『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『トイ・ストーリー/トイ・ストーリー2 3D』を観た]

2010-02-08 23:59:58 | 物語の感想
☆一本分の値段で二本観れて、しかも3Dだっちゅうんだからお買い得だなと思っていたら、

 姪っ子・甥っ子も行くことになって、チケット代だけで5千円を超えて、更にフードコートでの夕食代、二作品の間に休憩も入るのでポップコーンやジュース代と散財することになった。

 でも、子供たちは、全く退屈することなく夢中で観ていた。

 私も、「傑作」を二本立て続けに観ることが出来て、幸せだった。

 3D映像も、これ見よがしの飛び出てくるものでなく、『アバター』のような、こちらの感受性を増幅させてくれるような、上品な使い方で良かった。

   ◇

 この作品の感想については、何度も語っているので書かないが、最近のピクサー作品にはない「情熱」がある。

 一作目と続編と、二作あるわけだが、一作目で受けたシーンを倍増しにしているようなわけではなく、全く違うアプローチをしてくれていて、こちらを魅了する。

 だけども、根底の部分では、「おもちゃの宿命」というテーマをより深化させて見せてくれる。

 「おもちゃの宿命」とは、子供の遊び相手でしかなく、その成長と共に、疎遠になる運命のことだが、

 それは同時に、この世に生きる「人間の宿命」でもあり、

 甥っ子姪っ子も楽しみ、そこに、私もホロリとさせられる。

   ◇

 何度も語ったので、その内容については書かない。

 実は私、かつて、この『トイ・ストーリー』を観たとき、そのテーマの意味するところに既視感を感じたことがあった。

 それは、むか-し、ヤンマガで糸井重里作・みうらじゅん画で「見苦しいほど愛されたい」と言うマンガがあって、その中に、似たような話があったのだ。

 持ち主に可愛がられていたウサギの洒落たぬいぐるみが、ある日、持ち主に飽きられて押入れに投げ入れられる。

 ウサギは状況が分からずに困っていると、暗闇に無数の瞳が光る。

 それらは、歴代の持ち主に可愛がられていたぬいぐるみ達だった。

 しかし、ウサギは自分の境遇が理解できない。

 押入れの古株たちは、牢名主のぬいぐるみに、ウサギの新しい名前をつけてもらう。

「そうだな、お前の、これからの呼び名は、玉川良一(青空球児だったかも知れない)だ!」

 とか言われて、ウサギが「そんな野暮ったい名前は嫌ですよ」と言うと、

 確か、「新入り、テメェ」とか言われて、他のぬいぐるみたちにボコられる、と言う物語だったと思う。

 だから、私は、『トイ・ストーリー』を初めて観たとき、「あっ、玉川良一(青空球児)だ」と思ったものだった。

   ◇

 さて、今回観直して、一番に魅力を感じたのは、カウガールのジェシーだった。

   ・・・映画の画像がネットで拾えないので、フィギュア写真。

 元気で明るくて、気勢をあげる様が可愛い^^

 手足の、操り人形のような動きもオテンバで実にいい!

 そして、明るさの動きの陰で、伏せている表情が哀しげなのも引きつけられる。

 CGアニメで、このような難しい情感を描けるのが、この頃のピクサーの凄さだ。

 問題なく、2作とも、「永遠の名作」だ!!

                                         (2010/02/08)

[与党民主党考・35 「滅茶苦茶」]

2010-02-08 04:14:54 | 保守の一考
☆このバカ・・・、辞めるつもりはないって、おい!

   《石川議員、離党や辞職しない意向 地元の党幹部に示す(2010.2.7 23:19)》

 <小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の収支報告書をめぐり、政治資金規正法違反の罪で起訴された元秘書で同党衆院議員石川知裕被告(36)が、地元の北海道第11区総支部から「離党や議員辞職の必要はない」との見解を伝えられ、応じる意向を示したことが7日、分かった。
 総支部代表代行の池本柳次道議によると、同日開いた常任幹事会で「石川氏の進退は、裁判の結果を踏まえて判断すべきだ」との結論が出たことを電話で報告。石川被告は「地元の意見を受け止める」と答えたという。池本道議は、石川被告が保釈された直後も「これからも頑張る」と電話してきたことを明かし「離党や辞職はないと思う」と話した。石川被告の進退をめぐっては政府筋が起訴前の時点で、離党するとの見通しを示唆。社民党の福島瑞穂党首も自発的辞職が望ましいと表明した。>

 いや、こいつ、小沢の「見えざる脅威」で自殺するほどの精神状態にあり、

 また、自分の行った罪を認めてもいるのに、なんで公務を実行できると思っているのか?

