貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

・・・「風色や」へ

2021-06-23 14:40:04 | 日記

・・・「風色や」へ

令和3年6月23日(水)

 今朝は、ワクチン注射の左腕

一部の鈍痛は全く消え、正常な

動きとなる。

 一安堵!!!

 体色もよし。

 今朝は、風の色。

風色や 

  しどろに植し 

       庭の萩

   雑然と植えられた萩を撓(しな)わせつつ、

風が庭を吹き渡っていく、

の意。

 元禄七年作。

 風色・・・草木の揺れなどを通して

    知られる風の動きや趣。

 しどろに・・・整然としていない様。

 『蕉翁○作』によれば、

玄虎亭で、遊園中の庭を見ての挨拶吟。

 ◎ 庭の工事を始めたが、それがまだ

未完成で、不揃いに植えた萩が

花をつけている。

 そこに、秋風が吹き付けてきて、

萩は風の力で撓いつつ揺れている。

 庭がまだきっちりできていないので、

かえって萩の揺れ方に風情がある。

「しどろに」は、まだ整わないで

乱れている光景を指す。

  この句は、遺稿が残されていて、

句作の苦心の跡を辿ることができる。

 芭蕉は最初「風色や」が、

「風吹くや」と吟じて、

どちらにしようか迷ったらしい。

 しかし、後者の表現はあまりにも通俗だ

と思い、「風色や」に新表現があると

思い至り、それで句作を続けることにする。