貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

声横たふや 水の上

2021-06-05 15:45:01 | 日記

声横たふや 水の上

令和3年6月5日(土)

郭公 

  声橫たふや 

     水の上

   時鳥が鳴きすぎた後のその声は、

横たわるように水の上を漂っている、

の意。

 元禄六年(1693)作。

◎ これは元禄六年の句だが、

素晴らしい名句 !

 ほととぎすの一声が水の上に広がり、

それ自体が大きな鳥になっている

という感覚で、一鳥の存在の大きさを

見事に表現している。

  初句は、

  ほととぎす 

  聲や横とふ 

       水の上

  次句は、

  一声の 

   江に横ふや 

     ほとゝぎす


   「江」では、水の広さを限定して

しまう。

 茫漠としていたほうが、

大きさを想像する ことができるか。