貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

風色も落ち着いて・・・

2021-06-25 15:06:36 | 日記

風色も落ち着いて・・・

令和3年6月25日(金)

 銚子の魚屋さんからから嬉しい

便り電話。

 鰯など送ってくれるという。

 美味しい刺身が食べられるぞ!!!

 久方かな?

 さて、修正句は、

  風色や 

  しどろに植えし 

      庭の秋

 いやいや、この「秋」では、

表現が漠然として弱いことに、

芭蕉は気付く。

 雑木林は秋に全の葉の色を変える。

 賑やかでいいが、

風色を示すには、賑やか過ぎて、

秋の寂しさを取ってしまう。

 これでは、駄目と決定打にしたのが、

最初の句。

風色や 

  しどろに植し 

      庭の萩

    風には木々のかおる匂いがあり、

花を映す色がある。

 むろん、動きもある。

この動きは、同じ方向に一斉に動くので

はない。

 師匠は自分で、こう語る。

「高原の森を好んで散策するが、

梢を見上げると、有るところは盛んに動き、

その反対に静止してピタッと動かぬ

処もある。

 また、風には通り道、則ち風の筋があって、

森の木々を様々な風姿が動かしているのだ。

 目を閉じれば、森はごうごうと鳴って、

森の木々が一斉に鳴るように聞こえ

てくるが、

 目を開けば、風は己が好む道を

あちらこちらとバラバラに動いている。」

と。

 その通りだ。

 私の拙い「貢蕉庵」の周囲に吹く風も然り!

 定着した句は、やはり秀句だ。

もう一度口ずさむ。

 風色や 

  しどろに植し 

      庭の萩


「植(うう)る」と「植(うえ)し」の違い!

2021-06-24 14:07:03 | 日記

「植(うう)る」と「植(うえ)し」の違い!

令和3年6月24日(木)

 この句には、遺稿が残されていて、

句作の苦心の跡を辿ることができる。

 芭蕉は最初「風色や」が、

「風吹くや」と吟じて、

どちらにしようか迷ったらしい。

 しかし、後者の表現はあまりにも

通俗だと思い、

「風色や」に新表現があると思い至る。

 それで修句を続けることにする。

 最初の詠み句は、

風色や 

  しどろに植(うう)る 

        庭の萩

  「植る」という現在進行形では、

作庭に現在から未来への変化が

生じてしまう。

 折角の萩の紫紅色が風の色としては

弱くなると気づく。

 そこで、「植(うゑ)し」と過去形に

してしまえば、萩の色に変化がなくて、

風は現在の紫紅色の動きを捉える

ことができる。

 結果、現在形の「ううる」は没に。

 僅かな言葉の差が風色という表現を

弱めていることに、

芭蕉は気付いたのである。

 そこで、思いついたのが、

萩と断る必要はないだろうということ。

 秋の花といえば、萩に決まっている。

 修正句は、

  風色や 

  しどろに植えし 

        庭の秋


・・・「風色や」へ

2021-06-23 14:40:04 | 日記

・・・「風色や」へ

令和3年6月23日(水)

 今朝は、ワクチン注射の左腕

一部の鈍痛は全く消え、正常な

動きとなる。

 一安堵!!!

 体色もよし。

 今朝は、風の色。

風色や 

  しどろに植し 

       庭の萩

   雑然と植えられた萩を撓(しな)わせつつ、

風が庭を吹き渡っていく、

の意。

 元禄七年作。

 風色・・・草木の揺れなどを通して

    知られる風の動きや趣。

 しどろに・・・整然としていない様。

 『蕉翁○作』によれば、

玄虎亭で、遊園中の庭を見ての挨拶吟。

 ◎ 庭の工事を始めたが、それがまだ

未完成で、不揃いに植えた萩が

花をつけている。

 そこに、秋風が吹き付けてきて、

萩は風の力で撓いつつ揺れている。

 庭がまだきっちりできていないので、

かえって萩の揺れ方に風情がある。

「しどろに」は、まだ整わないで

乱れている光景を指す。

  この句は、遺稿が残されていて、

句作の苦心の跡を辿ることができる。

 芭蕉は最初「風色や」が、

「風吹くや」と吟じて、

どちらにしようか迷ったらしい。

 しかし、後者の表現はあまりにも通俗だ

と思い、「風色や」に新表現があると

思い至り、それで句作を続けることにする。


相拍子!!!の日

2021-06-22 14:45:12 | 日記

相拍子!!!の日

令和3年6月22日(火)

 昨夜、無事一回目のワクチン接種を

完了。家内のが終わったのが21時頃。

 どちらも注射後の異変はなく、

朝を迎える。

 注射した直下の筋肉数センチの処、

腕を上げると多少の鈍痛がある。

 インフルエンザの注射をしたときと

そう変化はない。

 取り敢えず一安心!

 夕刻より残業の形でそつなく責務に

携わってくださる市の方々、看護婦さん、

お医者さん等に、心から感謝の意を

表したい。

 ありがとう!

 二回目は三週間後。

 とにかく一安堵の予防注射!!!

 今日は、相拍子!!!

さゞ波や 

  風の薫の 

   相(あい)拍(びよう)子(し)

   琵琶湖の岸に寄せるさゞ波が、

吹き渡る薫風と拍子を合わせ、

とても心地よい、

の意。

 元禄七年(1694)没年の作。

 能楽用語の「拍子」を使い、

遊刀亭の涼味を賞した挨拶句。

 遊刀は、膳所の人で、能楽師とされる。

◎ 古く、さゞ波地方とよばれていた

琵琶湖には、その名前の通り、

さゞ波が立つ。

 そのさゞ波と薫風が能の相拍子の

ように、息が合っている。

 つまり、笛や鼓のように、

さゞ波と風とを俳句の中に

詠み込んでしまったというのだ。

 


今日の風はどんな香り?

2021-06-21 11:25:06 | 日記

今日の風はどんな香り?

令和3年6月21日(月)

 今晩、ワクチンの接種一回目。

やっとかな?

 今日の風はそんな香り?

風の香も 

   南に近し 

      最上川

    南からの薫風を受けて涼しく、

南には最上川も近いことだ、

の意。

 元禄二年(1689)の作。

 白楽天の詩句「薫風南ヨリ来る」

(古文真宝前集)を踏まえ、

新庄の盛信亭を賞したもので、

底本は、これを立句とする三物を録す。

 ◎ 最上川を渡ってくる薫風は南から吹く。

その香りが南に近いこと。

 そこに最上川が滔々と流れていること。

これを一気にこの句にまとめた芭蕉の

素早い力量は無類!