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井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

パリャン

2006-09-06 21:45:30 | カイラス巡礼・旅行記
16:20分、パリャンに着く。
 パリャンは日干し煉瓦造りの小さな家が並んでいる。
徳吉旅館と書かれた門を入る。ここが今日の宿だ。


ここで珍しいものを見ました。
それは、ソーラー湯沸かし器です。
太陽の光を反射板で集めやかんに集中させてお湯を沸かすというものです。


 身体を慣らすために街を少し歩く。
子供達がたくさん遊んでいる。
その中に針金の輪を車輪のように回して遊んでいる男の子供がいる。
この遊びを見て私が子供の時にやった遊びと同じだと思った。
針金の輪を地面に垂直にして、手に持った別の針金を使って
この垂直に立てた輪の針金を押して回すという遊びだ。
私は桶のたがに使っていた針金の輪を使って遊んでいたことを思い出した。

昔は、今と違ってゲームもなかったし本も自由に買ってくれなかったので、
どこの家の子も道路へ出てかくれんぼや鬼ごっこなどをして遊んだものです。
屈託無く遊んでいるこの子達を見ていると、私の昔のように
何もおもちゃが無くても逞しく遊んでいます。
この高地でも、屈託のない笑い声を残しながら通りを走り抜けていきます。

街の中心と思われる場所に小さなお寺がある。
お寺の周りにマニ車がつけられておりそれを数人の老婆が
歩きながら回している。


お寺の中には高さが2メートルほどの大きなマニ車がある。
そのマニ車の陰から女の子が出てくる。
さらに戸の陰に隠れている小さなかわいい女の子がいる。
外からこの小さな女の子の写真が撮りたくて待っていると
やっと顔を出したので1枚写真を撮る。


パリャンの小さな街をゆっくり歩いていると少しずつ
身体の調子が良くなってくる。
どうやら高山病の症状は治まってきたようだ。


草原での昼食

2006-09-05 19:13:28 | カイラス巡礼・旅行記
緩やかな丘を縫うように走ってくると緑の草原が広がっている。


 13:20分、昼食のため車が止まる。 
この場所は小さな川が流れているので辺り一面が緑色になっている。
その草を数頭のヤクが草を食べている。

日差しが強いが風も強いので太陽が顔を出しているときは暑く、
雲に隠れると肌寒くなる。

 昼食は、塩味付きのライスにマンゴジュース、
デザートにはフルーツ缶詰だった。
昼食に集まった人を見ていると食欲のない人がかなりいるようだ。
昨夜は高山病の発作で苦しんだ人が随分いたので、
まだ直りきっていない人が多いのだろう。

草原で昼食は気持ちが良いものです。
狭く土埃で息苦しい車内から解放されて青空の下での昼食は
開放感があります。大きく深呼吸をするとホットしますね。

私は、今朝もダイアモックスを飲んでいるせいか、体調は戻りつつある。
ただ、少し動くとまだまだ動悸が激しい。
心拍数をはかると80~90はある。

ゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせて歩いていても動悸が
激しくなるなど、目の前に見えるのどかな風景とは違って、
私達のような低地での生活者にとっては過酷な世界なのです。

この草原にはのどかに草を食べるヤクがおり、
さらに遠くには白銀の山々が白く輝いている。
憧れの世界が絵画のように広がっています。

 昼食後、しばらく走っていくと遠くに湖が見えてくる。
その湖の付近には細かい砂山が幾つも重なっている。
鳥取砂丘などを連想させるさらさらの砂山がありその向こうに
群青色に輝く湖が見えている。
さらに、その奥にはヒマラヤの峰峰が白く輝いている。
帰りには写真を撮ろうと思い、今はただその景色を堪能している。

ランクルが国道からはずれて左手にある集落目指して走る。
どうやら今日の宿があるパリャンに着いたようだ。


サガを出発

2006-09-04 19:20:33 | カイラス巡礼・旅行記
6月9日
 朝、目をさますと動悸がかなり治まっている。
ベットの上に座わってみると少し頭がふらつくが、
しばらくすると治まってくる。
体の調子を確かめるために散歩に出かける。

朝食前にサガの街を少し歩く。
ヤルンツァンポ河に向かって歩いていくと小学校らしい建物がある。
まだ登校時間には早いので誰もいない。

ゆっくりゆっくりと自分に言い聞かせながら歩くが、
だんだん脈が速くなってくる。
心拍数をはかると80~90はあるようだ。

ヤルンツァンポ河まで300~400メートルの両側には
土造りの家が並んでいる。
その中には商店と思われる建物もあるが、
まだ早い時間なので開いていない。

 この街は道路が舗装されている。
しかし、舗装されているのも市街だけで、河のそばで右折する
先からはダートな道となる。 

 宿へ戻ると朝食だ。コンフレークを少しもらって
チャーを入れてゆっくり咬む。
お腹に何かを入れると少し元気になってくる。
まだ調子が戻っていないのでダイァモックス250mgを飲んでおく。

出発は9:00分だという。
それまで荷物をまとめて、ベットで少し横になる。
 
 サガの街を出発する。
私達が泊まっていた宿は、サガの街の入り口に近いところにあったが、
そこから少し走ると道が右に曲がり中心街となっている。
カーブの左手には大きな門があり解放軍の施設がある。

このカーブを曲がると中心街のようだ。
ほんの数百メートルほどの中心街ですがビルが軒を並べており
大きな商店、レストランやホテルがある。
ニャラムよりは数倍大きな街だ。

ホテルの前にはランクルが駐まっており私達と同じカイラス巡礼者が
出発の準備なのか沢山いて道をふさいでいる。
突き当たりがT字型の交差点となっており左折すると
その先には私達が泊まっていた付近のような土造りの家が軒を並べ、
さらにその先で舗装が切れている。
ここからは、ダートコースだ。

