minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

[スケッチ・オブ・ミャーク]こぼれ話

2012年09月28日 | 映画、本、芝居関係
「久しぶりにぺーぱーむーんに飲みに行こうと思います。お時間があれば紗知さんもいらっしゃいませんか。」と大西君からメールが入った。

大西君の「スケッチ・オブ・ミャーク」があまりに素晴らしい映画だったので沢山話したい事があったから喜んでぺーぱーむーんへ向かった。

一番驚いた事はあの映像は殆ど大西君一人で撮ったという事だ。助手だとかカメラ、照明、記録なんていうスタッフなど一人もいないで、一人で撮影、編集まで全てやってしまったとは。凄すぎる!

大西君は若くてハンサムな青年なので、宮古のおばあたちもきっとトキメいてインタビューに応えていたに違いない。おばあたちの輝くような笑顔。自然な会話。
普通なら入り込めないような神事の場にも一人だけで撮影していたからこそ溶け込んであの映像が撮れたのだ。みんなが幸せで濃厚な時間・・・・そのまま映画に現れていた。

映画の中の風景に一頭の馬が道路にやってきて通り過ぎる場面があった。

「あれはヤラセなの?」いっきさんが聞くと「いいえ、あれは偶然なんですよ。」

とても印象的な素晴らしい映像。神様があの映画には舞い降りて来たのだ。そして、素敵な話を聞かせてくれた。


宮古で試写会をやった時に、終わってから一人の知らないおじいがニコニコ笑いながら大西君に近づいて来た。

誰だったかな~?お世話になった人かな~?いや、やっぱり知らないな~、と思っていたら

「あの馬、俺の馬だ。サカエィって言うんだ。」

あの時、小屋から小屋へ移動中の馬の群れから一頭だけ逃げ出したところを偶然大西君が撮っていたそうな。

「名前がわかっていたら、出演者の名前に入れていたのに。」とちょっと残念そうに大西君は笑っていた・・・。


酔っぱらって嬉しそうないっきさんは「大西君はヘンなもの(凄いもの!といういっきさん流の褒め言葉)を撮ってしまったんだよ!」を何度も何度も連発していた。

集落ごとに唄があり、伝えられて行く神事がある。50歳を過ぎた女たちが中心になって自然と神様と一体になり、生きて行く為に必要だった唄(ブルース)。

そんな文化がどんどん日本から消えて行こうとしている。その大切な大切な瞬間を素晴らしいタイミングと映像で大西君が残してくれた。ありがとう!そして、やはりこの映画は沢山の人たち(特に音楽関係者)にはぜひ観ていただきたい映画です。

10月中旬まで恵比寿写真美術館や吉祥寺バウスシアターで公開しています。そのあと、沖縄、北海道などでもイベントをやるそうなのでぜひぜひチェックしてください。

良い映画観ると幸せな気分になれる。大西君本当にありがとう!ご苦労様でした!!



そして、今日は「トロピカリア」に行ってきま~す。