井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

カイラス山コルラ 1

2006-09-19 23:54:41 | カイラス巡礼・旅行記


カイラス山のコルラへ行く者、タルチョンで待機する者、
カトマンズまで戻ってしまう者、それぞれが別れを惜しんでいます。

カトマンズへ戻ってしまう中に、このグループ最年少の
インド人女性が3人います。
彼女たちのサリー姿はとても可愛かったです。

 12:10分、やっとドラプク・ゴンパへ向けて出発する。
広い河原を上流へ向かって歩く。
それほどの傾斜もなく快適なトレッキングが続く。



私達の前を歩くグレゴリー達です。
静かにカイラス山の山頂が見守ってくれています。
ここからは南面が見えています。


途中、後ろから来るヤクに抜かれたり、
馬に乗って登っていく人に抜かれたりしながら
ゲリーと二人して調子よく歩く。





ヤクの背中は大きな荷物が満載されています。
ヤクは自分で判断して道を選んで歩いていきます。
利口なものですね!

右手にはカイラス山の頂が時々顔を出す。
カイラス山の山頂の手前にいろいろな形をした岩峰があり、
まるで、山頂を守っているように見えます。

そうだ、山頂が大日如来だとするとこれらの峰峰を含んで
曼荼羅を描いているように見える。
そう思ってみると一つ一つの岩峰が仏像のように見えるから不思議です。

このあたりは西面だと思います。
この姿を楽しみながら歩いていくと、先行していたグレゴリーと
ヴィジュヌーを抜いてしまいます。




またまた、事件が・・・

2006-09-16 21:52:32 | カイラス巡礼・旅行記
 6月12日 いよいよカイラス山のコルラへ
 いよいよ今日からカイラス山周回の巡礼路を歩くことになる。
朝、目を覚ますと天気は上々だ。

今朝のカイラス山です。静かに見守ってくれています。


 またまた事件が勃発です。
さてさて、何時に出発することになるかと思いきや、
どうやら我がエコトレックのツァーグループはヤクもポーターも
まったく手配が出来なかったようだ。

 ゲリーが聞いてきた説明によると、
ヤクもポーターも手配できなかったので自分の必要な荷物は自分で
持って歩いてもらうことになる。
そして、その条件で歩くことが出来る者のみをサポートする
ことになったようだ。

 ゲリーに「MIKOはどうする?」と聞かれたので、
「もちろん行くよ!」と答える。
もちろんグレゴリーやヴィジュヌーも行くので、
私達4人は全員が行くことになった。

あとのメンバーがどうなるか聞いたところ、
インド人男性の2名、オーストラリア人のジョン、
フランス人のミッシェル他、総勢15名ほどだという。

今回のツァーのインド人以外の参加者です。
左から、ヴィジュヌー、グレゴリー、ジョー、ゲリー、ミッシェルです。


インド人の二人です。この人達はアメリカから来ているようです。


あとの人達は、このまま我々が帰ってくるまでタルチョンで
待っているグループとカトマンズへ帰るグループに分かれるらしい。

陽気なインド人のおばさま達です。しばらくのお別れです。


このご夫婦もアメリカから来ています。
カルフォルニアから来ているようですが、とても仲に良いご夫婦です。


 シェルパに猛然と抗議しているインド人の男性がいる。
ブリーフィングでもらった資料を手にして大きな声で何か言っている。
どうやら、最初の契約でカイラス山を周回する巡礼路を
きちんとサポートすることになっているのに、
なぜこのようなことになるのか?
自分たちをを巡礼路が歩けるようにサポートする義務があると
いうようなことをいっているようだ。

 しかし、ヤクもポーターも雇えない現状では、
エコトレックのサポート10人ほどで運べる荷物の量は
たかがしれている。
どう考えても、このグループ全員の荷物を持って山越えを
することは不可能だ。
 執拗な抗議にシェルパの方も声が大きくなってくる。
結局、インド人の方が折れたようだ。

 私は、貴重品を全部持って行くことにしてパッキングを済ませた。
寝袋はエコトレックのサポートが持ってくれるとのことだが、
グレゴリーやヴィジュヌーは自分たちで持って行くといっているので、
ゲリーと一緒に私達も自分で持って行くことにした。

 さて、周りにいる他のグループはドンドン出発していなくなってしまう。
私達はいつ出発するのか、ゲリーに聞いてみたけれど知らないという。
エコトレックのシェルパ達がテントを畳み出す。
ドンドン、テントサイトの撤収が進んでいく。


このヤクはどこのグループの荷物を運ぶのでしょうか?



