『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『南の島のフリムン』を観た]

2009-09-06 23:28:43 | 物語の感想
☆午前中の『サブウェイ123』は、姪っ子と観に行ったのだけど、昼寝して、体調を万全にして、昔の職場の女を誘って、レイトショーに行った。

 別に深いつきあいの女の子ではないが、男たるもの「備えよ常に!」である^^

 なお、MOVIX昭島のポイントが溜まりすぎているので、レイトショーだが、ポイントを使った^^

   ◇

 非常に面白かった。

 私は、監督をしていたゴリと言うお笑い芸人にあまり詳しくなく、そのゴリが組んでいるコンビの<ガレッジセール>も、二人がそれぞれ、沖縄の暑苦しい顔の2パターンを代表しているので、あまり好きではなかった。

 しかし、その作品は、映画としての安定感が抜群で、非常に面白かった。

 内容はシンプルで、簡単に言うと、三十路男の『ベストキッド』コメディ版と言う趣きだ。

 沖縄出身だからだろうか、物語は非常にテンポ良く、リズミカルで、ギャグの間も見事だった。

 大阪の人のギャグみたいに、先鋭化しすぎて意味が分からないなどと言うことはない。

 だからといって、ベタでもなく、程好い鋭さで私は始終クスクス笑いを続けさせられた。

 そのギャグも一度きりでなく、例えば、口に含んだものを、驚いてブーッ! と吐く…、などや、ヒトシの活舌の悪さ…、豚の花子…、オヤジの頭をポカポカ叩く…、ブレーキの壊れた軽トラ…、などなど、必ず繰り返され、また、その繰り返しはいったんは覆され、最終的にはまた元に・・・、とギャグは繰り返しや応用で飽きさせないし、馴染ませてくれる^^

   ◇

 私が、最も、この作品で特筆したいのが、その「仲間(家族)」の形である。

 ゴリ演じる栄昇は、60歳過ぎのオヤジ・マサルや、ちょっとルーズなヒトシらと、何のこだわりもなくつるんで過ごしているのである。

 ババァどもも各所で大活躍する。

 そのような老若男女が屈託なく生活している様はたまらなく楽しい。

 家族での食事も、豪勢な食卓で、メインディッシュが出されると、皆で争奪戦になり、その戦いが済むと、それぞれが戦利品を口に運ぶので、にぎやかな集まりに無言の時が訪れる。

 実に楽しい。

   ◇

 栄昇の憧れの人が、踊り子のオレンジ(レイラ)で、この方はいい女だ。

 この女の取り合いで、栄昇は米軍の兵士(ボビー・オロゴン)と勝負することになる。

 そして、沖縄空手の修行を、ライオン殺しの老婆に師事し、沖縄の大自然の中で行なうのだ。

 そんな栄昇を気にするのが、幼馴染のリミだ。

 この人、元<フォルダー5>のAKINAだよね^^

 あいかわらず、可愛いな^^

 私も、栄昇みたく、リミにこずかれたいものだ^^;

 で、オレンジに惹かれている栄昇を、それまで何とも思っていなかったのに、急に気にしだすリミの女心の移り変わりもいい。

 でも、そこでしんみりさせないで、リミに変なメイクをさせるは…、オレンジを闇討ちさせようとするは…、ボビーに躊躇なく殴られるは…、良かったです^^

   ◇

 なお、この作品、冒頭とエピローグに、カメラの長回し風がある。

 リミの弟のツヨシが、リミの家から、道を挟んだ隣りの栄昇の家に食事のお誘いに行くのだ。

 そこで、何とも沖縄の雰囲気が伝わってきて、物語の導入部と帰結部を彩っていた。

 皆に観てほしい良作だ。

 デートムービーとしても最適です^^

   PS.ちなみに、私は大学で南方文学を専攻しました^^

     [私の1991年のメモ日記・6]・・・この後半に沖縄へのゼミ旅行の記述があります^^

                                      (2009/09/06)
コメント (4)
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[映画『サブウェイ123/激突』を観た]

2009-09-06 14:48:44 | 物語の感想
☆母親が、<MOVIX昭島>で、アンケートに答えたら郵送されてきたフリーチケットをくれたので、私が行ってきた^^