 今日は緩やかな大平原を疾走する。
道の横に石造りの標識がある。
そこに「219国道」と書かれており、この道路は国境へ続いているようだ。
この道路で平均時速も60Kは出ている。

 12:50分、小さな集落に着く。
道の両側に小さな家があるが、その中にビリヤード台を置いている店がある。

テントの日よけの下で数人のチベット人がビリヤードをしている。

ランクルがこの街で止まる。
そうすると、チベタンの女性が子供を連れてでてくる。





よちよち歩きの子供は何歳だろうか?
1歳半か2歳くらいだと思った。
お母さんの回りにくっついて離れないのは、日本の子供と同じだ。
こういう点は、日本もチベットも同じだと思い、
この子の仕草を見て癒されました。


ちょっと休憩した後、街を抜けると街はずれの小高い丘に小さな僧院が
あることから、この集落がゾンバだということが分かった。

 

サガ

2006-09-02 21:15:09 | カイラス巡礼・旅行記



途中で出会った遊牧民の家族です。
こんな何もないように見えるところですがチベットの人が
確かに生活しているのです。


 ローリングを続ける車の中でぐったりしていると
目の前に茶色に濁った水の流れが目に入ってきます。
川幅は20~30メートルはあるでしょうか。
どうやらヤルンツァンポ河のようです。

対岸に街が見えてきます。
結構大きな街のようです。
川に沿ってしばらく上流へ向かって走ります。
前方に橋が見えてきます。
ヤルンツァンポ河はフェリーで渡ると思っていたのですが
今は、橋が出来たようです。
まだ新しい橋を渡り川に沿って少し下ると
サガの街(標高4,450M)です。 

橋の袂に黄色い色をした渡し船が2隻、川岸へ上げられています。
以前はこの船で川を渡っていたのでしょう。
それが今では橋が出来たのであっという間に川を渡ることが出来ます。

 17:30分、サガの街の入り口近くにある宿に入ります。

思いの外、立派な宿でした。
写真には写っていないのですが左手の方には直径2メートルほどの
衛星用のアンテナが空に向けられていました。


車から降りると動悸が激しくて手荷物を持つのがやっとの状態です。
部屋の場所を教えてもらうとベット脇に荷物をおくと
すぐに潜り込んで少し寝ます。

心配そうに声を掛けてくれるゲリーに「具合が悪いので、
ちょっと寝るから」と伝える。
心拍数をはかると90ぐらいある。
私の安静時の心拍数は60ぐらいなので、相当高くなっている。
軽い吐き気もあるので、これは高山病の症状に違いない。
ダイアモックスを250mg飲んでひたすら寝ます。

夕食を持ってきてくれた22:30分頃にようやく起きあがることが出来ました。
夕食の内、バナナとミルクティーだけもらってゆっくりと食べます。
ベットから起きあがって外に出ると救急車が来ている。
今日は私だけでなく、かなりの人に高山病の症状が出たようです。
救急車で運ばれた人が2~3人はいるようだ。

ニャラムに比べると一気に標高が上がった性だと思います。
5千メートルを超える標高の峠も越えてきましたので
この影響が一気にでているのでしょう。

夕食を食べ終わると少し元気が出てきました。
上空を見ると星空です。
その星を見ていると1個がスーッと動いていきます。
エッ!と思ってよく見ると、明らかに1個だけが動いています。
ゲリーにいうと星空を見上げて「動いている」といいます。
どうやら人工衛星なのでしょう。
こんなところで見るとは思いませんでした。

夕食を少し食べることが出来たので、お腹のむかつきは治まったようです。
ダイアモックスを飲んで、さらに水を多めに飲んで寝ることにします。
明日は直っていると良いのですが!?


高山病

2006-09-01 20:25:08 | カイラス巡礼・旅行記
 大きな湖の西側を登っていく。 
この湖はペグ・ッオ湖だろう。
空の藍色を写し取ったかのような深い藍色をしている湖だ。
周りの茶色と鮮やかなコントラストを描いている。
湖岸が白くなっているところを見ると塩水の湖なのか?

昼食は湖の上流部で食べた。
南面には真っ白に輝くヒマラヤの山を見ながらなので
最高のロケーションだ。

草原でに昼食風景です。
左側からお皿を持って次々にカレーを盛りつけてもらいます。


 ここからの道がすごかった。
数キロはあろうかという広い河原のような所を走るのだけれど、
小さな流れの後のような凹凸が次から次に現れてくる。
その流れを横断するように乗り越していくのだけれど
まるでロデオをやっているように車が前後左右に大きく揺れる。

私は後部座席の真ん中に乗っているので左右に振られるたびに
バランスを取りながら両側に迷惑がかからないように座っている。

時々、ものすごく細かな砂が溜まっているところに車が突っ込む。
すると土煙が舞い上がる。
土煙で一瞬前が見えなくなる。
この土煙が車の中にはいると息が出来なくなる。
それを防ぐために窓を開けることが出来ない。
窓を閉め切ると折からの日差しで室内の温度はドンドン上がる。

こうして締め切った車の中で揺られているうちに胸がムカムカしてくる。
車酔いはしない質なので、どうやら高山病の症状が現れたのか?

 小さな集落に車が止まる。
みんなは、先を争うように車を降りて新鮮な空気を吸ってホッとしている。
私は胸のムカムカが直らないので車から降りられずに
背もたれにもたれかかって少し寝る。
これで、いくらか気分が楽になる。
 
今日は昨日より高度が上がっているので、
どうやら、高山病の症状がでてきたようだ。

今日の宿があるサガまではまだしばらくランクルに乗らないと着かない。
ここは我慢するしかない。