 こいつに、まだ議員を続けさせようとする「北海道第11区総支部」のバカどもの精神構造はどうなっているのだろう?

 記事の最後では、連立与党の社民・福島瑞穂が自発的辞職が望ましいと表明しているのだね。

   ◇

 そして、連立与党の国民新党の方はと言うと・・・。

   《亀井金融相、夫婦別姓法案に反対表明 外国人地方参政権も(2010.2.7 15:18)》

 <亀井静香金融・郵政改革担当相(国民新党代表)は7日午後、広島県尾道市での会合などで、政府が今国会への提出を検討している選択的夫婦別姓制度導入を柱とする民法改正案について「夫婦まで名前を別々にするのが在るべき姿なのか。わたしは反対だ」と述べ、反対を表明した。
 永住外国人への地方選挙権付与法案にも触れ「国民新党は二つとも反対だ。わたしがノーと言ったら法案提出できないから、絶対に成立しない」と強調した。>

 とりあえず、ここでは亀井クンに頑張ってもらおう。

 でも、これも、前段の福島瑞穂の話も、鳩山の、妙な、「誰とでも仲良くなりたい」症候群の帰結による連立不協和音である。

 そもそも、民主党は、単体でも法案を通らせる議員数を誇っている。

 小沢が表立っての党首ならば、社民も国民新党も切るだろう。

 正直、鳩山の愚かさで、日本解体法案の成立は阻止されている・・・^^;

                                         (2010/02/08)

[与党民主党考・34 「とりあえず、小沢は辞めてよ」]

2010-02-07 05:38:34 | 保守の一考
☆反小沢らしい渡部恒三は、かように言っているとのこと。

     《渡部元衆院副議長「歴史に残る決断すると思う」小沢氏辞任を示唆(2010.2.6 23:32)》

 <民主党の渡部恒三元衆院副議長は6日夕、資金管理団体の政治資金規正法違反事件で不起訴になった小沢一郎幹事長について「国民の世論を謙虚に受け止めて、『さすがは小沢さんだ』という歴史に残る決断をすると思う」と述べ、幹事長を辞任するとの見通しを示した。都内で記者団の質問に答えた。また、渡部氏は「小沢君はポストに執着しないところが40年間、政界で大きな存在感をもってきた原動力だ」とも指摘した。同日のTBS番組「時事放談」の収録では、事件について「国民に申し訳ない。土下座して謝りたい気持ちだ」と語った。
 一方、鳩山由紀夫首相は同日、視察した東京・有明の「パナソニックセンター東京」で記者団に対し、「検察は公正に法にのっとって処分を下した」と述べ、不起訴は妥当で、幹事長辞任の必要はないとの認識を改めて示した。>

 ・・・渡部恒三の「誘導」のように、ことが成ってくれると嬉しいのだが。

 ところで、鳩山は、ずっと、「辞める辞めないは小沢氏自身が決めること」とほざいていたが、

 私は、「何で?」と問いたいのだ。

 何で、それを、お前が決めれないの?

