☆今、日の出のワーナーマイカルで、過去の名作を500円で観れる<アンコール・シネマ>というイベントをやっていて、ジョエル・シュマッカー監督版の『オペラ座の怪人』を観た。
ゴージャスな素晴らしい作品であった。
私は、シュマッカー監督は、『フラットライナー(1990)』を映画館で見て、その破綻しきった物語に「ああ、この監督ダメだ・・・」と、それ以後、ダメ監督のレッテルを貼ったものだが、この作品は見事だった(まあ、昨年、『ナンバー23』と言うトンデモ映画を作ってもいたね^^;)。
有名なミュージカルを、映画へ移し変えたものなので、その音楽や元になる脚本にあまり不満はない。
ただ、<怪人>に好まれてオペラのレッスンを受けたヒロインが、昔馴染みの恋人と結ばれるに至り、怪人のもとから去るのだが、そこにもっともっと逡巡が欲しい気がした。
だから、見事な、オペラ座を中心とした迷宮的なセットの中で、スタンダードとなっている物語を見事に展開させていたにもかかわらず、そのクライマックスがあっさりしすぎていて腰砕けな感じがした。
私自身も、もっと<怪人>に、感情移入したかった。
ある意味、この<オペラ座の怪人>は、「振られ男」の雛形でもあるからなあ^^;
・・・傑作といえようが、私、仕事の後のレイトショータイムでの鑑賞だったので、眠くて辛かった^^;
◇
『ミーアキャット(吹き替え版)』は面白かった。
アフリカ南部のカラハリ砂漠と言う乾いた苛酷な地で生きているミーアキャットの生活を追ったドキュメントだ。
小さく、ヒョロッとしたイタチのような動物で、とてもユーモラスだ。
いつも群れて、何故だかいつも首を長くしてボーッと立っている。
驚いたりして首を傾げる仕草や、怖くて年上にすがる姿が人間の子供みたいだ。
そのままでも面白いのだが、私は、こいつらを「妖怪」と思って見た。
よく妖怪の絵図で現われる「旧鼠(鉄鼠)」とクリソツだからである。
人里離れた砂漠での、妖怪一族の暮らしが描かれていると思うと面白さ倍増^^v
・・・ミーアキャットが苛酷な環境で暮らしていくには、自然の状況が一番の問題だが、
同じ生き物の天敵としては、空の敵・鍵爪鷹と、陸の敵・ケープコブラがいる。
ライオンとかも大敵だが、上記の二者が特筆すべき天敵である。
自然はうまく出来ているなと思うのが、
鍵爪鷹に襲われた場合は、ミーアキャットがねぐらとしている巣穴に戻ればいいし、
しかし、ケープコブラは、巣穴の中にも入ってくる・・・、
だが、ミーアキャットは、マングースの種族で、強敵のコブラとも戦えるのである。
自然は、どこかに「生きる道」を残してくれている^^
主人公のコロだが、最初は赤ちゃんで可愛い。
しかし、そのコロは、多くの試練を経て群れのベテランになる。
可愛い弟も出来るのだが、不思議と、観ている私達にとっては、大きくなっても、コロが肉親的に可愛いのである。
これも一つのドキュメントの、擬似肉親魔術であろう^^;
クライマックスは、コロの鍵爪鷲との戦いなのだが、その猛追を逃れて、巣穴に戻ると、そこにはコブラが蛇舌をヒュルヒュルさせながら待ち構えていたのだ。
前門の狼、後門の虎!
しかし、その結果、私が鑑賞中の中盤に、「こうなればいいな」と思っていたと同じオチを迎える。
まるで、O・ヘンリーの短篇のように無駄のない結末であった。
しかし、これは、果たしてドキュメントなのか? と、ちょいと疑問に思った。
ミーアキャットなどの、人間臭い仕草も、果たして、その通りの「状況」でのリアクションだったのか?
