『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『アマルフィ/女神の報酬』を観た]

2009-07-26 14:20:45 | 物語の感想
☆他のレビュアーにコテンパンに評価され、私自身、見る前から、この作品はクソっぽいなと思っていたのだが、さて、観に行くと、普通に面白い作品でした。

 おいおい、みんな、あまり偏見混じりの先入観で「クソ」扱いしなさんなよ^^;

   ◇

 イタリアでのサミットを背景にした、現地での邦人少女誘拐に巻き込まれた外交官の物語。

 ただの身代金目当ての誘拐とは思っていなかったが、内輪揉めの物語でもなく、痴情の縺れでもなく、話が、国際的な国家間の道義的な物語に発展していく様はなかなか見事だと思った。

 その犯罪者集団については、細かくあげていくとツッコミどころは多数あれど、考えようによっては好意的な解釈は幾らでも出来る。

 私は、あまりにもの破綻は許さないが、この作品にはそれは感じられなかった。

 クライマックス、犯罪動機が語られ始めたとき、私はホロリときてしまった程だ。

 それは、その犯罪集団の面々がいい演技をしていたからだと思う。

 彼らが、タキシードやドレスに早変わりするとき、『ダイハード』シリーズのテロリストみたいで格好良かったですよ。

 特に、あの「女性」は、初登場から、妙に美しくてキャラが立っていたので、後半に活躍しだしたとき、嬉しかった^^

   ◇

 明らかな不満は、主人公を演じる織田裕二の過剰にニヒルな演技だ。

 とりたてて悪くはないのだが、かつての柴田恭兵のような、「思春期に女を意識し始めた頃の男子学生」のような、作り過ぎの演技がどうも性に合わなかった。

 織田裕二には、ビートたけしが主役を演じるときの「無表情の中の激しい情動の表現」というものを真似て欲しい。

 それから、サラ・ブライトマンが本人役で作品に招聘されているが、その何度もの使い回しに辟易した。

 しかも、全ての場面で同じ曲を歌わせている。

 誰もが知っている名曲なのだから、クライマックスでじっくりと一回聞かせてくれたら充分に心に残るってものなのだが・・・。

   ◇

 『天使と悪魔』とは異なった、サスペンス要素とともに、イタリアの風景が楽しめた良作である。

 観て損はない。

                                  (2009/07/26)