 そういう決断を下さなくてはならない責任が自分にあるとは思ってもおらず、当然、その責任を果たせないのが、このバカだ。

 小沢に至っては、その配下の三人を逮捕されているんだぞ。

 完全なる「監督不行き届き」であろうよ。

   ◇

 それから、一昨日の国会質疑を見ていたのだが、棚橋泰文議員の、鳩山への質問がメチャ面白かったのだが、

 鳩山は、何でも、お母ちゃんからの12億円の小遣いについて「知らなかった」で最終的には済ませようとしていた。

 棚橋泰文議員の追求はかなり厳しくて良かった(特に、鳩山にあれだけの挙動不審な態度をとらせたのは見事!)が、私は一つだけ助言したかった。

 それは、「知らなかった」で済まそうとする鳩山に、「百歩譲って知らなかったとして、知らないことは罪ではないのか?」と聞いて欲しかった。

 棚橋泰文議員議員の後に、管義偉議員が質問に立ったのだが、この人の質問も興味あったが、私は出勤の時間になってしまった・・・。

                                         (2010/02/07)

[マンガ『賢い犬リリエンタール』のコミックスを買った]

2010-02-05 02:36:22 | 物語の感想
☆私は大の「少年ジャンプ」好きで、『ワンピース』に代表されるような大河バトル漫画を毎週楽しみに読んでいる。

 少年ジャンプは、そんな熱い作品を幾つか揃えていて、私を魅了し続ける。

 だが、たまに、「少年ジャンプ」にはポツンと異質の新しい感性の作品が現われたりする。

 それが、この『賢い犬リリエンタール(葦原大介著)』だ。

 一見、とある家庭の仲間入りした「ドラえもん」的なキャラクター物語と思いきや、その作風は何とも不条理に充ちていて、

 物語は、必ず、リリエンタールの特殊能力によって主人公らが「限定状況」に陥り、そこから脱出すると言う流れになっている。

 この作者のデビュー作は、確か『ルーム303』とか言う、かなりハードな、密室状況からの脱出をテーマにしたホラー風味のミステリーで、

 私は「才能は感じるが、こりゃ、ジャンプには合わない」と思ったものだが、その後、この「リリエンタール」の読みきりやアクション物などを描いて、次第に読み手が気軽に読めるタイプの作家になってきたようだ。

 この連載が始まった当初、私は、そのリリエンタールのキャラが無垢すぎて、あまり面白いと思わなかったのだが、次第に、この作家が『ルーム303』で見せていたダークさを、不条理感たっぷりに、コメディと登場人物の魅力をうまく織り交ぜつつ表わしてきたので、最近、熱心な読者になっている。

 昨日、そのコミックス第一巻が発売された。

 私は、楽しく読んだ。

 この作品、おそらく小学生の低学年が読んでも楽しめるだろう。

 そして(私は特殊としても^^;)、大人が読んでも、その寓意性に、何がしかの魅力を感じることが出来るだろう。

 読んでミソ^^

 ヒロイン(なのか?)のテツコは、その飾り気のない名前も含めて、シンプルな線で描かれつつの、寂しがり屋の裏返しのクールさで可愛いぞ!!!

                                         (2010/02/05)

[与党民主党考・33 「異常な線引き」]

2010-02-04 22:10:32 | 保守の一考
☆昨夜寝てなくて、今夜は早く寝たいので、短めの記事です。

   《鳩山首相、小沢氏の監督責任「よく分からない」(2010/02/04 21:16)》

 この記事、笑った。

 国のリーダーが、国を揺るがす自分サイドの大問題について「分からない」である・・・。

 なんで、この人は、こんな無防備なセリフを吐いちゃうのだろう。

 まあ、バカだから、しょうがない・・・。

   ◇

 小沢一郎自身の逮捕がなかったのは残念だが、物証が現時点では見つからなかったのであろう。

 でも、捜査段階で、色々とあふれ出てきた「状況証拠の数々」は、こんな人間には国のリーダーは勤めさせられない、と多くの人が思ったと思う。

 検察は今回、公正な動きをしてくれたと保守派の多くは思っているのだろうが、これまでの検察ならば、小沢は逮捕だっただろう。

 相手が自民党であったよりも、検察は無茶をしなくなってきている。

 相手が権力にあったとしてもの「公正」が厳守されたとも思えるが、検察自体も傾いていると感じさせられずにはいられない。

 「政府の圧力」は良いとしても、「中共の圧力」までをも妄想する保守派もいようが、

 検察が一時間半に渡って、小沢不起訴の経緯の説明をしたところを考えると、本気の帰結であったのだろう。

 だが、「検察の衆人環視下捜査」において、検察側に、無意識の「似非公正感」の縛りが生まれていたのだろう、と私は思うのだ。

   ◇

 まあ、数ヶ月も経たずに、違う事件で、小沢は検察とやりあうことになる。

   ◇

 私がおかしいと思うのが、ある国会議員の、それも与党幹事長の秘書ら3人が逮捕されているという「異常事態」であるにもかかわらず、当の国会議員がのほほんと幹事長の席に居座り続けていることが信じられない。