くだんの結末・・・、「鷹に追われたミーアキャットが、巣穴に逃げ込むと、コブラが待ち構えていて、それから逃げて巣穴から出ると、鷹がコブラを捕まえる」・・・、この一連のうまい展開は、果たして、実際に撮影班の目の前で起こった流れなのか、非常に疑問である。
◇
ともあれ、良作を二日続けて観て、世は満足じゃ^^v
(2009/01/23)
ゴージャスな素晴らしい作品であった。
私は、シュマッカー監督は、『フラットライナー(1990)』を映画館で見て、その破綻しきった物語に「ああ、この監督ダメだ・・・」と、それ以後、ダメ監督のレッテルを貼ったものだが、この作品は見事だった(まあ、昨年、『ナンバー23』と言うトンデモ映画を作ってもいたね^^;)。
有名なミュージカルを、映画へ移し変えたものなので、その音楽や元になる脚本にあまり不満はない。
ただ、<怪人>に好まれてオペラのレッスンを受けたヒロインが、昔馴染みの恋人と結ばれるに至り、怪人のもとから去るのだが、そこにもっともっと逡巡が欲しい気がした。
だから、見事な、オペラ座を中心とした迷宮的なセットの中で、スタンダードとなっている物語を見事に展開させていたにもかかわらず、そのクライマックスがあっさりしすぎていて腰砕けな感じがした。
私自身も、もっと<怪人>に、感情移入したかった。
ある意味、この<オペラ座の怪人>は、「振られ男」の雛形でもあるからなあ^^;
・・・傑作といえようが、私、仕事の後のレイトショータイムでの鑑賞だったので、眠くて辛かった^^;
◇
『ミーアキャット(吹き替え版)』は面白かった。
アフリカ南部のカラハリ砂漠と言う乾いた苛酷な地で生きているミーアキャットの生活を追ったドキュメントだ。
小さく、ヒョロッとしたイタチのような動物で、とてもユーモラスだ。
いつも群れて、何故だかいつも首を長くしてボーッと立っている。
驚いたりして首を傾げる仕草や、怖くて年上にすがる姿が人間の子供みたいだ。
そのままでも面白いのだが、私は、こいつらを「妖怪」と思って見た。
よく妖怪の絵図で現われる「旧鼠(鉄鼠)」とクリソツだからである。
人里離れた砂漠での、妖怪一族の暮らしが描かれていると思うと面白さ倍増^^v
・・・ミーアキャットが苛酷な環境で暮らしていくには、自然の状況が一番の問題だが、
同じ生き物の天敵としては、空の敵・鍵爪鷹と、陸の敵・ケープコブラがいる。
ライオンとかも大敵だが、上記の二者が特筆すべき天敵である。
自然はうまく出来ているなと思うのが、
鍵爪鷹に襲われた場合は、ミーアキャットがねぐらとしている巣穴に戻ればいいし、
しかし、ケープコブラは、巣穴の中にも入ってくる・・・、
だが、ミーアキャットは、マングースの種族で、強敵のコブラとも戦えるのである。
自然は、どこかに「生きる道」を残してくれている^^
主人公のコロだが、最初は赤ちゃんで可愛い。
しかし、そのコロは、多くの試練を経て群れのベテランになる。
可愛い弟も出来るのだが、不思議と、観ている私達にとっては、大きくなっても、コロが肉親的に可愛いのである。
これも一つのドキュメントの、擬似肉親魔術であろう^^;
クライマックスは、コロの鍵爪鷲との戦いなのだが、その猛追を逃れて、巣穴に戻ると、そこにはコブラが蛇舌をヒュルヒュルさせながら待ち構えていたのだ。
前門の狼、後門の虎!
しかし、その結果、私が鑑賞中の中盤に、「こうなればいいな」と思っていたと同じオチを迎える。
まるで、O・ヘンリーの短篇のように無駄のない結末であった。
しかし、これは、果たしてドキュメントなのか? と、ちょいと疑問に思った。
ミーアキャットなどの、人間臭い仕草も、果たして、その通りの「状況」でのリアクションだったのか?
くだんの結末・・・、「鷹に追われたミーアキャットが、巣穴に逃げ込むと、コブラが待ち構えていて、それから逃げて巣穴から出ると、鷹がコブラを捕まえる」・・・、この一連のうまい展開は、果たして、実際に撮影班の目の前で起こった流れなのか、非常に疑問である。
◇
ともあれ、良作を二日続けて観て、世は満足じゃ^^v
(2009/01/23)