タルボチェのテントサイト

2006-09-15 23:14:18 | カイラス巡礼・旅行記
 今晩の宿は、このタルボチェでテント泊をする。
サガ・ダワの会場から丘を一つ越えたところに広い河原がある。
ここが今夜のテントサイトとなる。

私達がこのテントサイトに行くと、すでに河原一杯にかなりの数の
テントが立てられている。
百張り以上はあるだろうか?



ここからはカイラス山がよく見える。
まるでうち懐に抱かれているような気がしてくる。

 インド人の一行はまだ来ていない。
シェルパ達がテントを張りだしたので手伝う。
ドーム形のテントを30張り近く立てなければならない。

テントは4本ポールのテントで、これを2人で使う。
テントのポールを力一杯曲げてテンションを掛けてテントの
端にある穴にセットしていく。
そして自立するようになったテントをペグで地面に固定していく。

これはとても力のいる仕事だ。
でも、この仕事を手伝っていても息が切れなくなっている。
高度順応が進んでいる証拠か?嬉しくなってくる。

 テントを立て終わってもインド人の一行は姿を現さない。
彼らはどこへ行っているのか?
私は、テントの横でジーッとカイラス山を見ていた。
雲の動きでカイラス山の表情が変わるのを一人で楽しんでいた。








カイラス山をよく見ていると三角形の真ん中に縦縞があり、
それが鼻筋のように見える。
そう考えてみると横縞が目に見えるような気がして、
カイラス山がスフィンクスの顔のように見えてくる。
これは私だけがそう見えるのかもしれない。

 カイラス山の姿を十分に堪能したので、
他のグループのテントサイトへ行ってみる。
全部で4~5グループはあるのだろうか?

 その中で、テントの横を歩いていると「日本から来た方ですか?」と
日本語で声を掛けられた。
後ろを振り返りながら見るとネパール人のガイドさんが
話しかけてきている。
私は思わず、「イェース、アイアム、ジャパニーズ!」と
英語で答えそうになって、あわててこの言葉を飲み込み、
「そうです、日本人ですが!」と答えた。

このネパール人のガイドは、リラさんという若い男性だった。
とても日本語が上手で、びっくりしました。
サガ・ダワの会場でも日本人がいないようだということが
分かっていたので、まさか、ここで日本語で話しかけられるとは
思いませんでした。

リラさんの日本語はとても丁寧で発音もイントネーションも
完璧なものです。
「日本語が、とても上手ですね!」というと
とても嬉しそうにしています。
でも、日本には来たことがないそうです。

日本人をガイドしているうちに覚えたと話していますので、
とても勉強家なのだと思います。
 リラさんからは、明日のカイラス巡礼をするためのヤクやポーターが
足りないので困っているという話を聞きました。
エコトレックのグループは大丈夫か聞かれましたが、
私には分かりません。

でも、考えてみると、これだけ沢山のグループが一緒になって
しまうと、ヤクやポーターの数が十分にそろわないことはあり得ます。
なぜかというと、この付近のヤクの数にはもともと普段必要な数
だけしかいないと思うし、ポーターだって同じことです。

最大必要数をいつも用意することは不可能です。
そして、仮にヤクなどを集めるにしても、この付近で調達できる数には
限りがあるのも想像がつきます。
さあ、明日はどうなるのでしょうか?

