◉ 牽牛花( けんぎゅうか )・西洋朝顔( せいようあさがお )
朝顔に我は飯くふ男かな ・・・・・ 芭蕉
朝がほや一輪深き淵のいろ・・・・・ 蕪村
朝顔や濁り初めたる市の色 ・・・・・ 杉田久女
毎朝咲き変わりながら、
晩夏から秋にかけて長く咲き継ぎます。
明け方に開き午前中にしぼむ
短い命のはかなさが、
清涼な花として日本人に好まれたと思われます。
万葉集に詠まれている朝顔は
アサガオでなくキキョウと言う説があります。
旧暦の七夕の頃に最も美しく咲くので
牽牛花の別名もあります。
*朝顔市は7月6~8日に
東京入谷の鬼子母神境内で開かれるので、
夏の季語です。
[ ヒルガオ科ファルビティス属の園芸種の蔓性一年草、熱帯アジア・ネパール高原原産 ]
あさがほや高めに結ぶおさげ髪 ・・・・・ みなみ
アサガオ (朝顔)
奈良時代の末に、
薬用として中国から渡来したと言われています。
蔓性の非耐寒性です。
草丈は、蔓の長さで3m以上。
茎は左巻きで、他の物にからみついて伸び、
細毛があります。
葉や柄にも細毛がありざらつきます。
葉は、長い柄を持ち、広卵形・心臓形などで通常深く3裂し、互生します。
花期は、7~10月。
葉腋に花柄を出し、
漏斗状の花を1~3個付けます。
径10~15㎝、大きいものは径23㎝にもなり、
花色は白・赤・紫・青など多様で、絞りや覆輪などもあります。
雄しべは5本、雌しべは1本です。
がくは深く5裂し、裂片は細長く尖ります。
果実は、さく果で球形、3室あり各室に種子が2個ずつ入っています。
乾燥させた種子を
生薬の牽牛子(けんごし)として利尿・下剤に用います。
開花時刻は早く朝4時ごろに咲き始め、
自家受粉をして日中には萎んでしまいます。
江戸時代に入ると観賞用に栽培され始め、
朝顔ブームが起こり
多数の園芸品種が作られました。
園芸的には大輪アサガオ・変化アサガオを特別に分け、
変化アサガオには
葉型の変化したもの (丸葉・トンボ葉・くわ形葉・糸柳葉など)や斑入葉など、
花型の変化した変わり咲きのもの(いかり咲き・獅子咲き・キキョウ咲き・采咲き・
台咲きなど)などがあり、
現在は一部の愛好家によって園芸品種が保たれています。
一方鉢に植えてあんどん仕立てにしたり、
支柱を立てて日よけを作ったり、垣根に絡ませたりして、
最も普通に栽培されています。
また理科の教材にも使われます。
名は、朝咲く花の意とも朝の容花(かおばな)の意とも
言われています。