   ◇

 物語は、NY地下鉄の管制官ガーバー(デンゼル・ワシントン)が、地下鉄を乗っ取った犯罪者集団と、心ならずも交渉しなくてはならない、という物語。

 監督は、お兄さん(リドリー)ともどもスタイリッシュな作劇のトニー・スコット。

 あまり話題になっていない作品だが、スコット印ならば、まあまあ楽しめるだろうと思い見に行った。

 ・・・しかし、映像は美しいが、アクション要素も、サスペンス要素も、全く機能していなかった。

 犯人の要求の金を、銀行から犯人の元に、白バイにガードされたパトカーが搬送するのだが、意味なく、交差点でタクシーと接触し大破させたり(1)、曲がりっ端に駐車してあった車両に白バイが激突したりする(2)。

 最後には、そのパトカー自体が交差点で遮るように走ってきた車とぶつかって、クルクルと宙に舞う(3)。

 ・・・作品の緊張感とは、見る者をヒヤヒヤさせつつも、パトカーが慎重に任務を遂行しているところに生まれるのだと思うのだが・・・、その結果、時間に遅れて物語が悪い方に盛り上がるのはしょうがないのだ。

 作中、NY市長が「なんでヘリで運ばないんだ」と真っ当な疑問をいい、それにハッと気付くNY市警の面々がいると言うアリバイはあるのだけど、

 だったら、大事件なんだから、NY中の交通を封鎖しろよ、と言うツッコミも、もはや、はばかれる^^;

 だって、この作品は、「123/激突」だから^^;

 圧倒的に、作り手がサスペンスを放棄しているのが分かろう。

   ◇

 クライマックスで、身代金をせしめた犯人が、人質の乗った地下鉄車輌を暴走させるのだが、そこには、どうやって停止させるか、と言う物語的起伏はない。

 赤信号ならば、自動緊急ブレーキが作動するのだが、犯人の要求で青信号にしてあるので、そのままに走らせていなくては人質が射殺される。

 だから、暴走する車輌が人質だけならば赤信号による緊急ブレーキをかけられもするが、車内はどうなっているのか?

 そのような、周囲の状況の葛藤が全く描かれず、何のリミットもなく、ふいに車輌が停まる。

 つ、つまらん^^;

   ◇

 対して、人質になった乗客の役者たちは、作品がこのような「適当」な作りになっているのも知らないだろうから、子役も含めて、なかなかの演技をしている。

 でも、作り手は、その人質心理を中途半端に描くので、人質役の個性的な演技も、「意味ありげだが、ただそれだけ」の不発に終わっている。

 人質の若者が、パソコンで、外部の彼女とお互いの画面上でチャットをしているのだが、その特殊な状況が、なんら物語に絡むことはない。

 それを発見した犯人も、接続を切るだけで、若者に罰を与えるようなことをしない。

   ◇

 犯人集団は、うまく逃げおおせるか。

 まあ、これだけの犯罪を計画していたヤツラなんだから、当然、逃走経路も完璧なんだろう、と思った。

 それもつかの間、犯人たちは、地下鉄から表に出ると、すぐに警察に捕まり、射殺される。

 犯人のリーダー(ジョン・トラボルタ)も、タクシーで悠長に逃走を謀る。

 しかし、単身で追っていたガーバーにすんなりと捕捉される。

 なんで、作り手は、見る側に「映画的な苦労」をさせてくれないのだろうか。

   ◇

 この作品は、何が見どころなのかを考えた。

 やや小粒なアクション物だと考えると、あまりにもいい加減な作りである。

 私は、デンゼル・ワシントンの落ち着いた演技と、ジョン・トラボルタのリアルな狂気の役作りを楽しむ作品なのだと定義する。

 デンゼル・ワシントンが演じるガーバーは、社内での置かれている状況、家族関係、そして、犯人との交渉においての知的なコミュニケーションと、申し分ない演技だった。

 犯人のリーダー役ライダーを演じたトラボルタも、その気性の沸騰の仕方など、うまい演技だが、客観的にしかその過去が作中で語られないので、深みに欠けた。

 それにしては、トラボルタの表情のアップのカットが多く、その犯罪に駆り立てた複雑な心境の片鱗が窺える。

   ◇

 この作品は、もったいないが、「失敗作」である。

                                        (2009/09/06)
コメント (6)
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