 リラさんには、ヒマラヤトレッキングなどでまたネパールへ来ること
があればお世話になりたいと話して別れました。


エコトレックのポーター君達です。
結構、陽気で気持ちのいい子です。


サガ・ダワ 3

2006-09-14 21:01:49 | カイラス巡礼・旅行記
 おみやげ屋さんも一通り見たので柱の周りを1周してみる。

 ズラーッと一列に並んで商売をするお土産やさんです。

間近に柱を見ると本当にタルチョンが幾重にもまかれ
一抱えほどの太さになり、さらにその柱を立てるための
ロープにもタルチョンが幾重に巻き付けられている。


柱の周りは人垣で輪になっている。
その輪をぐるりと1周する間に、私は日本人人の姿を捜していた。
カトマンズを出てから、これまで1人も日本人を
見かけることがなかった。

これだけの人がいるのだから一人くらい私以外の日本人が
いると思った。
サガ・ダワは年一回のお祭りだし、ラサから入る人達の中に
日本人がいるかもしれないと思いその姿を捜したが、
日本人と思った人は中国人だったりして、とうとう日本人の姿を
見つけることは出来なかった。

この時にヨーロッパ系の白人、ドイツ人らしい人の姿が目についた。
でも、チベットへ入ってから数日経つがどこでもこの人達の姿を
目にすることはなかった。
私達とはルートが違っているのだろうか?

 13:00分、何の前触れもなく柱が少しずつ立ち上がってくる。
場内から歓声が沸き上がる。
2度、3度と止まりながら柱が直立する位置へと動いていく。




柱が立ったなと思ったとき、周りにいた人達が立ち上がり
柱の周りを右回りに歩き出した輪に加わる。
私達も、坂を下りてタルチョンに彩られた柱の周りを1周する。






1周したところで辺りを見ると、白い粉をかけ合っている人達がいる。
どうやらツンパ(小麦粉)をかけ合っているようだ。
逃げる人、粉を持って追いかける人、お経の小さな札を空に巻く人、
柱の周りはこれらの人で騒然としている。
私は、粉を掛けられないように風上へ逃げる。


つむじ風が吹いてツンパとお札を舞い上げる。
カイラス山をバックにまるで天へ召し上げるようにお札が舞い上がる。



このツンパをかけ合うのはお互いの健康と豊作を祈る儀式のようだ。

ツンパかけも一段落したところで記念写真を撮っている一団がいる。
記念なので、この人達の写真を一緒に撮らせてもらう。


一通りタルボチェの回りを歩く人が途絶えたところで
チベット仏教の僧侶が楽団を従えてタルボチェの回りを
右回りに1周する。



柱の下でインド舞踊が行われる。
どこかの宗教団体が主催しているようだ。
司会者の解説に従い数人の女性がサリー姿で踊っている。
大勢の人がこの踊りを見ているが、
どうもこの場にふさわしくないと感じる。

どこかの新興宗教がこの場所を利用して自分たちの宗教の
PRを行っているようないかがわしさを感じる。
考え過ぎなのだろうか?


今まで使われていたタルチョンが巻かれたロープだろうか?
一抱えほどある太さだ。
地面にはお札が散乱している。
祭りの後の光景は、どこも同じようにいろいろなものが散乱している。



サガ・ダワ 2

2006-09-13 19:34:21 | カイラス巡礼・旅行記
 219国道に戻りカイラス山を目指して走っていると
自転車が走っているのが見えます。
近づくと後ろには2輪の小さなトレラーを引っ張っています。
自転車で国境を目指しているのでしょうか?
ヘルメットを被りマウンテンバイクのような太いタイヤのバイクです。
この高度で自転車を漕ぐのは大変なことだと思います。

トレラーには荷物がたくさん積まれています。
替えのタイヤが2本、縛り付けられています。
追い抜きざまに顔を見ようとしたのですが下を向いて
一生懸命にペダルをこいでいたので顔は確認できませんでした。
しかし、男性であることは確認できました。

 このサイクリストを追い抜いてからすぐ先に国道を遮るように
流れ込んでいる川があります。
橋が架かっていないところを見ると季節的に
増水しているだけなのでしょうか?

ランクルがこの水の中にはいるとタイヤが隠れてしまうほどの
水深ですので50センチはあるでしょうか?
川幅は7~8メートルはあります。
この川を自転車で渡ることは無理だと思います。
すぐ後ろを走ってきているサイクリストはこの川を
どうやって渡るのでしょうか?
トラックか何かに自転車を積んで渡るしかないと思いますが、
そういうヒッチが可能なのでしょうか?

