画賛句の一つ
令和3年6月15日(火)
お日様が昇って、暖かい
火曜日の朝、梅雨とは縁も
ゆかりもなし?
庭はきて
雪を忘る
箒哉
庭の雪を掃きながら雪のことは忘れ、
唯無心に箒を動かすことだ、の意。
元禄五年(1691)の作。
前書き「寒山自画自賛 在許六家蔵」?
寒山は唐代の禅僧。天台宗国清寺の
豊干(ぶかん)禅師の弟子で、
分身たる拾得(じっとく)とともに、
禅画の好画題。
「寒山拾得図」では、
多く経巻をもつ寒山と箒を持つ拾徳が
描かれる。
◎ 唐の寒山拾得の画賛句。
寒山は箒で庭を掃いているが、
雪を忘れてしまうほど無念無想の
禅の境地になっている。
雪に執着する人が多いのに、
寒山ときたら、禅の深みに入り込んで、
すっかり雪を忘れている。
大したものだ、
という賛美が句の芯になっている。