『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[遅ればせながら、映画『252 生存者あり』を観た]

2009-01-13 18:38:41 | 物語の感想
☆これもまた、見事な邦画であった。

   ◇

 本日は仕事が休みだったので、今度こそ、『チェ 28歳の革命』を観ようと思ったのだが、またも、連れがあまり乗り気じゃなく、こちらを観た。

 結果として、数日前に観た『K-20 怪人二十面相・伝』に続いて、昨今の邦画隆盛の理由を思い知らされるのだった。

 パニック・ムービーである。

 けして、社会に警鐘を鳴らすようなテーマがあるわけではない。

 しいて言えば、観客への啓蒙は、災害に遭ったとき、「短2・短5・短2」のリズムで壁や床や柱を叩いて、生存者がいることを示し、レスキュー部隊の救援を待つ、と言うことぐらいか・・・^^;

 うん、パニック・サスペンスなのである。

 サスペンスをエンターテイメントとして楽しませてくれる訳で、従来の邦画では、そこにお説教臭さを持ち込み、かえってサスペンスを破壊してしまったものだが、それが特殊技術に劣った邦画の生き残る道でもあった。

 だが、この作品では、その映像技術が見事だった。

 だから、物語はこれでもかと、説得力ある映像で主人公達を追いつめる。

 こりゃ、『ポセイドン・アドベンチャー』並みに面白い(もっとも、30年前の作品の『ポセイドン・・・』と、現在の作品を比べるのは技術面で申し訳ないのだが)。

 パニックに陥る都心の町が見事に描かれていた。

 昨今のハリウッド特殊撮影にも全く遜色なかった。

 地震で陥没した地下街に、津波の鉄砲水が流れ込み、人々が「うわーッ!!」と流される。

 こりゃ、ムスカ大佐でなくても、「見ろ、人がゴミのようだ!」 と言いたくなる。

 アニメでなく、それを実写で納得させる映像技術は見事である。

   ◇

 首都圏全域がパニックに陥るのだが、舞台は、新橋駅地下だけである。

 地球全域のパニックであった『デイ・アフター・トゥモロー』も、舞台はニューヨークの市立図書館であった。

 広い地域の現象を、一つの舞台に集約させるのは、その一つの舞台に、どれほど「世界」を感じさせるかがポイントだと思うのだが、

 『紀元前1万年』で馬脚が知れたエメリッヒだが、『デイ・アフター・・・』での舞台抽出はうまかった。

 そして、この『252』も見事だった。

 全く違和感なく、首都圏災害と言うマクロから、新橋地下崩落現場と言うミクロへ移行がされていた。

   ◇

 また、助ける側のレスキュー隊長役の内野聖陽の演技が喜劇一歩手前の過剰演技であったが、男優たち(伊藤英明・キム兄・山田孝之・山本太郎・茜さんのお弁当)の熱血演技も光った。

 私は、「熱血」が大好きなのである。

 そして、作品中の女優選択の良さも光った。

 主人公の奥さん役の桜井幸子の優しい雰囲気。

 ・・・被害者の家族の、しょうがないヒステリックを好演。

 主人公と災害被害に遭う韓国美人のMINJI。

 ・・・線の細い美人ながらも、良心的な韓国人を好演。

 究極の美形、お前はエジプトのマスクか? 香椎由宇。

 ・・・頭は切れるが、わりと普通で、作中でおいしい役でした。

 耳の聞こえない主人公の娘役を演じた大森絢音ちゃん。

 ・・・ムク犬のように可愛いけれど、最後、救出されて母親の元に走り寄るとき、がに股だったので、私は「処女でも喪失したのか?」と思いました^^;

   ◇

 ・・・しかし、これだけの大災害なのに、自衛隊の協力を仰がないのは違和感が起こった。

 出さないのはいいのだが、ひとことの言及もないのはおかしい。

 <RESCUE WINGS>(クリック!)に頼めば、もうちょいスムーズな救出が出来たかも^^;

 不満はそれくらいかな。

 日本映画も、大エンターテイメントを語れる、新しい時代を迎えたのだな。

                         (2009/01/13)
コメント
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