 この川を渡ると右手前方に「神山」と書かれた道路標識が見えてきます。
右を指す矢印にしたがって曲がると遙か向こうの山裾に集落が見えます。
これがダルチェンの町です。

ダルチェンはカイラス山巡礼の起点となっている町です。
チベタンの人達はこの町にテントを張り何回も巡礼路を
周回すると聞いています。

私達のランクルは、ダルチェンへは寄らずに左へ曲がり
山裾を進みます。
しばらく走ると谷があり、この谷に沿って右に曲がります。

少し小高い丘の上で車が止まると谷の奥にカイラス山が
今までで一番大きく見えます。
そしてその下の方から白い煙が上がっています。
白い煙りが上がるところをよく見ると、サガ・ダワの会場のようです。


よく見ると豆粒のような大きさですが人がたくさん集まっているようです。
車が会場に近づくにしたがって、その人の数の多さに驚かされます。
足りチョンに彩られた大きな柱が30度ほどに傾いているのが見えます。

左右に張られた縄もタルチョンで巻かれています。
近づくほどに音楽が大きく聞こえてきますます。

13:00分、ここがサガ・ダワの会場となっているタルボチェです。
車を降りて会場へ行くと一段と音楽が大きく聞こえてくる。
正面にトラックが見えており、その横から白煙がモウモウと立ち上がっている。
タルチョンが幾重にも巻き付けられた一抱えほどもあろうかという柱が
30度ほどに立てられ、その端がこのトラックに結ばれている。
どうやらこのトラックでロープを引いて柱を立てるようだ。




左手にある斜面には沢山の人が見物している。
その中央に日除けをさしている人がおり、よく見ると黄色や赤の僧衣を
まとった僧侶だった。どうやら偉いお坊さんのようだ。
その両脇には数人の僧侶が立って、お参りやお供物を上げる人に
何か言葉を掛けている。
その両側に音楽隊がおり太鼓や笛などで音楽を奏でているが、
あまり聞いたことのない音色がこの谷中に響き渡る。







 この僧侶達がいるすぐ下にはずらりとおみやげ屋さんが店を出している。
赤い布を敷いた上に商品を並べでいるので見に行くと、
数珠や仏具、民芸品などが並んでいる。
私がほしいマニ車もあるが何か高そうだ。


ヴィジュヌーが緑色の石が入った首飾りを手に取ってみていると
山高帽を被ったおじさんが買わないかと攻めてくる。
500元といっている。

ヴィジュヌーはほしそうな様子で私の顔を見るので、
おじさんに横から「ディスカウント!」と声を掛けると
200元といきなり値段を落としてくる。

私は100元なら買うとさらに横から口を挟むが、
それでは売らないと手を横に振る。
ヴィジュヌーに「買うのをやめたら!」といって
おじさんの店から離れようとすると、
おじさんは「100元でも良い」と言ってくる。
そこで、ヴィジュヌーが100元を手渡し、無事に商談が成立する。

最初の値段の五分の一になるとは!
それなら本当の価値はいくらなのかと思ってしまった。



サガ・ダワ 1

2006-09-12 21:31:22 | カイラス巡礼・旅行記
6月11日
今日はいよいよカイラス山の麓へ行く日です。
とうとうここまで来ました。

 マナサロワール湖の対岸から朝日が昇ってくる。
その写真を撮りたくて日の出を待っているが、雲に隠れて
なかなか顔を出してくれない。
雲の縁がオレンジ色に輝き、やっと、顔を出してくれる。
朝の光がマナサロワール湖を銀色の海に変える。
まぶしくて直視できない。
  

 インド人の女性がその朝日に向かってお祈りを始める。
小さな祭壇になにやらいろいろなものをあげて、
祭礼の手引きみたいな本を見ながらお祈りをあげている。
横でこの様子をじーっと見ていたヴィジュヌーに手の仕草で
カメラで写すように言っている。
ヴジュヌーがお祈りをしている女性の姿を写真に撮りだしたので、
私も写真を撮らせてもらう。
  

  

  

そして、朝日の光で黄金に輝くツーゴンパの写真も一緒に撮る。
ラカスタル湖から強い風が吹き寒いのだけれどお参りの様子を
ヴィジュヌーと一緒に見ている。なかなか複雑なお参りでした。
  

  
寺院の白壁が黄金色に輝く! 言葉がでない!


