焼かれている人がいる。
蟬ほどの陽気さも鳴く、人は
死んでいくから物の哀れを
強く感じる。
玉祭りは、魂の祭りであり、
無常を強く感じさせるのは、
焼場の煙なのだが、それは死を
急ぐ蟬とも通じている。
同年の作に、白髪を呼んだ句もある。
白髪ぬく
枕の下や
きりぎりす