minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

Against the racism!

2013年12月08日 | ライブとミュージシャンたち
先日、ネルソン・マンデラ氏の訃報が世界中を駆け巡った。南アフリカのアパルトヘイト時代に「人種差別をなくす」運動を指導してきた彼の役割は本当に偉大なものだった。

日本に住んでいるとあまり気がつかない人種問題。今でこそ、我が家の近所はチャイナタウン化しつつあるが(苦笑)、たいした問題だと思った事もなかった。しかし、NYに行ってみて人種の壁が深刻な問題なのだという事を痛感した。


私がNYで初めてストリート演奏をしたとき、熱烈なファンができた。「俺はサチのファンクラブの会長だ!」と豪語し、それからはずっと応援し続けてくれた。彼の名はジャッキー。黒人のタクシードライバーのおじいさん。(彼との壮絶なストーリーは「NYものがたり」として以前書いたので省略しますが、またいつかここに載せようと思う。)

ジャッキーと行動をともにするようになって、人種差別についてもいろいろと考えさせられる事が沢山あった。

ジャッキーが一緒に食事に行こうと案内してくれる場所はいつもハーレム。私の演奏を聞きたくてもジャッキーが中に入れない店がいくつもあった。そんな時彼は外でじっと演奏に聞き耳をたて演奏終了まで外で待っていてくれた・・・。

ちょうどその頃、レゲエバンドに参加し、初仕事が「Against the racism/人種差別反対コンサート」だった。



リーダーはオレゴン在住の人気歌手ジャー・リーバイ。彼は白人なのにおしりまで届くドレッドヘアーでレゲエを歌う。その頃、NYでの人気も高く、ライブはいつも超満員。黒人のパーカッショニスト&ボーカルがいたり、メンバーの人種も様々。



初めて飛び入りしたときに「次はユニオン広場のギグに来てくれ」とだけ言われ、行ってみたら「Against the racism Concert」。白人レゲエ歌手と日本人のサックス吹きという組み合わせだけで十分「Against~」だけど、その時の演奏は本当に大受けで、広場に集まった大観衆が大喜びだったのも未だに忘れがたい思い出。



何もわからないまま出演したコンサートだが、人種のるつぼと言われるNYではこういう運動が日常茶飯事だった。

肌の色が違うだけで中身はみんな同じ人間。マンデラ氏は人種差別をなくそうと闘い続けた。戦争も差別もない平和な世界にしようと最後まで・・・。

マンデラ氏は南アの獄中でダラーブランドの「マネンバーグ」を口づさみ、自分を勇気づけていたそうな。TReSでもこの曲を演奏していたので、今回は特別バージョンで演奏しようと思う。

黒人、ヨーロッパ、日本と垣根を越えて融合することが素敵な音楽。

ということで、13日(金)はピットインでお待ちしてます。


ウィンチェスター・ニー・テテper from ガーナ


コスマス・カピッツァper from ドイツ