 今日の予定は、どうやらインド人のグループと私達は別行動のようです。
私達は、一足先にカイラス山の麓で行われるサガ・ダワに行くようです。
インド人の人達の行き先は分かりません。

サガ・ダワに行けると聞いたときには、ヤッターと思いました。
今回のこのツァーに参加しようと思ったときに、年に1回しか開かれない
サガ・ダワを是非みたいと思いました。
ですから、6月初めの満月にカイラス山の麓に来る日程に照準を
合わせてツァーに申し込んだのです。しかし、
本当にサガ・ダワを見ることが出来るか分からなかったのですが、
どうやら、今日その祭りが行われるようです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 サガダワ祭り
 毎年チベット歴の4月の満月の日、釈迦牟尼の生誕と悟りと入寂を
祝う祭りがチベット全土で行われる。
その祭りをサガ・ダワと言う。
 カイラスで、サガ・ダワが行われるのが、タルボチェです。
タルボチェとは、もともと、高さ十三メートルの太い柱をいいます。
柱にはヤクの毛皮が巻かれ、タルチョがかけられている。
 祭りの前日にタルボチェを引き倒し、新しいタルチョに付け替えて、
半分ほど引き起こして当日を迎えます。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 11:00分、朝食後、私達はウェイさんの運転するランクルで
サガ・ダワの会場となるタルボチェを目指して走ります。

 途中で、カイラス山が間近に見える丘で車が止まります。
ウェイさんが気を利かせてカイラス山のベストビューの場所で
止まってくれたようです。
車を降りてカイラス山の写真を撮ります。
  

クッキリとした青空の中に白銀のカイラス山が静かに
その姿を私達に見せてくれています。
夢中になって写真を写します。

嬉しい気持ちの現れで写真のサイズを大きくしてみました!



チュー・ゴンパ

2006-09-11 22:11:44 | カイラス巡礼・旅行記
ゲリーと二人でチュー・ゴンパへ登る。
久しぶりに歩くのでゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせて歩く。
10分もかからずにチュー・ゴンパに着いてしまう。
身体の方は息切れもせずに登れたので調子はいいようだ。
チュー・ゴンパからマナサロワール湖とカイラス山が見える。

山陰のすぐ上にある建物が今晩の宿です。
その向こうにも大きな宿の建物が見えています。
宿の左下に見えている赤い点がヴィジュヌーで黒い点がグレゴリーです。
二人でチュー・ゴンパへ登ってくるところです。


チュー・ゴンパにはいくつかの建物があります。
マナサロワール湖から左の方を見ると、
その建物の向こうにカイラス山が見えています。
ウーン、思わず見入ってしまいました。


向こうの山の左手を見るとタルチョンがはためいています。
この丘全体にマニ車や塔などいろいろなものがあるので
興味深く見て歩きます。


マニ車とカイラス山、この光景が一番チベットらしいと感じています。


石にチベット文字でお経を刻んだものをマニ石といいます。
ここにはマニ石がたくさん並べられています。
こんなにたくさんのマニ石を見たのは初めてです。


チュー・ゴンパをいろいろ見て歩きましたが、
この丘は風がビュウビュウと吹き抜けています。
寒くなったので宿へ戻るために坂道を下っていると
下の方から僧侶らしいチベタンの老人が登ってきます。
「テシデレ」と軽く右手を挙げて挨拶をすると
「テシデレ」と挨拶を返してくれます。
夕日を受けて顔が黒く光っています。
とても良いお顔だと思いました。

チベットでは「テシデレ」というのが挨拶だと聞いていましたので
よくこの挨拶をしました。
一言交わすだけで、お互いの気持ちが和むのはどこの国でも同じですね。



マナサロワール湖 3

2006-09-09 23:29:31 | カイラス巡礼・旅行記

 私は、カイラスに向かって手を合わせ般若心経を唱える。
私と妻の両親をはじめ身近でなくなった人達の冥福を祈る。
それと、妻の姉の病気が良くなるように祈る。

湖岸にある小石をお守りにするために拾う。
白い色の小石が多い。波に洗われて表面がツルツルしている。
あとは湖岸に座り、ただただ遠くに見えるカイラスの真っ白な頂と
マナサロワール湖の濃い藍色の水を眺めていた。

自然に涙がポロポロと落ちてきた。
嬉しいとか、悲しいとかそういった感情が心に湧いていないのに
なぜか、ポロポロと涙が出てくる。
このマナサロワール湖の湖面の色とカイラス山の純白が
心の奥に揺さぶりをかけているのだろうか?

