『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[よその三姉妹(21・ニュージーランド篇⑨)]

2009-07-19 09:52:03 | 海の向こうでの冒険
☆前回からの直接の続きなので、「その20・ニュージーランド篇⑧」 (クリック!)から遡って読んでね^^

   ◇

     承前『教育会議』の巻

 ・・・サチが来てから数日過ぎた、ある晩の彼女との会話。

 グレインジャー家族といる時には、英語で話す僕も、サチと二人の時には、日本語で会話してしまう。

『今夜はミド蘭がいてくれて良かったよ^^』

『なんで?』

『だって、エリオットの世話が二分されるもん!^^』

『それは俺だって、サチが来てくれて助かったよ^^』

『アッハ^^ やっぱ、そう思ってたのね!』

『くすぐられていたでしょ?』

『うん』

『キスしてくるでしょ?』

『うん、された』

『耳キスは?』

『された』

   ・・・耳キスとは!?

   耳にキスをされる。ただそれだけだ。しかし、それを受けた者は、身体がゾクゾクッとする^^;

・・・『俺たちは、なんだかんだ言っても、エリオットのペースにはまってしまっている』

『だって、やっぱ、ほっとけないじゃん』

『それはそうだけど…、なんだか俺たちって、自分勝手な彼氏に愛想を尽かしつつも、腐れ縁で離れられず振り回されている女の子みたいだよ』

『きっと、奴ぁ、プレイボーイになるね』

   ◇

 それから、数日後、サチが深刻な表情で言った。

『私たちは、もしかすると、エリオットを甘やかし過ぎているのかも知れない』

『うん、俺もそう思っているよ。でも、今更、怒ることも出来ない。今まで怒らなかった俺が、急に怒るようになったとしよう。6歳の子供の頭の中では、俺の豹変に思考がついていけず、例えば、人間不信にでもなってしまったら困る。俺には、その、硬軟のバランスの取り方が分からないんだよ。自分の子じゃないからなあ』

『でも、もっと、エリオットの教育について考えなくては・・・』

『もちろん』

   ◇

 それから、更に数日後のサチ。

『最近、やっと分かったの^^ 他の友達にも聞いたんだけど、どこの家庭の教育も似たようなものみたい。ほっぽらかしがニュージーランドの教育のキーワードなのね』

 ・・・それは違うと思う。

 やはり、エリオットの教育はどこか間違っている。

 NZの教育法の一言で片付けてしまってはいけない。

   ◇

 色んな要素が複雑に絡んでいるので、答えは出せないが、こちらにも原因がある。

 日本人の優しすぎる点があり、それが対象の「甘え」を増長させてしまいもするのだ。

 だが、ホームステイと言う、中途半端な期間の対象との接触は、旅行の延長とも思え、対象に過度の感情をあらわにすることを躊躇してしまう。

 つまり、対象の悪い部分を「叱る」と言う行為に、ホームステイの短い期間は「責任」がもてないのだ。

「叱る」ことには、アフターケアが必要なのである。

 叱られた者は、すぐにその理由を察して理解できることはない。

 その後の、自分の叱った者の行動を見て、次第に、自分の悪い面を改めていく。

 特に子供はそうだ。

 だが、旅行者の延長に過ぎない我々には、その説得力ある期間がないのだった・・・。

 その場しのぎの表面上の優しさを向けるしかない弱点がある・・・。

                           (2009/07/19)