 あまりにも、その行動がドス汚れている故に、その議員が逮捕されるのが当然と思われていたので、逮捕されてから、幹事長及び議員辞職が当然と思っていたら、

 かろうじて不起訴になったが故に、自分は無罪潔白だとでも思っていることがおかしい。

 秘書の一人に嫌疑がかかっただけでも、辞任相当で、それが逮捕、それが「×三人」なのである。

 いつの間にやら、小沢の辞任の線引きが、小沢自身の逮捕か否かになってしまっていること自体の「からくり」たるや、どないなっとるのか・・・!

 新聞ではさすがに、朝日といえども、その糾弾を行ない続けている。

 が、テレビやラジオでは「検察完敗」などとのたまっている。

 事件はこれからなんですけどね・・・。

                                         (2010/02/04)

[与党民主党考・32 「リシプロシティ(互恵性)」]

2010-02-03 04:44:12 | 保守の一考
☆早いトコ、小沢捕まらないかなぁ、と思っている私です^^

 鳩山の良いところ(もち、逆説ですよ)は、心底、短絡的な「仲良しの輪」を広げようとしていることです。

 だから、普天間基地移設問題では、社民党の反対に遭い、現実的な方針に踏み出せない。

 「在日」外国人参政権問題では、国民新党の目を最後まで窺わなくてはならない。

 それらが、あの、鳩山の挙動不審な定まらない視点、(並列すべきではないが)定まらない行動を生んでいる。

 鳩山を首相にすえている限りは、民主党はグダグダのままだ。

 それで良し! と思うのだが、それでは日本のためにはならない。

 しかし、民主党政権を生んでしまった有権者にも、少しは痛い目を見てもらわなくちゃな。

   ◇

 今朝の産経の記事。

  【今日の突破口】ジャーナリスト・東谷暁 異常な外国人参政権法案(2010.2.3 03:12)

 外国人参政権の危険性について語っていて、興味深いのだが、面白い言葉を知ったので、そこのところを抜き出したい。

 <・・・(外国人参政権について)
 ・・・外交のリシプロシティ(互恵性)からの議論である。リシプロシティとは、こちらが何かをしてあげたら、相手も何かをしてくれる。逆に、相手が何かをしてくれるなら、こちらも何かをしてあげるという関係で、外交によらず人間社会の付き合い方の原理といってよいだろう。
 いまの外国人参政権法案は、一方的に日本が外国人に対して地方参政権を与えるというもので、相手の国籍がどこでもかまわないという、まったくリシプロシティの原理を踏み外したものというべきだ。日本がある外国人に参政権を与えたとしても、その本国が日本人に対しても同等の権利を与えてくれるか、あるいは与えてくれる見込みがなければ、リシプロシティは成立しない。
 ましてや、相手国が日本と政治体制が大きく異なる場合などは、同じ「市民的権利」といっても内容が著しく違う。法案賛成派のなかには、世界ではすでに約40カ国が外国人に地方参政権を与えていることを根拠とするが、その多くがEU域内国相互のことであり、政治体制も近似していれば、市民の価値観も似ている。
 日本にいま多くの移住者を送り込んでいる近隣国は、はたして日本人に同等の参政権を与えてくれるのだろうか。また日本と政治体制が類似で、市民の価値観も似ているといえるのだろうか。・・・>