 昼食を挟んでこのマナサロワール湖岸には3時間は居ただろうか。
私達が湖を離れる少し前にインド人と思われるご夫婦がやってきて、
湖岸でカイラス山に向かってお祈りを始めた。
年齢は私と同じくらいと思われる。
二人はロウソクに火をつけ、いろいろな祭具を出して
熱心にお祈りを始めた。

その姿を写真に納めようとしてお参りのじゃまにならないように
少し離れたところから数枚写していると、
男の人が私に自分のカメラを持って手招きする。
どうやらお参りをしている自分たちを写してほしいと言っているようだ。
カイラス山がバックに来るようにアングルを決めて2~3枚シャッターを切る。
カメラを返すと短くお礼を言われた。


 ランクルに乗って沐浴した場所からさらに右回りで湖の周りを走る。
しばらく走ると湖岸にお寺が見えてくる。
土造りのお寺なので最初は気がつかなかった。
トゥルゴ・ゴンパだ。このお寺の正面にカイラス山が見える。
車から写真を数枚撮っただけでさらに走る。




道は小高い丘を越えて、隣にあるラカスタル湖の湖岸を走る。
幾筋もの踏み跡をどう選ぶのか分からないがウェイさんは右に左に
コースを変えながら走っていく。

 ラカスタル湖に注ぐ小さな川があり、
そこから右折すると数軒の建物がある。
その大きさからすると宿のようだ。

そしてこの川は、マナサロワール湖から流れ込んでいる。
見たところマナサロワール湖とラカスタル湖の湖面の高さは
それほど違わないように見える。
ということは、この二つの湖は昔は繋がっていて
一つだったのかもしれない。

左側の小高い丘の山頂部に白い建物が建っている。
右手にある小さな建物から四方に張られたタルチョンが風にたなびいている。
これはチューゴンパに違いない。


今日の宿は、このチューゴンパの下にありマナサロワール湖が
見える小高い丘の上にある。

マナサロワール湖が見える方に小さな窓があるだけの狭い部屋に
ベットが4台置いてあります。
土埃のニオイがする部屋の中に自分のダッフルバックを入れて
ベットの横に置きます。

この頃になると、部屋の中での4人の場所が決まってきます。
入り口のすぐそばにはグレゴリーと私、
奥の方にゲリーとヴィジュヌー、
いつの間にかそんな位置関係が決まっています。


マナサロワール湖 2

2006-09-08 20:57:44 | カイラス巡礼・旅行記
 少し走ると検問所がある。
ウェイさんが車を降りて検問所へ行く。
私達は車の周辺で外の空気を吸っている。

 14:00分、ちょっと小高い平原の真ん中にタルチョンが
はためいている場所がある。
タルチョンの周りには小さな石積みが無数にあり、まるで恐山のようだ。
このタルチョンを右回りに1周して車が止まる。
ここは、チャンガセというところだ。

 前方の遙か彼方にカイラス山が見えている。
真っ白い三角錐が手前の山並みからヒョイと顔を出している。
カイラス山をこの目で見るのは初めてだが、距離があるので
あまり感動は覚えなかった。



インドから来た僧侶の姿をした若者がカイラス山へ向かって走る。
家族だろうか?呼び戻す声が草原に響くが、しばらく走っていく。
そして、後を振り返りながらゆっくりと歩いて戻ってくる。
カイラス山を初めて見て興奮したのだろうか?


左手に真っ青な色をした湖が見える。マナサロワール湖だ。
 ここから、マナサロワール湖に向かった走る。
湖岸に着くと小さな橋がありロープが張られテントの検問所がある。
ここではランクルのナンバーをチェックしているようだ。

 係官が私達のランクルのナンバーと手元に持っている書類を
何度も見比べている。
そして、運転手のウェイさんに何か話しかけている。
どうやら私達の車は許可リストに載っていないと言っているようだ。

ウェイさんがさんが「そんなことはない。リストが間違っている
のではないか。」と珍しく強い口調で話している。
何度かウェイさんと係官のやりとりがあったが、ウェイさんの剣幕に
押されたのか係官がロープを下げて我々の車を通す。

 小さな橋を渡るとすぐにマナサロワール湖の湖岸沿いを走る道となる。
この道をしばらく走ったところで車が止まる。

マナサロワール湖のコイターコイスブルーの水をたたえた湖面の上に
カイラス山が純白の姿を見せている。
この景色を夢見て、この地に立ちたいと思ったのが今回のツァーに
参加した最大の理由です。
ウーン、声もなくただただこの光景を見ていました。


インド人の人達が我先に車を降りて荷物を持って波打ち際へと走る。
我先に湖水へ入る者、着替えをする者、皆先を争って
マナサロワール湖へ入っていく。
そうして身体全体を湖水に沈め、上半身を出しては
両手で汲んだ水を頭からかぶる。
そしてカイラス山に向かって祈りを捧げる。
これを何回も何回も繰り返している。


グレゴリーとビジュヌーも着替えを持って湖水へ向かう。

 深いターコイスブルーの水を湛えた湖面の正面に
カイラスが顔を出している。
カイラス独特の横縞を見せながら、雲の動きによってその表情が変わる。
その山に向かって斎戒沐浴するインド人達。

左手には真っ白な輝きを見せている山々が連なっている。
その中で一番高い山の名前を聞くと「サムシングマンダラ」と
教えてくれるが、本当に山の名前だろうか?ちょっと、怪しい感じがする。
(地図によればこの山はグルラマンダラというようなので、ま
んざらデタラメでもないのかな?)

湖水をよく見ると小さな魚が泳いでいる。
よく見ると何匹も泳いでいる。
水を手に掬って舐めてみるとマナサロアール湖の水は淡水だった。


いよいよマナサロワール湖へ 1

2006-09-07 19:00:06 | カイラス巡礼・旅行記
☆☆ トイレ事情 ☆☆
 サガのトイレもそうでしたがパリャンの宿のトイレも屋外にあります。
屋根はなくて腰ほどの高さの壁しか無く床にはただ長方形の穴が
開いているだけです。
ここに和式スタイルで座ってします。

これがパリャンのトイレです。
左側にWOMENと書いてあります。右側が男性用です。
でも、両方とも同じ構造です。

日本でも昔あったボットントイレを想像してください。
あのトイレに便器が無くて壁が腰ぐらいの高さで屋根がない状態です。
屋外で屋根がないのは雨がほとんど降らない地方だから
それでも支障がないということでしょう。
 日本でも山に登ると「キジを撃つ」などといって、
屋外の適当な場所をトイレ代わりにしていますので、
それを思えば同じようなものです。

でも、今の日本におけるトイレを考えると、このトイレを使うにはち
ょっと勇気がいりますね。


☆☆ いよいよマナサロワール湖へ ☆☆

 6月10日
朝方は気温が下がるので車のエンジンが掛かりづらくなっている。
1台の車はキャブにガソリンが回っていないのかセルは回るが
エンジンが動かない。
おもむろに運転手がダッシュボードを開けて燃料パイプを外し、
そこからガソリンを口で吸い出してコップに移しています。
そのガソリンをエアーフィルターのねじを少しゆるめて
セルを回すタイミングに合わせて少しずつ流し込みます。
そうするとエンジンが掛かりました。
う~ん!かなりの荒技ですがとりあえずエンジンを掛けて
走れるようにしなければお客を運べません。
こんな修理方法も自然と身につけてしまうのです。


今朝は朝食も取らずに7:40分、あわただしく出発する。
チャーを1杯飲んだだけだ。

 サガから走っている道路沿いの5キロごとに「219国道」という
石造りの標識がある。
この道路では、ウェイさんは60キロオーバーで走ることが出来る。
快適なダートコースを疾走する。

 10:20分、家が1軒あるところで朝食となる。
この家は旅館になっているようです。
その向かい側にテントが張られており中を覗くとお店になっている。
飲み物などの他にカップ麺などもおいてある。


チーズサンドにジュースで軽く朝食を取る。

 この時、インド人のおばさん達がグレゴリーを囲んで
「ハッピ、バスデー」を歌い出す。
グレゴリーは今日は50歳の誕生日なのだ。

おばさん達の前でグレゴリーが照れながら帽子を取って挨拶している。
ちょっとほほえましい光景だった。