   ◇

 私は、鳩山の外交の全ては、この「リシプロシティ」の欠如にあると思うのだ。

 民主党の集票にしかならない外国人参政権はもとより、国会を通すこともなく鳩山が勝手に決めた「温暖化ガス90年比25%削減」案が分かりやすかろう。

 いや、日本人の美徳として、「無償の愛」がある。

 が、それは、恋愛相手や家族一族(その最大の公約数は「国」)・親友に対して行われ得るものでしかない。

 また、圧倒的な奇禍に遭われた方々(例えば、現在の地震禍のハイチ)への支援も、日本国民は誰も文句は言わないよ、なぜならば、それは日本人の美徳だからだ。

 だけど、真っ当な想像力を持った人間ならば、在日中国人や在日朝鮮人に選挙権を与えたら、災いしか起こらないことを知っている。

 勝手に自国だけで、温暖化ガス削減を決めたら、自国だけが税金支出のビハインドを蒙ることを、真っ当な人間は知っている。

 そんな「鴨ネギ」に、純粋な「ギブ・アンド・テイク」を実行する他国はない。

   ◇

 鳩山が、オスカー・ワイルドの「幸福の王子」を気取るのも良い。

 しかし、それに、国民を巻き込まないで欲しい。

 鳩山由紀夫に「リシプロシティ」がない、のは、「イマジネーション(想像力)」がないからだ。

 いや、本当は、「ただのバカ」とも思えるのだが、

 これまでの人生の中で、お母さんから6億円のおこづかいを貰ってきたりと、「無償の愛」に恵まれてきて、また、自分の家が裕福で、それが当然だったから、他人が、その裕福さ目当てに「有償の愛」を向けていたことに気づかない。

 更に、世の中の多くの人間が、鳩山家のような「裕福さ」を疎んでいると言う想像力もなく、

 国際外交において、鳩山のような人間が、「搾り取れるだけ搾り取れる対象=金づる」でしかないことにも想像が行き渡らない。

 国のリーダーは、「国民のためだけの守銭奴」と言う発想が、鳩山にはない。

 国民は非情でもある。

 小沢が、「岩手のための守銭奴」ならば許せるのである。

 だが、小沢は、「岩手をダシにした守銭奴」だったのである。

 だから、次第に、国民(=民主党政権を生んだ愚民)は小沢を許せなくなっているのだ。

                                          (2010/02/03)

[映画『ゴールデンスランバー』を観た]

2010-02-01 17:53:08 | 物語の感想
☆面白かった。

 この原作者は、主に仙台を舞台にして数々の作品をものしているとのことで、

 総理大臣の暗殺犯とされた主人公・青柳は、自分を陥れた奴らと戦うために、仙台市街を『ダイハード』風に縦横無尽に走る。

 もちろん、アクションもあるのだが、『ダイハード』的と言うことは、その面だけでなく、伏線の張り方や、個性的な登場人物との絡み、マスコミの使い方等の細やかさが、

 下手な特撮アクションし洋画に対抗しようとする、これまでの先行作品と異なり、邦画の小技を効かした強みを前面に押し出している感じだ。

 そこに、ビートルズの名曲『ゴールデンスランバー』を通し(私はビートルズ好きだが、この歌には馴染みがない)、主人公と、かつての仲間たちとの青春をノスタルジックの一歩手前のリアルで描写するのが、この原作者流か。

 青柳役の堺雅人は『クヒオ大佐』に続いて良いし、うーん、竹内結子は、やっぱ可愛い。

 その他にも、良い役者を面白い役でうまく配している。

   ◇

 『重力ピエロ』『フィッシュストーリー』を見ても思ったのだが、この原作者の作品には、独特の限界と、独特のブチ切れがある。

 今回も、主人公は、100%の勝利を得られない。

 作者には、運命へのある種の諦観がある。

 それは、先の作品における、レイプ妊娠の悲劇や、先輩に強引に女を取られるといった現実的な進行に代表できる。

 今作品も、主人公は、その後の人生にビハインドを負うことになる。

 しかし、同時に、これまで、悪人を殺して法に問われない主人公や、

 今作の、青柳に協力する「気の良い通り魔少年」と言う、通常のモラルに問われない展開を用意してもいる。

 どうにもならない運命には、正攻法では太刀打ちできない。

 そこら辺が、新しい「常識」を持った新世代の代表としての伊坂幸太郎の持ち味なのだろう。

 面白かった・・・^^

                                          (2010/02/01)